エノク書4 第四章「エノクの本領」
「偽善者の天使」ディスペアーが時空の改竄者となって、信仰者と戦う事。
1とある天使はこう言った。
「人間の分際で、天使になろうという人間がいるらしい。全く身の程知らずめ。2しかも、神に了承を得ているらしいではないか?3これは神に直談判するしかない。」
3その天使は天使であるにも関わらず、地上の高き所から高き所へ人間に崇拝を強いていた。4その名はディスペアー。「偽善者の天使」である。
5英語でディスペアーとは、「絶望」を意味する。6アラビア語のイブリースからの翻訳を経て、Dispairという、たとえば、ミカエルがMikaelだとすると、elに対してのirであるから、その本質はアンチキリストであった。
7アンチキリストというのは、エノクはこう記している。
「過去、未来と飛んで、未来予知と過去改変を繰り返すにあたって、曲げられない意志というものがあるというのは、「偽善者の天使」、ディスペアーも知っていた。8それは神やミカエルやガブリエルと言った、未来では知られている神や天使の意志である。同じく信仰者もそれに含まれる。9いくら、過去を遡って、妨害をしようとして、ディスペアーはそれに絶望した。その名の通りに。10元々、「偽善者の天使」とは、ディスペアーとそれに従う悪魔共に付けられた、時空の歪曲者の言葉に言い表しがたい者なのである。11いくら、歴史を変えようとしても、彼らに、時空はついていかない。12歴史を記す者はある程度、信仰者だからである。と言っても、はっきり、神をたたえる様な事はしない。13しかし、時空の歪曲者は、ほぼイコールで「偽善者の天使」である。14それに対抗するは、信仰者である。15エノク、ノア、アブラハム、イサク、ヤコブ、ヨセフ、モーセ、エリヤ、イエス・キリスト、ムハンマド・イブン・アブドゥッラーフ等である。
16それらは改竄者の手を退け、いわば、信仰の聖徒の堅忍をする者達である。17歴史に収まりながらも、改竄者に対抗すべく、浮いて出て来る位、意志を堅固にしているのである。
18アンチキリストはこういう者達に対しての反逆者である。」
19いわば、信仰者は皆、心を一つにして、この様な事を行っているのである。
20エノクはこう記している。
「ディスペアーは行動した。
21元々、時間というのは、四次元であり、九次元に拠り所を持つディスペアーにとって、改竄は簡単な事のはずだった。22五次元下に行けばいいのだから。23しかしながら、聖徒の堅忍を受けながら、作業をするのは、それはそれは大変な事だった。
24常に、信仰者の意志というものが介在するのだから。」