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おれがしんだ日 【三日目】
どのくらいの間、テレビを見ていたのだろう。いや、正確に言うと、おれはどのくらいの間こうしていたのだろう。何をするでもなく、何を見るでもなく、同じ姿勢でただ立っている。それなのに疲労感は感じず、時間の感覚もあまりない。かろうじて、窓から射す光の具合やテレビに映っている時計で、今が夕方だと分かる。
空腹感も、疲労感も、手足もない。あるのは、上半身と、余計なことを考えてしまう頭だけだ。この視界や聴覚は、いつになれば消えてくれるのだろうか。
おれの身体は消えても、おれの意思だけが残り続けて、ずっと消えなかったら、どうしよう。それはそれで嫌だ。とても、つらい。とても、悲しい。とても、とても。
おかしいな。生きている間は、考えることなんてまったく怖くなかったのに。
不思議だな。死んだらそのまま消えるんじゃなかったっけ。
変だな。夕焼けって、こんなに寂しいものだったか。
一人が、さみしい。
なんて、
ありえない。