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遺伝子分布論 22K  作者: Josui
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アミの話6

  エマド・ジャマルが操るガネーシャは4本腕、

 装甲の人型機械だ。

 

 戦闘開始時、搭乗機は母艦にいる状態で、

 遠隔機を出撃させて操る。搭乗機と遠隔機は

 ほぼ同じ形状であるが、操縦席のある胸部の

 形状が異なる。遠隔機は操縦席のかわりに

 通信装備が乗っかる。

 

 戦闘の序盤は、右翼または左翼で重装甲同士の

 駆け引きになる場合が多い。

 

 小隊構成上、攻撃よりの機体を選択することは

 もちろん可能だ。その場合、近接攻撃主体で

 重装甲の相手機は不利となるが、後半複数混戦と

 なった場合に重装甲機体による攪乱が有効と

 なってくる。

 

 装甲の薄い機体は混戦で脆い。

 

 今回の相手の機体は重装甲のオーガ型だ。

 近づくと1秒少し動けなくなる捕縛技を

 使ってくる。1対1では大してこわくないが、

 複数混戦時に捕まると、敵僚機が味方ごと

 撃ち抜いてくる。

 

 第3小隊は、序盤は比較的皆、静かだ。

 敵機の移動なども通信の表示機能で伝える。

 後半は音声でタイミングを合わせるが、

 序盤は一人で戦う時間も多く、

 静かなスタートとなる。

 

 しかし、エマドだけ、独り言が多かった。

 

 重装甲同士の戦いは、中央火力担当より

 比較的地味になることが多く、しかも後半に

 向けて残機を残しておく場合はなおさらとなる。

 攻撃というより牽制や挑発のほうが多くなる。

 

 だいたいは相手機を挑発したり技をくらって

 ぼやいたりする言葉だが、

 

 ときどき配信動画の有名なセリフを、なんの

 関係もないセリフを挟んでくる。

 

「誰かがやるはずだった。自分がその誰かに

 なりたかった」

「神はサイコロを振らない」

「咳をしてもひとり」

 

 独り言であっても他のメンバーには聞こえている。

 だいたい誰も反応しないが、マルーシャだけは

 ツボに入ってしまうのか、笑いを堪えられない。

 

 そろそろ頃合いだと思ったエマドは、前方

 シールドを張ってミニオン機からの砲撃に

 耐えつつ、相手オーガ型を押し込んだ、

 そこから中央部側へ体を寄せていく。

 

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