表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/131

【魂なき世界4】猫語は使い方を間違うと意味が正反対になる。(どの台詞でしょうか?)

綺羅々は迷っていた。


この廃ビル街では喧嘩、暴力は日常茶飯事だ。


ただの喧嘩くらいでは何の珍しさもなく通り過ぎていただろう。


だが、胸に腕を突っ込んでいるにも関わらず外傷がないこと、そして自分自身が魂を使って物質を使う能力者ゆえの直感で


『能力のエネルギー源になる何かがごっそり奪われている』


と感じ取ることができた。


結構、ヤバいことが目の前で繰り広げられている、と。


この出来事に介入するべきか、自分も巻き込まれて魂を奪われる危険を冒すメリットはあるのか。


魂を抜かれた男は全く知らない。義理は当然ない。


だが、このまま放っておけば死んでしまう。


「(死んでも構わにゃいけど…)」


目の前で死なれるのはさすがに目覚めが悪い。


「う~ん…」


廃ビルの隙間から覗き込んで様子を窺う。


「(いかにもひと昔前の番長みたいな恰好だにゃ)」


袖が肩口から破れている様子を見て少し笑いそうになったが、気づかれないように隠れているのでグッと口を押さえて笑いを堪える。


しかし、笑いを堪えたにも関わらず、青白く光る両腕の大男がこちらを向く。


「(まさか、気づかれたにゃ!?)」


そう思うや否や、大男はすさまじいスピードでドスンドスンとこちらの隠れる廃ビルの隙間に駆け寄ってくる。


「ひぇっ!?」


口癖の猫語が入らないくらいに驚いた。


逃げる間もなく廃ビルの隙間まで大男はやってきて、ビルの角をふすまでも開くかのように手で握っている。


「見つけたぞ!」


ビルを握る手に力が入ったのか、ビルにヒビが入る。


「やばいにゃ!!」


気配は殺していたつもりなのに何故分かったのかが分からないが、大男は綺羅々を完全にターゲットとして見ていた。


咄嗟に能力を発動して、足の爪を伸ばす。


そのまま爪が伸びる反動でビルの隙間の奥へ高速移動して逃走を図る。


「強い魂!!逃がさない!!」


大男はドシドシと重機関車のように腕を振りながら攻めてくる。


そのまま伸ばした爪を豪腕で砕かれ、空中で体制が崩れるものの、猫のようにくるりと回転し着地する。


「こっちにくんにゃ!!」


20センチほどの大きさの爪をいくつか具現化し大男に投げつけるが、これもまた豪腕によって打ち砕かれる。


「ひ、非常識にゃ!!!」


構わず攻めてくる大男に、廃ビルの奥へとどんどん追いつめられるが、綺羅々の目が暗闇に光った。


大男からすると標的まで2mと言ったところだろうか。


左右の廃ビルの壁を交互に三角飛びをしながら素早く上に登っていく。


「くらえ!綺羅々キーーーック!!」


そのまま上空からクルクルと回転して勢いをつけた踵落としを叩きこむ。


が、大男の豪腕が綺羅々キーーーックをガードする。


「な、なんだか、変な手ごたえだにゃ…?」


まるで触れないものに阻まれているような…


なんて言っていられるのもつかの間、大男は綺羅々キーーーックを受け止めた腕をそのまま無造作に壁に叩きつける。


豪腕がビルの壁に穴をあける。


咄嗟に勢いに乗ってバク宙をしながら後ろに飛ぶ、と言うより飛ばされた。


「(反応が悪かったら死んでいたにゃ)」


それにしても、綺羅々が軽量とはいえ上空から結構な加速度で叩きつけた蹴りを軽々と受け止めるとは恐ろしい。


そしてビルを破壊するほどの腕力。


下手したら死んでいたところだ、意味も分からずに襲ってきた奴によって。


そう認識したらなんだか腹も立ってこようもの。


「そっちがその気なら」


綺羅々の両手にクロウが伸びる。


「もう殺す気でやるにゃ…!!」


ここまで読んでくださってありがとうございます。


面白かったら「いいね」「ブックマーク」などしていただけたらありがたいです!


今後ともよろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング 小説家になろうSNSシェアツール 良かったらクリックお願いします!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ