ゴシの話35
今回使用している客船は、航行期間という意味
ではかなり小さいと言える。空母が同行していた
ということもあるが、通常は10日間程度と
なると、もう少し大きな船を用いる。
今回はアラハントの5人とテルオに、あえて
小さめの船で旅をしてもらった。その理由は、
物語のもう少しあとで明確になっていく
かもしれない。
そして彼らは木星第5エリアへと到着する。
この第5エリアは、第1と異なり、基本的に
シリンダタイプの都市しかない。そして、同じ
シリンダタイプであってもデザインが少し古く
第4エリアよりも、すこしカントリーな雰囲気だ。
彼らが向かうシリンダ都市は、カルルク。
そしてライブ会場はクラブ・ニーシャープール。
ここでもサクハリン、アラハント、テルオの
ライブはうまくいった。
少し驚いたのは、ちらほらとレイバーらしき
人たちもいたこと。負けてはならじと、
ゴシ・ゴッシーのダンスが炸裂する。
シリンダ都市なので重力も問題無かった。
そしてその翌日、交流戦だ。
これは、両国の友好を兼ねて、アラハントの5人
とクリルタイ国で選ばれたメンバーとでスペース
カーマリアリティの対戦をするというもの。
3回対戦して先に2勝したほうが勝ちとなる。
ホテル近くのエンターテイメントセンターでこの
交流戦が行われたが、その対戦相手とまず挨拶。
「ああー!」
「このひとたち、知っとうとよ」
なんと、第1エリアのエンターテイメント
センターで対戦してそのあと昼食を一緒に
食べた男女5人のグループだった。
まさかの再会に驚きつつも、3戦して辛勝と
はいえ全勝しているアラハント側が少し余裕
モードに入る。しかし結果は相手側の2勝1敗
でアラハントの敗北。しかもチーム構成は
相手側不利の火力構成だった。
あとで知った話では、彼らはプロを目指して
練習中で、2部昇格戦を行っている最中だという。
その名も、ヘブンズゴッドゲーミング。オースの
時は、サブアカウントで苦手な構成を練習して
いたとか。
そして、ケイト・レイ、アラハントの5人、
ゴシ・ゴッシー、そしてテルオは、帰路につく。
皆、ツアーのわりには充分楽しんだが、この長い
航行期間をかけて再び太陽系外縁を訪れることは
あるのだろうか。




