Free World Online START.06
ギルドの真横にあった日本でいう定食屋さんみたいなお店に来たよー、来ちゃったよー。
ワクワクしすぎてなんか変になってるかも。
「都姫!みろよこれ。スライム盛りだって!デザートだけど、どんなんなんだろな!」
大地が見せつけてきたのはさっきまで狩っていたスライムまんまのデザート。見た目はゼリーっぽいけど。
「わたしそういうのダメって知っててやってるでしょ?」
そう、わたしはこういった『ゲテモノ』が無理だったりする。
「ごめんごめん。でも俺これ食ってみよう。」
またニヤニヤしてる大地。蹴りたいけど周りにお客さんもいるし今回は自重する。
「わたしはオムライスとコーンスープにする。オムライスの卵がコッコニワってモンスターの卵なんだって。」
「またオムライスかよ。好きだなー。俺はカウモーのステーキとドレイクパン、シャキッとサラダにスライムゼリーにする!」
うわぉ、大地って男の子だからやっぱりよく食べるね。
店員さん呼んで注文!
「お待たせいたしました、ご注文のお料理です。ステーキのお皿が大変熱くなっております。長く触られると【状態異常:火傷】になりますのでご注意ください。」
来た来た!すっごく美味しそう。半熟卵のオムライスー。わたしの脳内はハートマークだらけ。
「メシ食ってて状態異常になったらバカすぎんな。気をつけよう。」
「大地ならやってくれると信じてるよ?」
うん、わたしはオムライスでテンションが上がりすぎて変なこと言ってる。でも大地だからいっか!
「そういうフリやめろよなー。やんねーぞ!」
「わかってるよ!それより早く食べよう?」
「「いただきます!」
ふわとろ卵に美味しいチキンライス!このオムライス美味しい!でもどこか満足できないのはVRだからかな?
「すげえ美味いんだけど、なんか物足りねえな。」
「大地も?わたしも物足りなくて、なんかリアルのご飯が食べたくなった。」
「俺も俺も。多分、ちゃんとリアルでメシ食えってことなんだろな。」
あー、なるほど。でもこのFWOでは加速思考技術っていうのが使われてて、リアルの10分が1時間、リアルが4時間でFWOが1日経つみたいだから、まだちょうど1時間くらいのはず。
「まだリアルのご飯の時間にはなってないよー。このご飯食べたらまた狩りに行こう?」
「そうだな。俺も都姫もそこそこ動けるようになってきたし、次はもうちょい先に行ってみっか。」
「賛成!《始まりの草原》から先だと《試しの森》みたいだよ。さっきギルドで地図見た。」
ギルドには簡易的な地図があった。ここら辺が《〇〇》みたいな。
「オッケー!最初のほうだし、ゴブリンとかコボルトとかかな?」
ゴブリンもコボルトも人型のモンスター。戸惑わないように覚悟を決めておこう。
「何が出てきてもわたしと大地なら大丈夫だよ。頑張るぞー!」
「おう!」
…周りのお客さんに冷ややかな目で見られてた。恥ずかしい。
「だ、大地、行こう!」
「お、おう。」
逃げるように定食屋さんを後にしたわたしたち。ちなみにこの定食屋さん、名前がそのまま『定食屋』だった。
更新するとPVが増えるんですね。励みになります!
まだキャラが増えない。もう少し先になりますが、暖かく見守ってください。