エノク書4 第二章「天国への先駆け」
エノクと天使との対談。
1エノクは先に天国へと引き上げられた。
2すべて神によっての事である。
3引き上げるのも神、天国に固着させるのも神、迎えるのも神。
4神は男の姿で現れられたが、全く、女性らしさを秘めていた。
5アダムの話を聴いた人は、神によって、アダムとイヴが造られた事に納得するであろう。男性的でも女性的でもある御姿であった。
6天使が中性的であるとは、聴くものの、神は男性の性質と女性の性質を使い分けていたのである。
7天使を神に紹介される。
「一番の使い手、ミカエルなのだ。
私の言葉、ガブリエルなのだ。
知恵の炎の使い手、アズラエルなのだ。
生ける知識の先駆者、サマエルなのだ。
8彼らはそれぞれ、職にありつけており、いつでも私の手足として侍っている。エノクよ。挨拶するが良い。」
9エノクは神に受け答えをして、天使に挨拶しようとする。
10神が既に「エノク」と言ってしまった後でも、彼は神に忠実に、自己紹介をする。
「エノクという者です。どうか今後共によろしく。」
11ミカエルが代表で、
「ご丁寧にどうも。話には聞いておりましたが、エノクよ、あなたに祝福があります様に。」
と言った。
12ミカエルは神からチラッとエノクについて聞いていたのだ。
13エノクはそれに返して、
「神から聞いておりました。ミカエルさん。私はある選択をしました。天使になる選択です。」
と言った。
14実は、心の中でひそかにエノクは決心を固めていたのだった。それは神に伝わっている事だった。
15ミカエルはこう返す。
「それはそれは。私達の同胞になるのでしたら、歓迎致しましょう。」
16こうして、エノクは四大天使と親密な仲になるのであった。
17話をして兄弟として抱き合って、そして、うちとけた。