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制服狩り編4-2 お互いを認めているからこそ見えないものもある
いい加減、灯里の無鉄砲な性格は理解していたつもりではあったし、そんな灯里を羨ましく思ったりもしていた。
正義感の強い灯里のことだから、制服狩りを捕まえに行くことも容易に想像できたし、一緒についていく覚悟もあった。
足手まといってことかな…
分かってはいた。
いや、分かっていたフリをして自分を納得させようとしていただけなのかもしれない。
傷つくことを恐れずに誰にでも立ち向かう灯里には、能力の有無だけではなく純粋に心の強さがあった。
それは颯士自身にはないものであり、能力よりもむしろ、その心の強さの元を知りたかったのかもしれない。
灯里一人で今回も解決してしまうだろう。
情けないな。
誰に言うでもなく、口から一言こぼれた。