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プロローグ




 疲れた。あ〜疲れた。ものすごく疲れた。

 足が痛い。手も痛い。というか全身が痛い。


 語彙力が3歳児並みだが、何かを考えようとすると頭が割れそうに痛むので仕方がない。

 だらりと全身を投げ出したまま、浮かぶ先から消えていく泡沫(あぶく)のような思考に身をひたし続ける。


 休みたいなあ。


 そうだ、思い切り休みたい。

 脳みそが溶けるほど休みたい。

 目標も計画も評価も存在しない安全な場所で、好きなだけ。

 ほんの少しの退屈以外文句のつけようのない、完璧な休みを心ゆくまで満喫するのだ。


 目を閉じる。

 開ける。


 視界は霞んでよく見えない。


 あるいは私は既に眠りに落ちていて、これは夢の中なのかもしれない。

 私はしばしばこういう夢を見るのだ。

 どんなに目を凝らしても、いつまでも焦点が合わず、ぼんやりとした色のかたまりばかりが過ぎてゆく夢。


 浅葱(あさぎ)色と(とき)色のかたまりが、ゆらゆら揺れて私を呼んだ。


 よく晴れた日の夕暮れみたいだなあ、などと思いながら、私は落ちていったのだ。


 ぷつん。


「あっ、」


 ——あっ?



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