表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
遺伝子分布論 22K  作者: Josui
95/134

ディエゴの話

  アラハントのメンバーが太陽系外縁ツアーから

 帰ってきて数か月が経ったころである。

 剛腕プロデューサー、ゴシ・ゴッシーに、

 新たな話が入ってきた。

 

 国務長官、ケイト・レイから直々にだ。

 

 マッハパンチ、ボッビボッビ、そしてアラハント

 の3バンドでバレンシア共和国でのライブに

 参加してもらいたい、という。

 

 それも、バレンシア共和国で今最も売れている

 かもしれないバンド、ネハンのゲストとしてだ。

 ネハンのプロデューサーにはすでに話が

 通っているという。

 

 ただし、と言う。

 今回は、ゴシ本人とヘンリクは参加できない。

 というのも、わけ合って危険をともなう

 ツアーになるかもしれないからだ。

 

 バレンシア共和国では、極右勢力が台頭し

 はじめてきている。ネハンはデビュー当初から

 業界でも一匹狼な態度で、政権にも批判的だった。

 そういったイベントで、極右勢力の標的となる

 おそれがある。

 

「優秀なプロデューサーが失われれば、そのあとに

 ダイヤモンドの原石となるバンドが出てこなく

 なる」

 

 ちなみに、ボッビボッビには直接掛け合って、

 だいぶ前からハントジムで護身術を習って

 もらっているらしい。残りの2バンドは皆武術の

 心得があるので問題ないとか。

 

 今回のツアーには、私も民間人として参加し、

 ライブ開催の裏で、バレンシア共和国の政府高官

 と、非公式会合を行う、とケイト・レイは最後に

 付け加えた。

 

 すぐに承知して、3バンドのメンバーに連絡する。

 早速その日の夜、対策会議を行う。私が一声

 掛ければ、すぐみんな集まる、ゴシは気合を

 入れた。

 

 そして夜、たまたまゲルググで3バンドのライブ

 があったので、打ち上げでその話になる。

 まず、ネハンの話になった。

 

 太陽系外縁では、思ったより音楽が盛んだった。

 内縁は、おそらく活動の規模では我々がいる第3

 エリアが最も活発だ。いいメジャーバンドも

 たくさんいる。

 

 しかし、総合的な実力という意味では、第2

 エリア、バレンシア共和国のネハンが一番だ

 ろう、ということで3バンドのメンバー皆

 一致した。

 

 音楽シーンという意味では、第2エリアは見る

 人によってあまり面白くない。ありきたりなのだ。

 それほどでもないアーティストが、メディアの

 売り込みによって、売上を上げてしまう。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ