表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/131

【一週間前4】同じ目標であっても人それぞれ思いは違うが、利害の一致でも協力した方が結果に繋がる

最初に襲ってきた男や細山、そしてその先にいる魂だけの女。


これから戦う相手は強敵ばかりだ。


目を閉じて、スッ…と精神統一をする。




…最初の男は、スピードの乗った蹴りを受け止めていたな。


連撃のバリエーションを増やして突破するかな…。



細山は…


細山は恐ろしく強かった。


直接戦ったのはほんの少しだが、二人がかりでようやく倒せたレベルだ。


攻守共に長けていて、しかも攻撃が読めない。


直接対峙して勝つのは難しい…


何か読みにくい飛び道具とかあればいいのだが…



そしてあの女。


やはり生きていたようだ。


首だけでどう生きていたのかも分からないが、腕や脚を能力で作るようなやつだ。


魂のエネルギーさえあれば復活していてもおかしくない。


しかし魂のエネルギー…当たり前だが他人の魂を使ってモノを産み出すなんてことは私にも、恐らくは綺羅々にもできない。


にも関わらず魂を集めているのは、あの女は他人の魂を使えるのか、はたまた別の目的があるのか。


同じような力に見えて、違うもののようにも感じる。


例えば、あの女の作ったものには時間制限がない。


腕を作れば破壊するまで残り続けるし、しかも物理的に干渉を受けないときたもんだ。


加えてあの女が作り出すものは『生きている』


完全に自我があるものは出来ないのかもしれないが、ゾンビや蛇が自立して動いていたり、蔦が追いかけてくるのは結構な脅威だ。


常に能力を出しながら、それでいて優位に戦うには…


能力のコーティングも手だが、イマイチ威力が物足りない。


じゃあ、こんなのはどうかな…


精神を集中させ、白く輝く『ソレ』を具現化してみた。




「…やっと尻尾を掴めそうだな。」


タバコの煙を吐き出し、一人呟く。


この時の為に用意をしてきた。


情報を得るためにチームを作り、広げてきた。


そしてその為に力をつけ、認めさせてきた。


年端のいかないガキを巻き込んでまで、だ。


だから、この戦いを逃すわけには行かない。


ここで終止符を打たねばな。




迫りくる椿の連撃を手のひらで受け切る。


なんとか、変幻自在の椿の太刀筋も見えるようになってきた。



「よし、完璧!!」


思わずガッツポーズをすると椿が口を挟む。


「よし、じゃあ次は攻撃を掴んでみようか!」


え?掴み…?


戸惑っている間に椿の攻撃が全身を叩いた。


「はい、油断しない!今ので8回は死んでいたね!」


楽しそうに椿が言うが、不意打ちでいい気になられても困る。


「はい、不意打ちだったから、とか思っているだろう。不意打ちならやられていい理由はないぞ。」


再び椿の攻撃が飛んでくる。


掴むとなると難易度は格段に上がる。


その上、獲物がスポンジみたいな素材のせいかグニュグニュに曲がり、しなりながら襲ってくる。


「はい、どうしたどうしたー!」


椿は滅茶苦茶煽ってくる。


掴もうと指を折り曲げた時にはもう、他の場所を叩かれている。



…攻撃もコツも、まだ掴み切れてはいないが少しずつ成長していくのが分かる。


最初よりも今の方が多くの攻撃が見えるようにはなってきた。


なんとか決戦の時までに仕上げて、細山にひと泡吹かせてやる…!!




前の戦いから一週間。


それぞれが準備を重ね、出来ることをやってきた。


「ここに来たと言うことは、覚悟はしてきたようだな。」


谷崎が颯士に声をかける。


「それなりには、ですけどね。」


少し不機嫌そうに颯士が返す。


「まぁ、大丈夫でしょ!」


明るく纏める灯里の言葉を合図に、敵陣への道のりを歩き始めた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング 小説家になろうSNSシェアツール 良かったらクリックお願いします!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ