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【リゾートバイトの裏で2】力とは誰かを守るために培うものであってほしい

みんながシャワーを浴びに行ってから20分くらい経っただろうか。


一向に、誰も帰ってこない。


海の有料シャワーって100円で5分とかそんな感じだよね?


いくらなんでもちょっと時間かかりすぎじゃないか?


もしかして、もう私の存在を忘れてみんな帰っていってしまったのではないか。


だってさっきもほとんど反応せずに男女仲良く歩いて行っちゃったもんね!


プンプン、と一人拗ねていると、颯士フレンドの1人、陽一くんがこちらに駆けてくる。


「あ、吉村さん!大変なんだ!!ヨーコさんが!!」


はいはい、あなた達の仲が大変なことになっているのはさっき見て取れたわよ。自慢しなくていいから。


「何ブツブツ言ってるの!?変な奴らに捕まっちゃったんだよ!!!」


…マジか。




「いいじゃんいいじゃん、俺たちと一緒に波に乗ろうぜ、うひひ」


浅黒い肌のサーファー風の男がニヤニヤしながらヨーコに詰め寄っている。


「さっきまで泳いでたし、もう疲れたからやらないわよ!」


気丈にふるまうヨーコ、だが相手はざっと見て15人はいる。


か弱いJKギャルがどうこうできるような相手ではないのは確かである。




サーファー軍団の小柄な男がもう一人にそわそわしながら話しかける。


「せ、先輩、俺、女の子と波に乗るの初めてだから緊張してるっす」


先輩と呼ばれたサーファーがそれに答える。


「馬鹿野郎、俺たちのテクがあれば、一緒に波に乗ればどんな女もイチコロよ」


「先輩、さすがっす!!!」


そんな様子を見て、ヨーコは


「いや、だから乗らないって…」


とため息をつくも、サーファー軍団はちっとも聞く耳を持たない。


先輩サーファーはそれを聞いて


「乗れば良さが分かるって!一緒にこいよ!」


と、ヨーコの二の腕を強く掴む。


「ちょ、イタイ!」


思わず痛みを訴えるヨーコ。


このままでは波に乗せられてしまいそうな時、救世主が現れた。


「待ちなさい!女の子に乱暴は許さないよ!」




女子レスリング部、エースの谷川が颯爽と助けに現れた。




陽一くんに連れられて、ヨーコが連れていかれていた地点まできたが時すでに遅し。


「とにかく警察に行った方がいいかな?」


心配そうに陽一くんが言う。


正直、ナンパ男程度なら警察を呼ぶほどではないとは思うが、何か起こらないとも限らない。


「分かった、陽一くんは警察に連絡して。私はヨーコを探すから。」


「けど、吉村さん一人で行っても危険だよ!あの悪い集団は15人くらいいるんだ!腹筋だって割れているやつらばっかりなんだよ!」


悪い集団って。堕悪帝国(だあくていこく)か何かかよ。


そんなことを思っている横で、陽一くんが不安そうな顔をする。


「大丈夫、見つけたらすぐ連絡するから!それより他のみんなにもこのことを伝えて!」


さてと、どこにいるかな…。


とりあえず友達にはあまり見られずにさっさと片づけたいものだが。



谷川は相当強い。レスリングの大会では上位入賞常連であり、並みの男には負けないくらいのテクニックがある。


「谷川さん助けて!!」


ヨーコの悲痛な叫びを谷川には無視することはできなかった。


これまで培ってきた力、そして精神は誰かを助けるためのものだ。


そう内心、自分に言い聞かせる。


「ハハハ、女1人が増えたところで何ができる?お前は好みじゃないから帰って…はっ!?」


そう煽っている途中で先輩サーファーの体は足を掴まれ倒されていた。


超低空のタックル。日頃から何百回も行ってきたこの技は、町のチンピラ程度ならかわす術もなくあっという間に倒してしまうだろう。


倒れてアスファルトに叩きつけられた先輩サーファーは悶絶して戦闘不能となる。


ヨーコの手を引いて自分の後ろに隠す谷川。


しかし、いかに谷川が強かろうと多勢に無勢。


周りを取り囲まれてしまった。


「ちょっとヤバいわね…」


谷川の額に汗が一筋流れた。




ここまで読んでくださってありがとうございます。


面白かったら「いいね」「ブックマーク」などしていただけたらありがたいです!


今後ともよろしくお願いします!!

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