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【復讐編14】こんなのどうやって倒すんだよ、って悩みの始まり

突如現れた女がスッと腕を振ると、近藤の身体を作っていた青白いパーツが煙のように消えた。


「お二人は、お久しぶりね」


見た目は若く、大学生くらいにも見えるが、持ち合わせた雰囲気は大人の妖艶さも醸し出している。


「二人って…え?」


灯里が颯士の方を向くと颯士は


「え、あ、ご無沙汰してます…」


と挨拶をしている。


椿は額から冷や汗が滴っている。


「あなたは、人間なの…?」


震える声で尋ねると、女は笑顔で答える。


「どう思う?」


まるで人間ではない可能性があるかのような口振り。


「あの日から、全く老けていない…」


緊張する椿、イマイチ状況を掴めていない灯里は


「え?若作りってことなの?」


とすっとんきょうなことを言っている。


「何故お姉さんがここに?」


「目的はなんだ?」


颯士と椿がほぼ同時に聞くと、女は少し考え込み、そして答えた。



「魂を貰いにきたの♪」



その瞬間、椿が女に斬りかかっていた。


颯士が


「え?」


と一言発している間に、女に刃は到達していた。


が、2本の指で刃を止めている。


「ふぅん、良く斬れそうじゃない。」


グイッ


そのまま刃を引っ張ると、刀を持つ椿がそのまま引き寄せられた。


「良い魂に育ったわね。」


女の手が椿の胸に伸びる。


「椿ちゃん!!!」


灯里が乱入し蹴りかかる。


容赦のない上段回し蹴り、人間なら耐えられないはず…



一瞬顔面にヒットしたように見えたが


グニッ…


次の瞬間、ふくらはぎを鷲掴みにされていた。


「女の子が脚を振り回すなんてはしたないわねぇ」


「ちょっ、離しなさいよ!」


咄嗟に右手をかざし、鷲を飛ばす。


至近距離での白鷺擊。


女は一瞬真顔になるが顔を傾けて避けられた。


一瞬、指の力が緩んだ隙に足を引き体制を整える。


同時に椿も刀を取り返す。


二人とも危機を肌で感じていた。


「「ここで倒さないとヤバい…!!」」


普通の人間ではあり得ない動き、あり得ない耐久性。


多分人間ではない、しかも強い。


仮に人間だとしても殺しても構わない勢い、


むしろ殺すつもりで二人が攻撃を仕掛けた。


椿は一瞬、鞘に刀をしまうと今度は一瞬で抜刀術を放つ。


女は飛んでそれを躱すと刀に手をつき宙返りをする。


自分と似た動きをしたことを幸いと、動きを読んだ灯里が女を追って飛び上がり、拳の連擊を叩き込む。


とどめと言わんばかりにブーストをかけた蹴りを放つが、全く効いている様子がない。


「手応えが全くない…!」


違和感を覚えた灯里の胸に女の手がトンッ、と軽く置かれた。


ボンッ…


灯里が地面に吹っ飛ばされる。


地面に降り立った女に椿が斬りかかる。


「『それ』はもう死ぬわ」


抵抗する様子もなく女が動きを止める。


全く動かない女を斬りつけるが、当たる直前に刀が霧散する。


「時間切れ…!?」


椿が体制を崩し、前屈みになったところを頭に手をそえた。


ポンッ…


椿が地面に倒される。


「残念ね」


椿の頭を女が踏みつけながら、ゆっくりと手を伸ばした。


椿の背中に溶け込むように手を差し込む。


「ぐぁぁ…」


椿はうめき声をあげるが、抵抗ができないでいる。


「魂だけは本当に綺麗ね。有効利用させて貰うわ」


女が手を引き抜こうとした瞬間、


白龍が女の右腕をふっ飛ばした。



「くそっ、外したか…」


片膝をつきながら灯里が毒づく。


「あらあら、腕だけじゃ満足できないのかしら?」


微笑みながらも女の目には冷たい怒りが宿っている。


「先に遊んで欲しいのかしら?」


標的が灯里に切り替わる。


女はゆっくりと灯里の方へと歩み寄ってくる。


先程食らった一撃で呼吸をするのも苦しい…

苦しいが、そんな場合ではない。


もう一発、白龍擊ならダメージも与えられる。


エネルギーだってまだある。


「(龍のイメージ…)」


イメージを始めた瞬間、フッ…と女が消えた。


急に耳元で声がした。


「あなたの魂は、好みじゃないわね」


咄嗟に飛び退くが、胸に手を突っ込まれる。


そしてそのまま、灯里の胸から白く光る玉が取り出された。


「だって、こんなに真っ白なんだもの」

ここまで読んでくださってありがとうございます。


面白かったら「いいね」「ブックマーク」などしていただけたらありがたいです!


今後ともよろしくお願いします!!

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