表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
遺伝子分布論 22K  作者: Josui
25/134

アミの話

  彼らが巨大な人型機械を操って戦うことに

 なったいきさつからまず書いていかなければ

 ならない。

 

 5人でまず音楽活動を始めたきっかけが、

 ウイン・チカが弦楽器奏者を募集しようと

 提案したからだ。アミがそれに申し込んだ

 のは、年齢が同じだった、ということも

 あるが、その募集メッセージに込められた

 キーワードに反応したからだ。

 

 彼らは音楽以外も趣味が合った。

 

 はじめは、端末からネットワークにつないで

 5対5の対人戦を行う古典的なゲームをやって

 いた。一番うまかったのは、親の影響で小さい

 ころからプレイしていたフェイク・サンヒョクだ。

 

 彼らはゲーム中の意思疎通もうまく、ランキング

 でもかなりの上位に食い込む腕前を見せた。

 もちろん音楽活動の合間の少ないプレイ時間で。

 

 そして、

 同じゲーム会社から3年前にシリーズものとして

 リリースされたのがスペースカーマ・リアリティ

 だ。

 

 これは、自宅から端末でネットワークに繋いで

 遊ぶものではなく、エンターテイメントセンター

 の一画にそれなりのスペースを占有している

 5人分の座席が付いた空間で行う。

 

 一人ひとりは壁で区切られていて、巨大人型機械

 の操縦席、という設定だった。こんなものが

 都市下層のセンターにリリース当初から置いて

 あるのは、裏で軍が関与している、ともっぱらの

 噂だった。

 

 これを5人でよく遊んだ。

 

 6人姉妹で家が経済的に苦しいウイン・チカの

 プレイ代を出してくれたのはメインの弦楽器を

 演奏して歌も歌うマルーシャ・マフノだ。

 これに管楽器を使うエマド・ジャマルの計5名。

 

 ゲームのルールはこうだ。

 

 5人はそれぞれ巨大人型機械に搭乗する。しかし、

 最初から搭乗機で戦うのではなく、搭乗機と

 類似の機能、性能を持った遠隔機を搭乗機の

 操縦席から操って、相手国の機械と戦う。

 

 戦場空間には宇宙母艦で向かうが、搭乗機は

 それぞれ一機の計5機、遠隔機は搭乗機あたり

 3機の計15機。

 

 これにサポートを行うミニオン機100機が、

 開始時と4分ごとに20機づつ出撃する。

 

 遠隔機がすべて破壊され、敵が宇宙母艦に接近

 したときのみ搭乗機で迎撃する。時間制限も

 あり、20分で決着がつかない場合はポイント

 制で勝負が決まる。

 

 相手の搭乗機を破壊せずに捕獲するとポイント

 も高い。

 

 センターにある操縦席はかなりリアルに作り

 込まれており、搭乗機を操縦しているときは

 回避行動や衝撃に合わせて席も振動する。

 

 人型機械は、それぞれに役割分担があり、

 火力があってチームの主力となるもの、防御

 主体のもの、シールドを多用して味方を守ったり

 バッテリーを渡してシールドを回復させるもの、

 ステルスして突然襲うものなど様々な機種がある。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ