第8話 その泉に宿しものよ
久々の投稿です
誤字などありましたらお教えいただきたいです.
よろしくお願いします.
ーその昔、人類は栄華を極めていた.
もちろん、21世紀の地球人類よりもはるかに.
しかし彼らは四度の大きな対戦を経験した.
一度目と二度目は人同士が.
三度目は使役していたモノどもに反乱を起こされ.
それでも人類は人口の桁が変わるような急激な減少はせず、
生き延びてきた.
しかし四度目の戦争において人類は蹂躙された.
なすすべもなく.
いずれその戦争があろものの降臨と共に終結すると
人類は残った人々で資源をめぐり醜い争いを開始した.
もはや都市とも呼べぬ人口となったその戦火の街で
少女は生まれた.
その少女は守ってくれる親も家族もなく死ぬ寸前だった.
しかし何の因果か彼女は地球で言う鷹の母親に咥えられた.
ヒナの餌のつもりだったのか、違うのか.
それはもうわからない.
ただ、少女は生き延びた.
餌として雀の肉を与えられ、少しずつ育っていった.
喉は渇き、求める器を満たす母の愛もないところから家族を得た.
そして少女はもう少女と呼べなくなろような背丈まで育ち、
家族に別れを告げ
人間と生きることを決意した.
ーー
人々はある一人の男の呼びかけにより終戦し、
団結して都市国家を生成していた.
各陣営の従軍技術者たちによって少しずつではあるが過去の栄光を取りしていった.
同時に彼らは人口の急激な増加や、種としての後退を起こさぬように
人口の管理を徹底した.
天候操作により安定した食糧事情 高度に発達した特殊な化学による資源の活用
によって彼らは栄えていく.
ーそう、あの日までは.
鷹に育てられた少女は、人との関わり方を知らず愛に飢えていた.
そして都市の人々はもう自分たち以外いないはずの人間が突然現れたことに歓喜した.
なぜならその少女は絶世の美女と言える風貌だったからだ.
こうして両者は交わり、少女の噂はとうとう戦争を終結させたあの盟主にまで届いた.
二者は出会い、関係を重ねて結ばれることとなったが、失念していたのだ、誰もかも.
彼女は子供を育てる母を知らないのだと.
盟主との間にできた子供を、女は近くの泉のほとりに置いた.
帰ってきてそれを聞いた盟主は脇目もふらず泉へ飛翔した.
しかしすでに子供は泉に住む鰐に食われ、つけていた装飾品が泉の中央に浮いていた.
激怒した盟主は妻であったその女を徹底的に辱め、臣下の前に晒し、市中を引き摺り回し
泉のほとりで四肢を拘束し、捨てた.
女は己が子と同じように鰐に食われて死んだと言われている.
だが、臣下の.
いや、市民の誰もが盟主の怒りに触れることを恐れ、その話に触れることはせず、
戦火に生まれた少女の話は
時代の荒波に飲まれていくと思われた.
しかし、何の因果であろうか.
その後悲しみを
押し隠すように政務に励み、男は王となった.
誰もが幸せになれると信じてのことだった.
しかし数年が経った頃、王となったその男が狂ったのだ.
何の前触れもなく.
読んでいただき、ありがとうございました
できればフォローして次を待っていただけると非常に作者は嬉しいです