悪いことをしていたキャラクターって今後その罪を償うのかな?
「さて、それじゃあ約束通り喋って貰おうかな」
意識を回復させたサトルへと灯里が言う。
堕悪帝国のメンバーはもはや、灯里とサトルの戦いを見てすっかり戦意喪失していた。
「約束は約束だ、男に二言はねぇ…」
堕悪帝国って非道の限りを尽くす最凶軍団なんだよな?
とてもそうは思えないくらい、度々男らしい。
灯里の尋問が始まる。
「まず、制服狩りに関与したメンバーと人数を教えて。と言うか、ここに並ばせて。」
サトルが何人か名前を呼び、その場に並ばせる。
これまでの攻防を見たり、やられたりしていたせいか、並ばされたメンバーは恐怖で震えている。
「これで全員?」
そう訪ねるとサトルは
「男は嘘はつかねぇ」
とのこと。
「じゃあ、あんた達の中で、あいつに見覚えある奴いる?」
と颯士を指差す。
(顔がボコボコすぎてわからねぇ…)
一同そう思ったが、
「この期に及んで隠せると思ってるの?」
と灯里に凄まれて四面楚歌である。
悪いことはできないものだ。
すぐに天罰が下らなかったとしても、いつかはこうしてしっぺ返しがくるものである。
深刻そうに灯里は言う。
「制服を無理矢理奪われて、あいつは腕に擦り傷も負ったわ…」
青ざめた顔のメンバーに言葉を投げつけるように続ける。
「それをなんとも思わないの!?あんなに酷いことして!」
メンバーは思った。
あのボコボコの顔の方が酷いのでは…?と。
だが言えなかった。言ったらどうなるのか想像したくもなかった。
「灯里、そいつらはあっちこっちから制服を奪ってきたからイチイチ顔を覚えてないだけかもしれないニャ」
綺羅々が割り込む。
何人かのメンバーは思った。
あれ?あいつ、元凶じゃね?なんで仲良くしてんだ?
と。
制服を売る時に集会を目にしたものも少なくない。
葬春会の時と格好が違うから気づかなかったが、制服を集めていたご本人登場である。
「綺羅々、言いたいことは分かるけど、これはあいつらに自分で思い出して欲しいの。自分でしたことの責任を感じてほしい。それが償いだから…」
「灯里がそう言うなら仕方ないニャ」
こいつの責任は一体…
と、メンバーは思ったし、颯士の顔をボコボコにした責任からは逃れた灯里にもつっこみどころ満載だったが、ただ恐怖から言えずにいた。
「なんかもっと、ヒントないのかよ?いつどこで襲われたか、とか」
サトルが尋ねた。メンバー達は『ナイスリーダー!』と内心ガッツポーズした。
それから、襲われた日や時間帯、シチュエーションなど細かく話すと1人のメンバーが該当した。
奇しくも灯里と颯士が共にアカリオン・テリオスでぶっ飛ばした1人であった。
すっかり青ざめながら
「すみませんでした!!」
と謝るメンバーに、まともに喋れるくらいには回復した颯士が、
「もう良いですから、悪いことは金輪際やめてくださいね」
と、仏の裁きをし、灯里は
「次やったら、分かってるわよね?」
と凄んでみせた。
堕悪帝国のメンバーは反省し、二度とパーティーをしないことを誓った。
かくして、長い夜は終わった。
堕悪帝国は滅びたのだ。
だが、颯士と灯里には更なる試練が待ち受けていた!
次回、どうなるニャ!?
堕悪帝国編 ~fin~
綺羅々が締めた。
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