拷問器具の素晴らしさを伝えたい!! 鎧さん
ピカピカの鎧さん
夜の展示室。
私は隣に立っている鎧さんを改めて見た。
全身ピカピカのフルプレート。いかにも「騎士です」という見た目だが、よく見ると少し違和感がある。
肩だけやたら大きい。
そして、なぜか胸の部分に小さく星マークが付いている。
「……鎧さん、そのデザインって理由あるんですか?」
鎧さんはコホンと咳払いした。金属なのに。
「あるよ。めちゃくちゃある」
やっぱりあるんだ。
鎧さんの豆知識(本人解説)
「まずね、これは完全な実物再現じゃない」
やっぱり。
「来館者に分かりやすくするため、“強そう要素”を盛ってる」
盛ってるんだ。
「肩が大きいのは、子どもが“かっこいい!”って言いやすいから」
完全にビジュアル重視だった。
「あと星マークは?」
「人気が出たときに付いた」
実績バッジだった。
私は少し気になって聞いた。
「鎧って、実際はこんなに重いんですか?」
鎧さんは静かに答えた。
「展示用だから軽いよ」
軽いのかい。
「本物だと重すぎて、夜に動けないからね」
この資料館、そこ重要なんだ。
さらに鎧さんは続けた。
「ここにある展示はね、“歴史+分かりやすさ+ちょっと面白さ”で作られてる」
なるほど。
「怖いだけだと、人はすぐ離れちゃうから」
たしかに、この資料館はどこかゆるい。
私はふと思った。
「じゃあ鎧さんも、元は来館者なんですか?」
鎧さんは少しだけ間を置いた。
「……それは企業秘密」
絶対そうだ。
そのとき、鎧さんのプレートが光った。
人気度:★★★★★★
星が6個ある。
「え、増えてません?」
鎧さんは誇らしげに言った。
「イベント限定」
ずるい。
私は自分のプレートを見る。
★★★★★(延長中)
延長いらない。
鎧さんは最後に、少しだけ真面目な声で言った。
「でもね、この姿になった理由はもう一つある」
「?」
「誰かの記憶に残るため」
私は少しだけ納得した。
たしかに、この鎧は忘れにくい。
肩、でかいし。
その瞬間、鎧さんの肩がライトに反射して、やたら神々しく光った。
私は思った。
――反射も盛ってるな。
反射で何も見えん




