氷菓の異能
現在
氷菓は偽氷菓に足蹴にされ続けボロボロになっていた。
俺は氷菓に向かって言った。
『今ならあんな事はもう起こらない!あれから何年たってると思ってるんだ!だから、氷の剣で、戦うんだ!』
剣が続けて言った。
『そうだ!氷菓、お前は成長しているんだ!あの時とはもう違うだろ!氷菓はもう、あの時の氷菓じゃない!今の氷菓だ!』
氷菓は呟いていた。
『私は、もうあんな事起こしたくない…だけど、分かってた。私はそのうち、氷の剣をまた使う事になるのは…今がその時なんだ…』
『お前はその程度か!』
と、偽氷菓は止めを刺そうと、氷の剣を振り下ろしたその時、
カキィン
と音がした。
『氷の剣』
氷菓の手には、氷の剣が現れていた。
『ちっ』
と、偽氷菓は後ろに飛び引いた。
氷菓は立ち上がり、そのまま氷の剣を構え、突撃していった。
『はああぁ!』
氷菓は斬りかかったが、偽氷菓に弾かれてしまった。
『その程度では、私には勝てない!』
と、偽氷菓はそのまま斬りつけようとしたが、氷菓はひらりとかわし、その勢いのまま斬りつけた。
『ぐっ』
と、偽氷菓は態勢を崩した。
だが、
『その程度か、まだだ、言っただろう?今のお前が私には勝てないと言うことを』
と、偽氷菓は態勢を立て直した。
『ここまで強いとは聞いていなかったが』
と、斬は呟いた。
『それはどうゆうことだ、兄貴』
『ああ、とりあえず氷菓の力に合わせたものらしいな』
『氷菓の力に合わせているのか…そういえば氷菓には二刀流があったなあれをつかわないと勝てないと言うことか』
『ならまずいかもしれないな…一番トラウマになっているだろうからな』
剣は氷菓に向かって言った。
『氷菓!二刀流だ!もう1本氷の剣を出せ!そうしなければ、勝てない!』
『そ、それは』
と、その時
『よそ見をするな!』
と、偽氷菓が言い放ち、斬りつけたがギリギリのところで氷菓は攻撃をはじいた。
そのまま、氷菓は防戦一方となってしまった。
『このままだと、氷菓が危ない!幻影は何処だ!』
『それはわからないだが、何処かで見ているはずだが』
『こんなの勝てるはずが無いじゃないか』
その時、氷菓は防戦一方となり、攻撃から身を守る事しか出来ない状況になっていた。
俺は氷菓に向かって言った。
『氷菓!このままじゃ勝てない!さっきも言っただろ!昔とは違うんだ!氷菓!』
『う…私は』
と、俯いていたが、
『私はもう、成長しているんだ。だから私は出来るんだ!』
氷菓は一度、後ろに引き、
『二対・氷剣』
氷菓の左手にもう1本氷の剣が現れた。
『やっと本気になったか!』
と、言い偽氷菓は氷の剣を構え氷菓に突撃していった。
それに対し、氷菓も二対・氷剣を構え突撃した。
『私は負けられない』
『さあ、始めようかあぁぁぁー!』
そして激しい剣撃が始まったが、戦況は一変し、氷菓が有利になっていた。
偽氷菓は激しい剣撃の中、
『いい!いい!この感覚だぁ!本気のお前と戦う感覚を私は求めていたあぁぁ!』
『うん、まだ、大丈夫やっぱり私は成長してる』
『はははは!戯言を!お前なんかより私の方が強い!』
そして氷菓は後ろに飛び引き、置いたままになっていた自分の弓の元に走り、弓を取り、
『氷の矢』
1本の矢が偽氷菓を貫いた。
『ぐっこの私が本気を出した本物にここまで』
『これが、私の力!二対・氷剣!』
もう一度氷菓は2本の氷の剣を出し、水平に斬りつけた。
『ぐっそんなぁぁ馬鹿なぁぁ!』
と、断末魔を上げ、黒い霧のようなものになり、消えていった。
『やった勝てた』
氷菓は力無くようでその場に座り込んだ。
きっと、久しぶりの接近戦で疲れたのだろう。
とっさに、剣は氷菓の元に駆け寄った。
『氷菓、やっと氷の剣を使えたな』
『剣と業ちゃんが励ましてくれたからだよもし、2人の励ましが無かったら負けてたかもしれないもん』
『それで兄貴、幻影はどこだ』
『ここで来るはずなんだがな。それにしても遅』
その時、近くで爆発音とともに燃え初めていた。
『何が起こったんだ』
『燃えてるよお兄ちゃん!』
『こっちだ!』
と、斬は俺達を誘導して行き、無事に校舎から出られた。