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拷問器具の素晴らしさを伝えたい!! 魔女

うウィッチの立場

その日、受付にいたのは私ひとりだった。

 いや、正確には――ひとりのはずだった。

 椅子に座ってぼーっとしていると、いつの間にか向かい側に黒いローブの人が立っていた。

「……あの」

 声をかけると、その人はゆっくりフードを上げた。

「魔女です」

「自己紹介が早い」

 思わずツッコんでしまった。

 しかも、まりさじゃない。本当に知らない魔女だ。

「本日は“魔女展”の受付はこちらと聞きまして」

「たぶん合ってます」

 たぶん、というのが重要だ。この施設、イベントの方向性が毎回ふわっとしている。

 魔女は小さなカバンから紙を取り出した。

「参加条件に“ちょっと不思議なことができる”と書いてあります」

「ありますね」

「私、電子レンジの残り時間をだいたい当てられます」

「実用的」

 私は思わず感心した。

 魔女は少し誇らしそうに胸を張った。

「では、合格ですか?」

「まだ審査が……」

 と言いかけたところで、私はふと気づいた。

 ――そういえば、この小説、最近拷問の話してない。

「すみません、ひとつ確認なんですが」

「はい」

「魔女って、昔は色々と疑われたりしたじゃないですか」

「そうですね」

「理不尽ですよね」

 魔女は静かにうなずいた。

「たとえば、猫を飼っているだけで疑われたり」

「ありますね」

「ちょっと占いが当たっただけで疑われたり」

「ありますね」

「電子レンジの時間を当てるのも危ないですか?」

「ギリギリです」

 魔女は真剣に答えた。

 私は少し考えてから、受付用の紙に大きく書いた。

『電子レンジ予知型魔女(安全)』

「安全なんだ」

「安全です」

 魔女はほっとした顔をした。

 そのとき、奥の廊下から鎧の足音が響いた。

 ガシャ…ガシャ…

「……あれは?」

「うちのスタッフです」

「魔女より目立ってません?」

「よく言われます」

 鎧さんは無言で受付を通り過ぎていった。

 魔女は少しだけ引いていた。

「ここ、なんの施設なんですか?」

 私は答えに少し困った。

「……たぶん、ジャンル迷子の施設です」

 魔女はゆっくりうなずいた。

「居心地は良さそうですね」

 その言葉に、私は少しだけ笑った。

 確かに、変だけど――悪くない場所だ。

 こうして、知らない魔女はイベント参加者として登録され、私はまたひとつ、この世界のゆるさを実感することになった。

果たしてどうなる

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