新説 桃太郎 第一話
むかし、むかし、あるところに、おじいさんと、おばあさんが住んでおったそうじゃ。
おじいさんは、そのむかし、ずいぶん身体を鍛えておったそうで、今でも、そのなごりが身体すみずみに、のこっており、とてもたくましい身体をしておった。
おばあさんは、そんなおじいさんにひとめぼれ。
村一番の男である、あったおじいさんをいとめる為に、あの手、この手を使いおじいさんをついにいとめた、とてもかしこく、また努力をおこたらない、すてきな女性だったそうじゃ。
そんなおじいさんと、おばあさん。
村でもゆうふくな、生活をしおる夫婦だそうで、
自分の土地をもち、田んぼもあり、近くに川も流れておる家に住んでおった。
ただ一つ、おじいさまとおばあさまの二人には子供だけおらず、近所の子供を見る度に、少しさびしそうにしておったそうな。
そんなおじいさんと、おばあさん、ふだんは田をたがやし、せんたくものを洗い、
時には、町へ出歩き夫婦そろって買い物をする仲の良い夫婦じゃったのだが、この日だけは違っておった。
どうやら、おばあさん。
子供がいないことをずっっと気にしていたようす。
つい、さみしさのあまり、泣きだしてしもうた
これにはこまったおじいさん。
なぜなら、おばあさんが 子どもをほしがっていたのは知っておったが、今まで、泣き出したことなど一度もなかったのじゃ。
とにかく、このまま泣いていては、おばあさんが心のびょうきになってしまうと、今日は二人でせんたくものをして、ゆっくり山にでも出かけないかと、おばあさんと今日一日過ごそうときめました。