拷問器具の素晴らしさを伝えたい!! 人気
期間限定ってつい買ってしまう
私は展示プレートを見つめた。
評価:★★★★★
人気展示のため、延長公開中
いや、聞いてない。
星5ってクリア条件じゃなかったの?
私は心の中で受付の人を呼んだ。すると、タイミングよく後ろから声がした。
「人気が出すぎましたね」
振り向かなくても分かる。あの人だ。
「帰れるんじゃなかったんですか?」
「普通は帰れます」
普通は?
「あなた、“写真を撮られすぎ枠”に入りました」
そんな枠あるの?
プレートを見ると、新しい項目が増えていた。
本日の展示データ
・写真撮影:128枚
・笑われた回数:34回
・「リアル!」と言われた回数:52回
笑われた回数、カウントされてるのか。
そのとき、隣の展示が小さく話しかけてきた。
「新人?」
私は驚いた。
展示、しゃべるの?
振り向くと、古そうな鎧の展示が立っていた。夜だから動けるらしい。
「星5はゴールじゃないよ」
「え?」
「スタートだよ」
嫌なゲーム始まった。
鎧は続けた。
「人気が出ると、イベント展示に回される」
イベント?
その瞬間、館内アナウンスが流れた。
「本日より期間限定イベントを開始します」
やめて。
「動かないのに面白い展示ランキング」
絶対私だ。
プレートが光る。
現在ランキング:1位
取っちゃった。
受付の人が満足そうに言った。
「すごいですね。初登場1位です」
いらない実績だ。
私は試しに、ほんの少しだけ変顔をしてみた。
ピコン。
笑われた回数:35回
カウント早すぎる。
そのとき、私は気づいた。
――これ、もしかして動いたほうが帰れない?
つまり、普通にしていればいい?
私は完全に無表情になった。
するとプレートが更新された。
リアル度:+10
だめだ。
何しても評価される。
私は思った。
――人気って、怖い。
一度ついたら止まらない人気がね




