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第4話
安西寿美子の番号を押しコール音が鳴る。
1コール
2コール
3コール
ここで、安西寿美子が電話に出なければまだ引き返せる...!
一瞬気持ちが揺らぐ。
4コール
5コール
「...もしもし」
安西寿美子だろうか。
「あっ。○○病院の竹下です」
「待ってたわ。必ずあなたなら電話してきてくれるって」
この女から私はどう思われているのだろうと思いながらも、言葉を繋いだ。
「うまく出来るかわからないけど、やるだけやってみます」
「大丈夫。あなたなら必ずうまくやってくれると信じてるわ!」
そのあと、彼女ともう一度会う約束をして通話を切った。
安西寿美子は、私なら必ずできると言っていたが、なんの根拠があってそんなことを言っているのだろうか?
しかし、もうあとには引けない。
絶対に800万手に入れるんだ。
私は、寝室のドレッサーの引き出しに封筒をしまい。
ベッドに倒れ込んだ...。
問題は方法だ...
どうしたら、痕跡を残さずあたかも急変が起きたように病死させることができるか...
そんなことを考えながら私は泥のように眠っていた。