制服狩り編2 昔はゲーセンによく悪そうな奴等がたむろしていたけど最近はゲーセンにいるヤンキーもゲーセンも減ってきた
こんな時は交友関係の広さに助けられた。街の『近づいてはいけない危険な場所』を教えてもらい、あとはしらみ潰しで聞き込むだけだ。何の問題もない。
無鉄砲な計画ながらも、どこか冷静な自分がいた。
仮に暴力沙汰になっても街のヤンキー程度には負けない自信がある。
制服も取り返す、ボコボコにして颯士に謝らせる。
シンプルな作戦目標だ。
それから路地裏やゲームセンターなど危ない人種がたむろする場所へ入り込んでは制服狩りについての聞き込みを行った。
時に空振り、時に争いへと発展しながらも少しずつ情報の断片が集まってくる。
いかにも『自分はワルモノです』と顔に書いてあるような奴らが集うゲームセンター『Cyclone』
危険度90%とは友達談。
そこに入るや否や、わかりやすく悪そうなモヒカンが絡んでくる。
「女一人でここにくるとか世間知らずのお嬢様かぁ?」
下卑た笑いを浮かべながら近づいてくる。
「それとも楽しみに来たのかな?」
ニヤニヤしながら胸へと手を伸ばしてくる。
が、得意の回し蹴りで脳天一閃。
のびたところを胸ぐらを掴んで、往復ビンタで気付けをし、制服狩りについて知っていることはないか聞き出す。
運良く情報を持っていたのか、一変した態度でペラペラと語り出した。
最近、学生の制服を集める怪しい団体がいるらしいこと。
奪ったり買い取ったりと、様々な方法で制服を集めているとのこと。
各所に業者は点在していること。
どこに運ばれるかは分からないが、買い取った制服は業者がどこかへまとめて運んでいること。
そうなると業者を見つけるのが早いか。
『制服を売りたいから業者を紹介しろ』
ヤンキーから仲間へ連絡させ、一気に業者を探させることにした。
それから20分ほどして、ヤンキーの元へ情報が入る。
業者がこれから取りに来るとのことだ。
物陰で『売り物』になる予定の制服を脱ぎ、備える。
脱いだ制服の代わりは能力で作る。
能力で変装する時は注意したいことがある。
そのまま服の上から作った服を着るのは嵩張ってしまうので見た目が不自然になる。
だが、下着にそのまま能力の服を被せると、時間制限で能力が解除された時に下着姿になってしまう。
変装の時は薄手の服装の上から能力で作った服を着ることが望ましい。
変装も想定して、上半身はプロテクター、下半身はスパッツを着用してきている。
今回は顔を隠しやすくイメージもしやすいパーカーを形成した。
少し間を置いてやってくる業者に制服を渡し料金を受けとる。
「お姉ちゃん、リア充っぽいから弾んどくわ」
と、受け取ったお金は12万。
金持ちの変態オヤジにでも売るつもり?
不愉快な気持ちになりながらも業者と別れるフリをして尾行に入る。
それから業者は、いくつかの場所で制服を買い取ってから最後に雑居ビルへと入っていった。
しばらく待っても出てこないことから、ここが本拠地なのだろうか?
大きく深呼吸して正念場に備える。
ここに来るまでに能力はそこそこ使った、体感的に大体限界値の半分くらいのエネルギーを使ったように感じる。
先日の変態男のような手練れがいなければ良いのだが…
一抹の不安がよぎるがここまで来て退くという選択肢はない。
顔を両手でパシンと挟み込み気合いを入れた。
よし!やってやる!
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