Free World Online START.10
この話でFree World Online STARTの章は終わりです。
転職カウンターにいたのは最初の受付のお姉さんそっくりな女の人だった。思わず見比べちゃったもんね。
「転職がお望みかしら?」
お嬢様言葉!!これは大地がやられる!
「せやで!やけどその前に俺とお茶行かへん?こないなべっぴんさんほっとかれへんで!」
…大地よりも前に食いついた人間がいた。まさかだね。
「うふふ。せっかくのお誘いありがとう。でも私はここでの仕事があるから、申し訳ないわね。」
朝陽、玉砕。現実で(VRだけど)orzになってる人見たの初めてかも。
「さてさて、転職に移りましょうか。まず最初にここで転職できるのは10種類よ。剣士・戦士・騎士、魔法使い・祈祷師・僧侶、弓師・銃士、盗賊・暗殺者の中から選んで頂くわ。」
この辺は開始前の情報収集の通りね。
「俺から頼むぜ。俺は剣士になる!」
「元気がいいわね。剣士でいいのね?手にカードを乗せてカウンターの上に出してちょうだい。」
ギルドカードを手に乗せ差し出した大地の手にお姉さんが自分の手を重ねる。
ぽわっ…。
おぉー!光った!手が光った!
「これで転職は完了よ。ステータスを確認してちょうだい。」
「おう!ありがとな!」
Daichi/剣士Lv1/無所属
Lv:10/STP:0
HP670/670: MP240/240
STR:95+15
VIT:15
INT:0
AGI:30+10
DEX:0
LUK:0
おぉー!(2度目)剣士になってる!STRとAGIに補正も効いてて強くなってる!
「よし!これでまた俺は強くなれた!」
「ふふ、頼りにしてるよ。」
朝陽はまだ真っ白になってるから先にわたしがやらせてもらおう。
「次はわたしをお願いします。弓師で。」
「うふふ、お嬢さんは弓師ね?同じようにして。」
大地と同じようにカードを乗せた手に重ねられるお姉さんの手。NPCだけど暖かい…。
「はい、これで弓師になってるはずよ。確認してちょうだい。」
「ありがとうございます。」
Miyavi/弓師Lv1/無所属
Lv:10/STP:0
HP:520/520 MP240/240
STR:0
VIT:0
INT:0
AGI:0+5
DEX:140+20
LUK:0
補正幅が違うんだ。DEXが上がるのは嬉しい!
「う、うぅ…。振られてもーたけど転職はやるで!お姉さん、ワイは騎士で頼む!」
「あらあら、あなたはナイトなのね?かっこいいわ。手を出してちょうだい?」
「かっこええなんてそんな…。」
照れてる朝陽も同じように手を出し、転職する。朝陽って意外とちょろい?
Asahi/騎士lv1/無所属
Lv:10/STP:0
HP:1720/1720 MP240/240
STR:30+5
VIT:100+20
INT:0
AGI:10
DEX:0
LUK:0
全員が転職し、戦力強化できた。次は装備ね!
「「「ありがとうございました!」」」
ギルドを出て、向かうは武具屋!
生産始められるまでしっかり装備を整えて素材に困らないようにしないと。
わお。The 武具屋!って店構え。店の前に両手剣と長槍が飾ってある。
「あの両手剣かっけえな!あんなかっこよくて強え剣欲しい。」
大地のテンションが上がってきたー!うるさくなるよ。
騒いでる大地を引きずりながら店の中に入ると、入り口の横にドワーフのおじさんがいた。素材買取のドワーフよりももっとがっちりしてる。
「おう、らっしゃい。おめえらが探すのは武器か?防具か?」
「おっちゃん!カッコよくて強え両手剣が欲しい!」
テンションが上がりきってる大地が言うと…
「おっちゃんなんて歳じゃねえ!おりゃあまだ若えんだよ!」
と一喝された。大地もびっくりしてる。おもしろい。
でも見た目は完全におじさんだよねー。
「両手剣だな?そっちの棚見てみろ。気に入ったの持って来な。」
ドワーフのお兄さんが指差す方へ大地は走って行っちゃった。
「嬢ちゃんと兄ちゃんは何が欲しいんだ?」
「ワイは盾が欲しい。とりあえず武器はまだNPでええわ。」
お兄さんの問いかけに朝陽が答える。…が
「おめえは騎士か。なら武器も盾もちゃんとしたの揃えな。おめえが崩れたら後ろのやつがやられんだ。」
と少し怒られる朝陽。
「ほーか。それもせやな。おっちゃんおおきにな。長槍と盾の棚教えて。」
「おっちゃんじゃねえって言ってんだろが!」
また怒られてる。大地も朝陽も面白すぎる。
怒りながらもお兄さんはしっかり棚を教えてくれてた。
「どいつもこいつも…。嬢ちゃんはなににすんだ?」
「連れがすみません。わたしは弓をお願いします。あと矢も。」
「かまわねぇよ。腹は立つが言われ慣れてっからな。弓矢は向こうだ。」
お兄さんは奥の方の棚を指し示す。
「弓矢は奥なんですね。やっぱり不人気ですか?」
「そうだなあ。正直に話しすっと弓矢を買いに来たのは嬢ちゃんが初めてだ。」
うっそ。そんなに人気ないんだ…。まずVRで生産する人が少ないせいもあるんだろうなあ。
「そうなんですね。ありがとうございます。」
「いいってことよ。頑張んな。おりゃあ応援してっからよ。」
そういってお兄さんはカウンターの奥へと引っ込んだ。
弓と…矢…っと。
これ、なんかいい感じ。
【風弓 ATK 23 微量の風の魔力を纏っている弓。外で使うとAttack上昇。
スキル<スマッシュアロー・風撃矢・矢嵐>】
序盤にしてはいい感じ!値段はそこそこするけど、買いだね。矢も隣に一緒に置いてるのにしよう。
【風の矢 ATK 5 風弓と併用して使うと常時Attack上昇。残数:200】
セットで使うと相乗効果が望めるんだ。決まりだね。
「お兄さーん!これください!」
「おう、なかなかいいもん選んだな。序盤じゃ十分な武器だぜ。値段張るが大丈夫け?」
「大丈夫です。ゴブリンを狩って少しは懐暖かいので。これでまた寒くなっちゃいますが。」
「嬢ちゃんがいいならかまわねえけどよ。2つで1200Gだ。」
「はい。確かめてください。」
現在の所持金は1900G。そのうちの1200Gを渡す。
「はいよ。確かに。あんがとな。」
「こちらこそありがとうございました。」
これで狩りがまた楽になるね。楽しみだー!
「お、都姫。遅かったな。もう買っちまったぜ!」
「ええのん見つかった?ワイは大満足やけど。」
入り口で大地と朝陽が待っていた。2人とも満足げな顔してる。
「2人はどんなのにしたの?わたしは風弓と風の矢!合わせて使うとアタック上昇効果とスキルがスマッシュアロー・風撃矢・矢嵐だよ。」
「俺はクラフソード!ATKが52って高えんだ!白い剣ってかっけえし最高!スキルはスラッシュ・スタニック・ブロスアタックだぜ。」
「ワイはナイツランスとナイツタワーシールド。都姫のんと同じように一緒に装備しとったらDEF上昇や。ナイツランスはATK38あるし十分な装備やで。スキルはピアシング・ディフィカン・鉄壁や。」
3人で新しい装備を見せ合う。クラフソードは真っ白で無骨な感じの両手剣で、ナイツランスとナイツタワーシールドは中世の騎士みたいな感じ。どっちもかっこいいな。
「これで俺らもまた強くなれたし、もっと強くてEXPうまい奴探そうぜ。トップランナーになりてぇし!」
「お、大地やる気満々やなあ!んならワイも乗ったんでぇ!」
2人ともテンションがあがってるね。そういうわたしだって。
「もちろん!わたしは暫定でFWO1番の弓師になって、そしてFWO1番の生産プレイヤーになるよ!」
少し長くなりました。経験0からのスタートですが文書を書くのが少しスムーズになってきました。テクニックは相変わらず皆無ですが。
次の話からサブタイトルが変わります。そしてそろそろ3人目の幼馴染が出てくる予定です。
閲覧いただきありがとうございます。




