エノク書4 第一話「エノクの紹介」
いわば、『聖定』の「復刻」により、この精神病患者である私にさえ、チャンスが巡って来た。狂った文章しか描けなかったのだが、このエノク書4により、まともな文章が描ける気がする。
失われた書、「エノク書4」について描く。
この書は『聖定』の「復刻」によって、正式に書かれるものである。今までは非正式であったから、中途半端な文しか描けなかったが、これからは、真理を探究出来る書となるであろう。
エノクには元々、天使の素養があった。
これは、エノクの昇天から、エノクがメタトロンに成り、天使の監視者になるまでの「メタトロンの書」の書録である。
書録とは・・・おおよそ、書録に関わる人物の生涯を描く、書の録である。書がどんな影響を与えたのかを記している物、それが書録なのである。ある意味、伝説的で、それを通して、書について知る事が出来る。
まず、神の元に「メタトロンの書」の原書、「天使監視の書」があった。
これに付け加えたのが義人エノクだったのだが、それにより、エノクは天使として認められたのである。
エノクはやはり、天使として大成するまでに紆余曲折を経たのである。
まず、最初にエノクは地上にて生まれた。
生んだのはヤレドであった。
エノクは幼い頃から神の指導を受けていた。
それが為にエノクは「人間の指導者たる神」と神を呼んでいた。
実際は神にとっての「人間」とは、エノク一人だったのである。
エノクは順調に成長し、大人になった。しかし、信仰は衰える事なく、むしろ、増大していった。
実際の所、神の御目にかなった人間というのは、この段階ではエノク一人であった。
実際の所、世は神を忘れ、暴虐と殺戮に明け暮れていたのである。
実際の所、結局、エノクのみが神に選ばれ、世とは対照的に清く正しく生きたのである。
神は言われた。
「あなたはいずれ、成長段階の途中の様に成長し、私にとられ、天へと至る身である。」
だから、あなたは私を心に留め、年を重ね、天使として成長すべきである。
天に住まう事が出来るのは、天使だけなのだから。
常に、天使を心に留めなさい。
あなたの天使は心の中にもいるのだから。
これはこの書を読むあなた方にも重要な知識である。
何せ、天国というものは、内在的な天使の住みかなのだから。
あのミカエルやガブリエルと共に、天にて暮らす。そういう準備をせよ。
と、この書では教えるのである。
結局の所、人間は身勝手気ままなのだから、それからすなわち、悪から離れ、神に近づくべきである。
結局の所、心の中の天使を想え、という事なのである。