ゴシの話13
今回のアラハントのテーマは、時代の混乱と
神と悪魔、だ。時代の混乱は多くの魔を
生じさせ、やがてそれは一つとなり、絶頂を
迎えるが、それは永遠と続かず倒れ、
そして無数の神が生じる。無数の神は
やがてひとつの神となり、永遠の幸福を約束
するが、それも続かず神は朽ち果て、再び
混乱の時代となる。
今まさにフロアでも人々の頭上に生じた
魑魅魍魎たちが集まり、ひとつの大きな魔物を
生み出している。
ヘンリクのデザインであるが、フロア内は
妖怪屋敷さながらの様相だ。それにアミの
デスボイスが乗り、3Dの巨大なツノを持った
魔物が咆哮してすべてが闇に包まれるかに
見えた。
しかし、ステージの一画で光が漏れだす。
さっきまで妖怪たちにいじめられていた、
ウニーだ。光が増して、その中から
成獣となった黄金色に輝く伝説の聖獣
ユニコーンが姿をあらわす。
同時に、曲が流れだす。ウインの曲、
覚醒せし者、だ。フロアでは3Dの巨大な
魔物とユニコーンが交錯し、アミのデス
ボイスとウインの歌声が交錯する。
やがて巨大な魔物は四散し、小さな魑魅魍魎たち
に戻るとともに、モニターにはマルーシャの
寝起きの姿があらわれる。
衣装を着て準備を済ませたマルーシャは、
屋敷の玄関に止めてある白金に輝く4頭立ての
馬車に乗る。馬車は軽々と中空に浮かんで
翔けていく。
フロアにひときわ強い光が差し、上階から
馬車が現れる。3Dと実体を組み合わせた
人が乗れる飛翔体だが、3D映像で
コーティングされて馬車が中空を翔けて
いるようにしか見えない。
四散した魔物たちが雷に打たれ、屍となっていく。
馬車がステージに到着し、マルーシャが
登場する。大きな歓声だ。
観客の頭上には様々な姿をした神々が3Dで
現れ、始まった曲はマルーシャが歌う、
エイトミリオンの神々、だ。
神々が歌い踊る宴が始まるが、歌が進むにつれて、
隣り合う神が合体し、少しづつその大きさを
増していく。最後にはひとつの大きな神が
誕生する。
マルーシャはその神に祈りながら歌う。
神聖な雰囲気が漂うステージ。しかし、
モニターには新たに誰かの寝起きの
映像となる。
アラハントはすでに5人揃っている。
モニターの人は、顔が映らないため
誰かわからないが、準備をして、
会場に移動を開始する。




