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Free World Online   作者: Masky
18/26

他のプレイヤーとの初交流。

FWO内での3日目、わたしたちは飽きずに《アーチ草原》で狩りを始める。

ただ、もうlv27だとこのへん美味しくないんだよね。

大地と朝陽に任せててもガンガン狩ってくるし。


「うらうらぁ!骨のあるやついねえのか!」

無双ちっくに両手剣を振り回してアーチウルフを狩る大地。

「はっ。ワレの攻撃なんか届かんわ!」

コボルトの攻撃をタワーシールドで受けて槍で突き倒す朝陽。


…うん、やっぱり私参加しなくても大丈夫そう。ポーションでも作ろうかな。

そう思って〈生産キット:アイテム〉からビーカーを取り出したところで水が必要なのを思い出す。


あはっ。さすがわたし。バカだ。


独り言を言ってるといつの間にか、わたしの後ろにグリーンスライムがいた。ぽよぽよしてる。

そういえばスライムって液体っぽいなー。取れないかな?

何気なくそんな事を考えて、ビーカーにスライムをすくってみた。


【スライムウォーター スライムを形作っている液体。】


ーーえ?取れた?わわっ!取れちゃったよー!

スライムにダメージはなく、攻撃扱いにもならないみたい。グリーンスライムはのんきにぽよぽよしてる。

なんだか可愛いな。なんて思うあたり、ちょっと余裕が出てきたみたいだね。


スライムを追いかけ、スライムウォーターを"採取"するわたし。

傍目から見たら「こいつなにやってんだ?」って思われるんだろうな。

「お前なにやってんだ?」

ほらー。言われた。大地の言葉に

「スライムからスライムウォーターが取れるんだよ。これポーションの役に立たないかなーと思って。」

と答える。

「え?なに、ドロップ品じゃなくてアイテムゲット出来んの?」

「そうみたい。まぁ、見た目からこんなのできるのはスライムだけだと思うけどね。」

「へぇ。手伝おうか?」

「んーん。大地はウルフを狩って毛皮集めててほしいな。表示は無いけど、きっと生産にもレベルがあると思うからしっかり育てておきたい。」


嬉しい大地の言葉だけど、そういうこと。

そうか。なら無双してくらあ!なんて元気な言葉を残して、大地はウルフと戯れに走って行った。


その間の朝陽は

「なんやあいつら。フィールドでいちゃいちゃしよって。やっぱ付き合うとるんとちゃうか?」

と何気にしっかり見てたらしい。



ちょうどお昼頃、擬似太陽が真上に来てるくらいにわたしたちは一旦休憩と《アーチタウン》に戻ってきた。


「かなり狩ったけどあんまレベルあがんねえな。流石に次のフィールドに行ったほうがいいか。」

「せやなあ。いっぺんギルド行ってみよか。ワイら、レベリングに熱うなりすぎてクエストもまだ受けたことあらへんし。」

「だね。もしかしたら次のフィールドの情報もあるかもね。《NPフィールド》のギルドじゃマップがあったし。」

そう3人で話しながら大通りを進む。夜と違って人が多く、プレイヤーの姿も結構見られる。

まだ始まったばかりながら、いろんなプレイヤーのいろんな装備が見られるから、わたしたちだけじゃ気付かない"FWOの本来の自由さ"を垣間見た気がする。

自由ってこういう感じなのもあるんだなあ。

現実(リアル)の人通りと違って、なんだか活気があってみんな楽しんでる。

まぁ中世的な街並みも非日常感を手助けしてるんだろうけど。


なんてことを考えてたら

「おーい、姉ちゃん。置いてかれてるよ!」

急に知らない人に声をかけられた。声の通り大地と朝陽が何か言い合いながら先に行っていた。

ひどーい。わたしを置いてくなんて。まあわたしがこの人通りを含めた風景に少し見とれてたからなんだけど。


「ありがとうございます。ごめんなさい、急に止まって。」

「全然大丈夫。世界初のVRだもんな。見とれる気持ちわかるよ。」

声をかけてくれた男の子にお礼を言うと、笑顔で応えてくれた。

「お姉さん、今日《アーチタウン》に来たばっかり?実は俺もそうなんだけどさ。」

「あ、いや、わたしは昨日から。昨日着いてまた今朝からいままで《アーチ草原》で狩りしてたよ。」

「昨日から!?もしかして、ロトーウルフ初討伐だったりする?」


男の子がそう言って若干詰め寄ってきたので引いてしまった。周りの人もなんだって顔してる。

「あ、ごめん。名前も言ってないのにな。俺は(しゅん)、なんかの縁だろうし、よろしくな。」

「わたしは都姫(みやび)、よろしくね。ロトーウルフだけど、わたしたちが初討伐だったよ。Lv20になってエリアバリアが解除されたときに、たまたまボスのとこにいたから初討伐になったんだと思うけど。」

わたしがそう話すと瞬は興奮したように

「マジか!いいなあ。俺らは仲間の1人がモンスターとリアルに戦うのに戸惑っちゃってさ、出遅れちゃったんだよな。」

なんて元気よく話してくれた。




「おい、都姫!なにやってんだよ。」

瞬と話ししてると大地がやってきた。ちょっと話し込んじゃったかな?

「あ、大地。ごめんごめん、この人通りと雰囲気に見とれちゃって。この人、瞬に声かけられて、ちょっと喋ってた。」

「瞬だ。今日《アーチタウン》に来たばっかだけど、よろしく。」

「大地だ。都姫から聞いてるかも知れねえけど、俺らは昨日から来てるぜ。」

大地と瞬が握手を交わす。なんか男の友情って感じ!まだ芽生えてないだろうけど。


そうしてると、こっちに向かって3人の男女が走ってきた。瞬のパーティメンバーかな?

「瞬!お前また他の人に迷惑かけてんじゃないだろうな?」

「迷惑なんかかけてねえって!ロトーウルフ初討伐のパーティの都姫と大地。この人らとちょっと喋ってただけだよ。」

「都姫だよ。風景に見とれてたら瞬に"置いてかれてるよ"って声かけてもらって。迷惑はかけられてないんで安心してね。」

動きやすさ重視な感じの皮装備で包んだ男の子が心配してそうだったので、ちゃんと説明しておく。

残りの2人はローブ系かな?布の装備みたい。男の子が黒いローブ、女の子が白いローブ。

「俺は拓海(たくみ)。瞬なんかと喋ってくれてありがとう。こっちは、黒い男が隆士(たかし)で白い女が恵梨香(えりか)。4人でパーティ組んでる。」

「隆士です。瞬がご迷惑をおかけしました。」

「恵梨香よ、うちの瞬がごめんなさいね。」


ちゃんと自己紹介してくれた!他の人との交流皆無なわたしたちと違ってちゃんとMMOやってるって感じ。ちゃんと返さなきゃ。

「さっきも言ったけど、都姫だよ。ほんとに瞬とは話してただけだから大丈夫!こっちのは大地。イケイケで馬鹿だけどいい奴だから。よろしくね。」

「大地だ。馬鹿じゃねえけどな。なんかの縁だろうしよろしく頼むぜ。あと俺らのパーティはもう1人朝陽って関西弁の男がいるけど、そいつはギルドにいるからまた今度紹介する。」

大地もしっかり挨拶してくれて、なんか一安心。


「俺らは今からギルドに行くんだ。そのついでだし、朝陽って人にも会いたい。都姫たちはなんか、凄くなりそうな気がする。」

なんてことを拓海が言ってくれる。素直に嬉しかったりするけど。

「凄くなるかなんてわかんないよー。目指すけどねっ!」




プレイヤーやNPCで結構な人数がいる大通りを、6人でギルドに向かって歩く。

今度は急に立ち止まらないようにしよう。


ギルドに着くと、これまた結構なプレイヤーの数。

こんなに来てたんだね。って、まだ2つ目の街だもんね。それはそっか。

「結構人増えたな。MMOやってるって感じだぜ。」

大地も同じことを思ってたみたい。



「おーい!都姫、大地!こっちや!」

ギルドの中に備え付けられていたテーブルと椅子。そこにいた朝陽に呼ばれ、わたしたちはそっちに向かった。

今日は1話目が遅くなりました。

もう1話、寝落ちしない限り更新します。


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