突然の出来事
俺達が学校の校門が見えてきた時に
『あ、お兄ちゃん待ってー』
俺の妹の火山 種子が後ろの方から走ってきた。
『種子、どうした?』
種子は、先に学校に着いているはずだった。いつもなら、俺より早く家を出て、友達と一緒に登校しているはずだった。
息が上がっている種子は安堵しながら言った。
『遅刻はまだ良さそうだね』
『何かあったのか?』
『ヒメちゃんを待ってたんだけど、今日は学校休むみたいだったから』
姫宮 乙女は種子の友達で、『変身』という無属性の能力を使うらしい。ランクはCで、種子と同じく、ロリピュアが好きらしい。
『そうだったのか』
『一緒に行こ!お兄ちゃん』
『まあ、一緒に行くか』
『うん、お兄ちゃんと一緒に学校行くの久しぶりだよ。大好きだよお兄ちゃん!』
そういえばそうだった。確か、俺が初等部から中等部に上がってから別々に登校していた。
そして俺達は学校に向かって歩き始めた。
『そういえばお兄ちゃん、さっきから暗いんだけどどうして?』
『それが良く分からないんだ』
『まだ、朝のはず』
と、ユウは不思議そうにしていた。
『そういえば、さっきから人を見ないんだが』
剣の言葉に俺も不審に思った。
『俺達が遅刻しただけかもしれない。一旦校舎に入ろう何が起こるから分からない。種子は別の校舎だから誰か種子について行ってやってくれ』
ユウが答えた
『なら、私が行く』
『ありがとうユウ』
と、俺達はそれぞれの校舎に入った。
そして、教室の前に着いたが、誰もいなく、辺りは静まりかえっていた。
『誰もいないのか』と、言い剣は教室に入っていったので、俺達め教室に入った。
氷菓は
『とりあえず、電気つけよ?』
と、電気をつけようとしたが、カチッカチッという音だけが響いた。
『なにがどうなってるんだ』
剣は驚いていた。
『ここは危ない、一旦ユウ達と合流しよう』
『分かったよ』
『分かった』
そして、俺達が教室を出た時、足音が聞こえた。
俺達は辺りを見渡した。その時、人影がこっちに向かってくるのが見えた。
『誰なの?』
『これはまずいな』
そして、歩いてきた、人影は氷菓だった。だが氷菓はここにいる。
『氷菓が2人だと?』
『なんで私が…』
剣と氷菓は驚いていた。
そして偽物の氷菓が、言い放った。
『今は弱き、真弓 氷菓、ここから出たければ、私に力を証明しなさい!』
氷菓は答えた。
『分かったわ。全力でやるわ』
と、弓を手に持った。
『それだから、あなたは弱いの!氷の剣』
偽氷菓の手に氷で出来た冷気を帯びた剣が現れた。そのまま氷の剣を構え、氷菓に向かって突撃してきた。氷菓はすかさず、
『氷の矢』
氷の矢を放ったが、ひらりと身をかわし、そのまま、氷菓を斬りつけた。
氷菓は後ろに吹っ飛んだが、体制を立て直し、
『もう一度、氷の矢』
今度は命中したが、
『あなたの力はそんな物?普通の弓じゃ能力を使っても私に実力を証明する事など不可能だ』
『ただの弓じゃないこの弓には、剣と…みんなの気持ちが篭ってるから!だから!この弓はただの弓じゃない!』
『知っているさ。お前の力じゃ弓は作れないという事は!弓の弦の部分がうまく作れ無いだけだろう!』
『そんなの関係無い!』
『この雑魚がぁー!』
と、斬りかかったその時、
『葉の盾』
『空気の幕』
2人が作り出した防御壁により、氷菓は守られた。
『チッ小賢しい!』
ユウと種子は氷菓の所に向かい、
『え?氷菓が二人?』
『なにがどうなって』
『二人は下がってて、これは、私の戦いなの、だからユウ達は見てて』
『分かった』
『分かったよ、じゃあ、お兄ちゃんと応援してるからね』
ユウと種子はこちらの方に来た。
『私の弓はただの弓じゃない。だけど、うまく作れ無いだけど作らないといけない。弓のイメージ…弓の…』
と、氷菓は呟いていたが、偽氷菓が近づき、氷菓を足蹴にし始めた。
『ううっ』
『戦闘中にそんな事をしている暇は無いぞ!』
俺達は見ているしかなかった。
氷菓のために。