Free World Online START.07
始まりの草原に戻ってきたわたしたち。相変わらずスライムがぴょんぴょん跳ねてる。
「さっきは気にしてなかったけど、森に続く一本道があるんだね。」
「みたいだな!この先に行けば《試しの森》にいけるんだろ。」
わたしもそう思う。よーし!レッツゴー!
あ。また忘れてた。
「大地ー。ステ振りした?」
「おう!さっきしたぜ!なに、もしかしてまた忘れた?」
ニヤけ顔がムカつくっ!
「そーだけど文句ある?ちょっと待って。」
30ポイントを全部DEXに振って…。
Miyavi/ノービス/無所属
Lv:4/STP:0
HP:340/340 MP180/180
STR:0
VIT:0
INT:0
AGI:0
DEX:80
LUK:0
見事なまでの極振り。早く生産したいな。DEXのSTPみるとすごく思う。
「オッケー。じゃあ行きましょ。」
「よっし!試しの森に試されてやるぜ!」
なにそれ、意味わかんない。
「なにそれ、意味わかんない。」
おっと、心の声が漏れてた。
「ノリだよノリ!ゲームなんだからさ、楽しんだもん勝ちだろ?」
「そうだね。いざしゅっぱーつ!」
《試しの森》に入ると鬱蒼と茂った植物や木によって薄暗くなった。まだお昼だからいいけど、夜にここに来たくないなー…。
「雰囲気出てんな。なんでも来い!」
「お昼なのが救いだね。お化けは勘弁して欲しいな。」
「都姫嫌いだもんな。…お!」
大地が声を上げると同時にわたしも木陰に隠れている影を見つける。大地の予想通り人型モンスターっぽい。
「不意打ちタイプのモンスターなんて、最初からいやらしいね。」
「ま、俺らにバレてんだから意味ねえけど。都姫弓でアレ打って。」
「はーい。当たるかは微妙だよ?」
バレてないと思ってるのか隠れたままのモンスター。ちょっとしか出てないからなあ…。
狙いをつけて。
シュンッ…カッ!
あちゃ、木に当たっちゃった。でもモンスターが驚いて出てきた。結果オーライ?
出てきたモンスターは緑の肌に額の小角。ぎょろっとした目玉に粗末な木の棒を持つ定番のモンスター。
「ゴブリンじゃん!俺の剣の錆にしてやるぜ!」
「初の人型なんだから油断大敵!両手剣は隙多いから気をつけて!」
突進していく大地に叫ぶ。ゴブリンも戦闘態勢だ。
「ゴブッ!」
「ゴブリンの鳴き声がゴブッってまんまかよ。喰らえっ!」
大地が右下に構えて走っていた勢いのまま切り上げる。直撃して打ち上げられるゴブリン。やっぱ最初だから能力は低いみたいだね。
「ナイス大地!残りHPが3割、決めるよ!」
大地が走り出したと同時に引き絞っていた弓を解き放つ。矢は起き上がるゴブリンの額を直撃し。
Critical Hit!!
モンスターの急所に当たるとクリティカルなんだ。
ゴブリンもスライムと同じように霧散していく。
「スライムより楽だな。」
「ステータスが上がってるのもあるし、何より急所があるからじゃない?」
でも大地の攻撃力が凄かった。
「まぁ俺、STRに30ポイント突っ込んだしな。余裕余裕!」
「ポイント全部STRに入れたの!?そっか、それであの攻撃力。」
なるほど納得。これならゴブリン狩りも楽かもね。
「そうそう。次行こうぜ!また楽しくなってきた!」
テンションが上がってる大地に追いつくように、わたしは走った。
今日は仕事が休みなのでこの時間に更新です。
沢山のご愛読ありがとうございます!