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秋恋  作者: かなえ
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記憶

あたしは一人っ子だ。

だから、周りの子たちより、ちょっといい暮らしをしていたと思う。

お父さんは有名株式会社の社長。

お母さんは主婦。

両親にとって、たった一人の大切な子供。

それがあたし。

『大切』だったあたしは、ちょっとだけ贅沢な暮らしをしていたんだ。

でも―――


お父さんの会社は、あたしが小2の時に倒産した。

職を失ったお父さんは、なんとか職に就いた。

お母さんも働きだした。

大きい家に、あたしは一人ぼっち…。

そんなことが毎日続いた。



ともだちがいなくても、あたしは学童にほぼ最後までいるようになった。

大きな家に一人ぼっちでは、何となく怖くて…

寂しくて…

悲しかった…。


夜遅くになっても、両親は迎えに来ない。

夜道を一人で帰ったこともあった。

やっぱり、家にはだれもいなくて…

毎日泣いたっけ…。


そんなとき…


「明日夏ちゃん、お迎えが来ましたよ。」


先生のこの言葉。


あたしは救われたような気がした。


かばんをつかんで、泣きながらドアへ走る。


「おかあさ…


違った…


お母さんじゃない…


でも、そこに立っていた男の子を見たとき…




あたしはその子に抱きついた。


「みずきくん…ッ!」

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