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第4夜

俺は普段眠れてなかった分、ぐっすり寝た。隣に幼女がいようが関係ない。当たり前だ、ロリが隣で寝ている状況に興奮して眠れないやつがいたらそいつは確実にロリコンだ。

で、肝心のいちごはというと、俺が目を覚ましたときには隣にいなかった。というか俺の家のどこにもいなかった。多分俺が眠っていた間に出ていったのだろう。こうして俺は今日も睡眠欲と戦いながら授業を受けるため、家を出る。



学校に着くやいなや俺の顔を見た滴生が声をかけてくる。


「ねえ、蓮月君。」


「なんだ、俺の顔に何かついてるのか?」


「そうじゃなくて。今日はいつもより顔色が良いのね。」


「普段の俺はそんなに顔色が悪いか?だとしたらそれはただの寝不足だ。」


「それがおかしいのよ。蓮月君て今までほとんど夜更かししてなかったでしょ。なんで最近になってそんなに寝不足の日が増えてるの?」


まずい、話の流れがだんだん面倒な方へ向かっている。


「いや、俺もそろそろ勉強しないといけないなーとおもってさ。」


「……そう。とにかく身体には気を付けてね。」


訝しげな目をしながらも滴生はそう言って自席へ戻っていく。ふう、ギリギリセーフか。



滴生には注意されたが、だからと言って公園に行かないわけにもいかない。そして今日も俺は公園に向かう。月は丁度半月といったところだろうか。形は変わっても明るさは衰えない。月明かりと外灯に照らされたそこにはいつも通りいちごがいる。


「あ、お兄ちゃん。きのうはありがと。」


「ああ、その事なら気にすんな。楽しかったならそれでいい。」


「うん、たのしかった!またいってもいい?」


ここですぐ断れば良いのだが、俺は滴生の言うとおり、お人好しらしい。


「来たかったらいつでも来て良いぞ。毎回お菓子を作れるかどうかは分からんがな。」


嗚呼、断れば良いものを。


「わかった!じゃあまたあそびにいくね。」


「おう、また来いよ。さて、ところで今日は何して遊ぶ?」


「うーん、どうしよう。おにごっこもかくれんぼもやったからなぁ。」


そう、俺たちは今、深刻な遊びのネタ不足に悩んでいる。なにせ俺もいちごも遊びのストックがほとんど無い。したがって日々変化を求める幼女様には大変な問題なのである。そして幼女様が困るということは俺が苦労するということでもある。


俺たちが頭を抱えてしばらく考えこんでいると、


「あれ、蓮月君?」


……すごく嫌な予感がする。聞き覚えのある声だ。それも毎日聞いている。


「ねえ、こんな所で何してるの?……その子は誰?」


まずい、俺を見る滴生の目がだんだん変態を見るような目になっている。


「いや、違うんだ。これには深い事情があってだな。決していかがわしいあれでは……。」


「蓮月君はちょっとだまってて。」


いまだかつてこれほど素晴らしい一刀両断を見たことがあろうか。言い訳を重ねる俺を他所に滴生はいちごに話しかける。


「ねえ、お名前を教えてくれる?」


まるで常日頃から年下と接しているようにスムーズに話しかける滴生。しかし、いちごは初対面の相手を警戒しているのか、なかなか話そうとしない。普段遊んでいると分からないが、意外と人見知りなところもあるのか。


「安心しろ。その女の人は俺の友達だ。」


安心させるために声をかけると、いちごの顔から緊張の色が消え、笑顔が浮かぶ。


「へぇ、お兄ちゃんのおともだちなんだ。いちごです、はじめまして。」


「いちごちゃんていうんだ。こちらこそ初めまして、滴生静です。いちごちゃんはそこにいる蓮月君とはどういう関係なの?」


いきなり踏み込んだことを聞いてくるな。いちごよ、頼むから余計なことは言わないでくれよ。


「お兄ちゃんにはまいばんいっしょにあそんでもらってるの。」


嗚呼、しかしその願いは無惨にも打ち砕かれる。滴生の顔が変態を見るような目から犯罪者を見るような目に変わりつつある。そこに追い討ちをかけるように、


「あ、きのうはね、お兄ちゃんのいえでいっしょにねたんだよ。」


あ、死んだわ。人間のこめかみに血管が浮き出るのは漫画の中だけだと思ってたけど実際にも出るんですね。


「ねえ、蓮月君。最近寝不足って言ってたよね。勉強でないことは薄々気づいてたけど、まさか小さな女の子と夜に遊んでたとは思いもしなかったわ。」


「違うんだって、話を聞いてくれ。って滴生こそなんでこんな時間にこんな所にいるんだ?」


「私は塾の帰りよ。ここが通り道なの。そんなことより早く話しなさいよ。」



俺は必死の説明により、なんとか滴生を説得できた。滴生はまだ訝しげな目をしてはいたが、一応納得はしてくれているようだ。こうして俺はどうにか一命をとりとめた。


「たまたま夜の公園でいちごちゃんに会って遊んであげていることは分かったわ。でもさ、大変だったならさっさと誰かに手伝ってもらえばよかったじゃない。」


「こんなこと誰かに言えるかよ。どう考えてもロリコンとして扱われるのがオチだろ。」


「考えすぎよ。蓮月君て友達は多い方でしょ。それともその友達を信用できなかったの?」


「いや、そういうわけじゃないけどさ。」


「じゃあさ、しずかおねえちゃんにもてつだってもらえばいいじゃん。」


いちごが、俺たち二人に提案する。


「いや、いちご。それは俺も考えたけど滴生も忙しいだろうから……。」


「あ、それ良いじゃない。私もいちごちゃんと遊びたいし。それに私がいれば少しは楽になるでしょ?」


「そりゃ、楽にはなるしありがたいけどさ。でも迷惑じゃないか?塾もあるんだろ。」


「それなら大丈夫よ。この時間帯なら塾とは被ってないし。」


「まあ、お前が大丈夫ならいいんだけど……。」


「やった!これでしずかおねえちゃんともいっしょにあそべるね。よろしく!」


「ええ、こちらこそよろしくね、いちごちゃん。」


こうして深夜の公園でロリと遊ぶメンバーがひとり増えた。


「これで少しは楽になるな。俺からもよろしく頼む。」


「…………」


滴生は俺を一瞥してすぐにいちごとの会話に戻る。この距離感はしばらく続きそうだな。

滴生も入ったので、次回からは今までより盛り上がる思います。盛り上がるといいなぁ。盛り上がってください。あと、投稿不定期すみません。もう少し書くことに慣れたら定期投稿しようと思います。

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