表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

15番のサッカー選手最期

作者: 北風陣

あれから、癌治療とも戦って、1ヶ月に1、2回グラウンドに立てるようになった。

無論、プレーはほとんどできないが、座学を教えている。


サッカーは大きく分けて、3種類。

①空間把握能力

②スピード+ボールキープ力

③ドリブル+シュート力

である。


①は昔コーチに言われた事だが、周りをよく見なさいと。

自分の仲間の立ち位置、相手チームの立ち位置がどこにいて、どう動くか。そして、自分はその位置からどう動くか。


②スピードと書くと、短距離走が早い人をイメージされがちだが、ボールをキープしながら走るという意味でのスピードである。


③ドリブルとシュート力だが、ドリブルが上手ければ、自分にとってシュートしやすい立ち位置に、自分を持って行ける。そして、ボールをドリブルする事が上手い人は、シュート力、蹴る時の力の加減や、蹴り方が上手い。


この3つを基礎に、自分がどれが得意なのか、仲間が誰が得意なのか、敵チームがどれを得意として、チーム編成してきているのか、自分なりに考える事を教えてきた。


今の勉強では、苦手な分野。国語、数学、英語があって、国語が100点中20点だったら、50点にあげて30点プラスにすればいい。全体の総得点が変わると考えがちだが、サッカーや、その他の球技では数学が90点なら、そちらを100点にした方がいいと考える。

たった10点しか総合力が上がっていないように見えるが、スポーツの世界では国語50点の選手なんてザラにいる。言い方は悪いが、一般人である。

数学が90点から100点に上がるなら、その人は紛れもなく天才的な個性を持った、望まれる選手である。

今苦手なプレーがあるなら、最低限の基礎さえあれば、残りを全力で、得意なプレーに全力を持っていくように、指導している。


世界で戦っている、選手や監督達は、どの選手の①②③の能力を、得意な組み合わせに応じて、どの選手とマッチングして、どんな相手と相性がいいのかなど、複雑な思考をまとめて、確信が持てない中、チャレンジし、汗を流し、失敗し、掴んで行く。その掴んだ先がプロという世界であり、国という威神であり、世界一という称号なのだと思う。


今いる子供達にはいずれどこかの分野で、自分の苦手ではなく、得意な事を伸ばして、社会でプレーして欲しいと節に願っている。


もう、私も歳だ。癌も患って、長くない。

最後まで走れるように、私の死に場所は、気持ちだけでもピッチに置いて置きたいものだ。

15番のユニフォーム。

悔しくて、いつかこの数字の意味を変えてやると誓った日。

思いは届いたかな!?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ