ゴシの話32
アラハントの5人は、昼食後、少し行った
ところのゴールデンオーカ城というのを見に行く。
すると前に、ゴシとリョーコが歩いていた。
フェイクが思わず声をかけそうになるのをウイン
が止める。
「まさかあの二人がなあ」とエマド。
「まだ手はつないでないよね」とアミ。
「リョーコさんねえ、あの紙切れ見せたら、え、
うそ、かわいい、って言ってたんだよ」とウイン。
「あ、それ、ちょっとわかる」とマルーシャ、
4人が、え? と言ってマルーシャを覗き込む。
「あ、いや、ゴシさんがタイプって意味じゃないよ」
母性本能をくすぐるタイプに弱いって意味、と
マルーシャが説明するが、ゴシがどう母性本能を
くすぐっているのかエマドとフェイクには全く
わからない。
二人に見つからないように後を尾けながら、独特
な構造をしているゴールデンオーカ城を楽しんだ。
最後にけっきょくゴシに見つかってしまったが、
二人が午前中に行ったという水族館の話を聞いて、
アラハントの5人もそこへ行ってみることにした。
この水族館では、生きているオーカを見ることが
できる。巨大な球形の水槽の中に、オーカが泳い
でいるのだ。
「このオーカって、さっきのゴールデンオーカ城の
てっぺんにあったオーカと一緒だよな」
エマドが誰となく尋ねる。
「そうよ。その昔、地球上のエンドと呼ばれた国で、
接している海の沖合でオーカが獲れたのよ。
それを剥製にして、金箔を塗り、城のうえに
飾った、それを復元したのがオースのゴールデン
オーカ城よ」
ウインがどこから仕入れたのかわからない情報を
語る。そうして、けっきょく彼らは夕食の時間
までオースにいた。最後は8人で集まって、
オースヌードルを食べたのだ。
そして、翌日、木星第5エリアへと出発する。
これも、10日間の旅となる。
ゴシ・ゴッシーの料理教室も継続するが、
サクハリンの二人も参加することになった。
意外とこの二人、航行中は創作活動をがっつり
やるわけでもなく、暇らしいのだ。
そして木星第1エリアを出て二日目、エマドと
フェイクは、テルオの客船に遊びに行って
よいと聞き、小型シャトルで送ってもらう。
そこで、思わぬ場面に出くわすことになる。




