ハルが見ていたストーリー
+・*ハルside*・+
ヤバイなあ。
倒せそうに無いなあ。
俺は魔王がいる城に来ていた。
へ?レベル?
そんなんはとっくにMAXになっている。
てゆうかMAX越えて折れ曲がっていた。
なんかもう、ピコピコしてる
体力ゲージなんかも回復が早すぎていくらダメージをあたえられても1ダメージすら食らわない。
っつーか避けれる。
じゃあ何で倒せないかって?
そんなの決まっている。
『クソゲーすぎんだよ!このゲームっ!』
心のなかでそう叫んだ。
俺がやっているゲーム。
それは、冒険を続けて魔王を倒す。
そんな簡単な王道ゲームのはずだ。
そう、はずなんだ…
このゲームはまるで自分がそこに居るような感覚になれるVRMMOを用いた新世代の最新型ゲーム!!
…のなかの不人気度No.1のクソゲーだ。
最新型と言っても、数あるソフトのなかにはクソゲーだってあるわけで…
その安さから、なぜだか俺は買ってしまった。
話を戻そう。
なぜ魔王が倒せないか?
楽しそうに話しながら、酒を飲むなかむつまじい夫婦。
回りに沢山いるのは夫婦を慕っているような多少、人とは異なった飯使いたち。
日常的なひとこま。
それを影から見る俺。
どーーーーすればっ!?
まず、なかむつまじい夫婦。
彼らは魔王とその妻…
俺がこれから倒す敵。
そして飯使いたち。
モンスターたちのこと。
無理だ、無理すぎる…
倒せるわけない。
俺はそんなに無慈悲なことは出来ない。
でも、やらなければならない。
いや、殺らなければならない。
くそっ!!
…はぅ!
なんちゅー会わせ技!
影から…
影から子供が!
「お父さんたち楽しそうだなぁ」
ってか!
あーーーーーー。
どうしてくれようかこの家族。
「…うし。」
まあ、ゲームだし…ね?
ストーリーだしね?
ね?
………。
ヤッチマッタアアアアアアアアア!!!
なんなんだよ!
おい、魔王!
「君は……ついに来たんだな勇者。私は君に勝てない。だから、せめて息子だけは……頼む。」
って!
イヤアアアアアアアアア!!!
ヤメロオオオオオオオオ!!!
……まじかあ。
子供見てるよ、こっち。
魔王の子供声でてねぇよ。
まあ、とりあえず。
「おい、ガキ。」
「ああ゛?」
意外だった。
いまにも泣きそうだったから、泣かれたらどうしようって。
で、まあ安心して笑っちゃって、
「寂しくなったら一番でっかい街に降りてこい。」
って言ってみた。
んで、丸一日。
昨日の心の傷が癒えなくて教会に来てみた。
教会のなかは静かで、少し落ち着く。
トントン……
トントントントン……。
ん?
誰か来るな。
パタン。
お。
きたか。
膨れっ面の魔王のガキがいた。
なんか可愛くて、からかいたくて
「もうきたか。」
って。
まあ、殴られましたわ(笑)
街だから効かないけどさ。
そんで、なんだかんだあって今までの事を教えた。
ただ、ゲームだってことは教えられなかった。
とにかく、こうして魔王が勇者を目指すことになった。