女女男女(←ハーレムではない)
人生とは苦難の連続である。
だが人は一つの苦難を乗り越えるたび、その経験を持って一つ、また一つと成長していくものだ。
歴史上の人物か、はたまた有名人が言ったのか。そもそもそんな名言があったのかも分からない。
小学4年生の時、クラスのしーちゃんにフラれて以降、繰り返し俺にその言葉を説いたのは……我が家の三姉妹である。
「不味くはないけど、美味しくもないわね。佑、作り直し」
「5キロ走——18分切れなかったな。佑、もう一回だ」
「佑兄、おしい! この問題とこの問題、間違ってるよ。明日までに、この問題集解いておいてね!」
「いや、本当にこれ以上無理だって!」
「「「苦難は人を一つ成長させるのよ(だ)!」」」
またこれだ……。
三姉妹の長女亜衣、次女舞、三女美依。
小さい時から亜衣姉も舞姉もとても俺を可愛がってくれて、美依も俺に懐いていた。
三姉妹の中に俺1人が男という環境だったが、幸せな幼少期だったと思う。
そんな生活が一変したのは、小学校4年生の時。
俺は同じクラスで仲の良かったしーちゃんが好きだった。
いわゆる初恋だ。
いつも一緒に遊んでいて、家では「僕は大きくなったらしーちゃんと結婚するんだ!」なんて言っていた。
気持ちの盛り上がった俺は、しーちゃんに告白したのだが、まぁ、その、見事に振られた。
「ごめんね佑くん。佑くんと遊んだりするのは楽しいよ。けど……ううん、好きな人がいるとかそんなんじゃないけど、将来のこととか考えると……。ごめんね。でもわたし達、ずっと友達だよ!」
その2週間後、しーちゃんはクラスのガキ大将であるひーくんの告白にあっさりオッケーを出し、俺と遊ぶことは無くなった。
当時はかなり落ち込んだものだ。
そんな俺を目の当たりにして立ち上がったのが、うちの三姉妹である。
「佑。落ち込む暇があったら己を磨きなさい。しーちゃんがフった事を後悔するような男になるのよ!」
「安心しろ佑。姉ちゃんが最高の男に鍛えてやるからな」
「佑兄、大丈夫だよ! 美依達に任しておいて!」
こうして始まった俺の改造計画。
勉強、運動に限らず、仕草、ファッション、気遣いから会話術まで。
二度とフラれぬ男になる為の地獄の特訓が始まったのだ。
最初は落ち込んだ俺の気を紛らわす為の優しさなんだと、子供心ながらに思っていた。だが、徐々にハードになる三姉妹の特訓。
さすがにこれは変だと理解した頃には、時すでに遅し。三姉妹の燃え盛った熱情は衰える事を知らなかった。
「亜衣姉も、舞姉も、美依も。もう、大丈夫だから」
懇願するように特訓の中止をお願いしたが、返ってきたのは彼女達の叱責。
「佑、貴方は悔しかったのでしょ? この程度で弱音を吐くなんて、白馬の王子には程遠いわね」
「あのな、佑。もうこれはお前1人の問題じゃねぇ。理想の男を作る釼原家の挑戦なんだ」
「あのね佑兄。あきらめたらそこで死んだも同然だよ」
当時、亜衣姉は中3、舞姉は小6、美依に至っては小3だったのだが、夢見る乙女達の願望は逆光源氏計画ならぬ『白馬の王子計画』と名付けられ、理想の男子を作るべく進行されていく。
もちろん、そこに拒否権など存在しない。
俺の苦しみを糧に計画は着実に成果を出し、小学校卒業の時には、あのしーちゃんから告白されるまでになった。
あるいはここで俺がオッケーの返事を出していれば、『白馬の王子計画』は成功をもって終了していたかもしれない。
だが、振られたトラウマもさることながら、三姉妹から女の本性を叩き込まれた俺はすでに悟りを開くレベルにまで達しており、今更しーちゃんと付き合いたいとは思えなくなっていた。
しーちゃんの心の傷にはならぬよう、むしろ思い出の1ページに刻まれるように、優しくも断固とした拒否で俺は初恋を卒業した。
中学になると三姉妹の特訓は過酷さを増す。
中学3年間で俺が告白された数は62回にのぼるが、誰とも付き合わなかった。
いや、付き合えなかったと言うべきか。
学校に部活、帰れば熾烈な特訓。
色恋にうつつを抜かす時間など存在しない。
それに何よりも、女性にときめく心を失っていた。
県内一の難関高校に入れる成績があったのに、一つレベルを落とした進学校に入学したのも、勉強漬けの日々で時間が取られるのを回避する為だ。
周りの友達からは「もったいない」とは言われたが、まさか理想の男になるために勉強していたとは言えなかった。
高校に入る頃には俺はそこそこ有名になっており、『難攻不落』や『ホモ疑惑』など、様々なあだ名や噂が流れるようになっていた。
中学の延長のような高校での1年を終え、文系を選んだ俺が新しいクラスに入ると、1人浮いた存在を目にする。
進学校では珍しく、茶髪にパーマをかけた小柄な少女、園田悠。
いつも不機嫌そうに一人でいることが多く、その風貌から『不良』や『遊び人』と噂されている。
眉が薄く、釣り上がった細い目も噂に一役買っているのかもしれない。
もともと俺から他人に積極的に近づく事はないので、彼女と話すことなどないと思っていたが、俺は釼原、彼女は園田。
出席番号順で選ばれた日直の相棒が彼女だった。
俺自身様々な噂を流されていたし、彼女にまつわる噂なんて信じちゃいなかった。
いつも通り優しげな物腰で彼女に接していたのだが、初めて彼女が口を開いた言葉は辛辣なものだった。
「釼原だっけ? 君、モテるんだってね。でも私にしてみると君って気持ち悪いな。仮面をつけた作り物みたいだ」
久々に怒りを感じた瞬間だった。
そりゃ、俺もそれなりに有名なせいで、陰で多少なりとも嫌味や悪口を言われているのは自覚している。
だが、面と向かって言われたのは初めてだった。
そして、その言葉が的を射ているだけに、反論出来ない苛立ちが余計に怒りを増幅させる。
園田悠は、俺の白馬の王子計画開始以降、はっきりと嫌いだと思える、初めての女性だった。
しかしながら腹の立つ人間ほど目にとまるようで、俺の視界の端々に彼女が入り込んでくる。
ふとした瞬間に彼女の存在を確認すると、心がピリピリとざわめき、無性に苛立ちがつのる。
日直当番が一緒なのは仕方ないが、何の因果か席替えで俺の横になったのも園田。
どうやら神様さえも俺を苦しめるのが好きなようだ。
もちろん『白馬の王子計画』を仕込まれた俺は嫌な顔一つ表には出さず、優しい表情で接していた。
隣でカチカチと芯の出なくなったシャープペンを鳴らせば、そっと替え芯を差し出したり、落ちた消しゴムを拾ったり。
だが返ってくる露骨に嫌そうな顔に、仮面の笑顔で我慢する日々。
そのうち俺から話しかけることも無くなり、机に座る姿勢すら園田が視界に入らないよう、少し斜めを向くようになっていた。
友人からは「釼原も苦手なやつがいるんだな」と驚かれるほど、俺にしては珍しく態度が表に出ていたようだ。
早く席替えをしてくれと祈っていたある日、学校帰りに商店街を通りかかると、園田を見かけてしまう。
嫌なものを見てしまったと回れ右をしようとしたのだが、どうも様子がおかしい。
ガラの悪そうな男女数人に取り囲まれているのだ。
不良の友達かと思いもしたが、彼女の引きつった顔はそれを否定していた。
ただごとではないと近づいていくと、それに気づいた園田悠はグッと歯を食いしばり、強がるようにプイとそっぽをむく。
よく見れば彼女の足が震えていた。
まったくコイツは助けて欲しいの一言が言えない強情っぱりか!
今までとは違う怒りが湧いてくると、びびっていたはずの俺は、1人の男を押し除けて園田悠の横に立つ。
「なんだお前?」
ギロリと睨む男は俺の肩を掴んできた。
腰が引けるが、一応俺は舞姉に護身術を習っている。
さすがに男3人の相手を出来るとは思わないが、園田が逃げる時間くらいは稼げるはずだ。
震える拳を握りしめた時——俺が言葉を発する前に頬に強い痛みが走る。
そのまま尻餅をつく俺に「どっかに消えろよ」と凄みを利かせた男に腹を蹴り上げられる。
胃のものが逆流して、俺は地面にぶちまけた。
「釼原!」
悲鳴にも似た園田の叫びに、動揺したのは俺ではなく周りにいた連中だった。
「こ、こいつ、もしかして……」
「ちょ、ちょっとまずいよ。釼原って、あの釼原先輩の弟なんじゃ」
「ば、ば、馬鹿野郎。た、釼原なんて名前どこにでもあるだろ」
「で、でもこいつよく見ると釼原先輩に似てるぞ」
「や、ヤベェって。お、おい、逃げるぞ」
こっちは痛いし涙がこみ上げてくるのだが、顔を青くした奴らはその場から逃げていく。
……って、おそらく舞姉のことを言ってるのだろうけど、どれだけ恐れられているんだって話だ。
「大丈夫かい」と声をかけてくれた近くの店のおっちゃんが、路上に巻き散らかされた汚物を掃除してくれる。
あぁ、ほんとに情けない。
そして助けた相手はというと、一応申し訳なさそうに俺にハンカチを差し出していた。
「使いなよ」
「……ありがと」
受け取って口元を拭うと、赤い染みがハンカチを汚していた。
俺からも園田に声をかけようと思ったのだが、こんなザマで「大丈夫だったか?」や「怪我はないか?」とは言えない。
「君って……ケンカ向いてないね」
園田の言葉にびっくりした。
まさか助けた本人から、お礼でもなく馬鹿にしたような言葉が出るとは。やっぱり俺は園田が嫌いだ。
「普通そこはありがとうじゃ——」
そこで言葉が止まったのは、目の前の生意気な女の子の瞳に涙が溜まっていたからだ。
小さく息を吐いた俺は、掃除してくれたおっちゃんに礼を言い、近くに設置されたベンチに腰掛けて園田にも座れと仕草で示した。
散々教室では隣に座っているのだが、ベンチの上で隣に座るとなると、なんだか変な感じだ。
「なぁ、なんで絡まれてたんだ?」
「多分……私の風貌と制服だと思う」
うつむいた園田はことの発端を話し始める。
小物店で商品を見ていると、あの連中に囲まれていたらしい。「進学校のくせに茶髪にパーマとか粋がってるな」と難癖をつけ、お金をせびってきた。
今までもその小さな体に目立つ髪型で絡まれたことがあったそうだ。
いつもは逃げ出せたそうだが、今回は出口を塞がれ逃げるに逃げれなかったと。
「じゃあもうその髪型やめればいいだろ? 園田って、一見不真面目そうに見えるけど、俺の知る限りはそんなことないし、不良に憧れてるわけじゃないだろ?」
「それは……そうだけど」
小さく呟いた彼女は、その髪型の理由を話し始める。
優秀な弟がいるそうなんだが、両親の目は弟にばかり向いていて園田には無関心。進学校に入ってもそれは変わらなかった。
つまり、彼女なりの小さな反抗であり、私を見てとのささやかなアピールだ。
園田は俺に「仮面をつけた作りもの」と言ったが、それは自分自身にも放たれた言葉だったのかもしれない。
「まったく、それでさらに辛い思いをするんじゃダメだろ。あとさ、助けて欲しいときは助けてって言わないと」
「……ごめん。……ひっぐ、ごめんなさい」
泣き出してしまった園田。
三姉妹には散々泣いた女性の慰め方も教え込まれていたが、俺は何も出来なかった。
ただ、そんな彼女を見て、俺は自分のことをポツリポツリと話し出した。
三姉妹のこと、『白馬の王子計画』のこと。
誰にも話すことはないと思っていた。
でも何故か園田になら話してもいい、そう思ったんだ。
「だから、園田の言った仮面をつけた作りものってのも……間違いじゃない」
もう園田は泣いていなかった。
控えめな笑顔で「なにそれ?」と俺の顔を覗きこむ。
「あぁ、もう。誰にも言うなよ!」
「ふーん、どうしょっかな? って冗談だって。それに……今の君は作りものなんかに全然見えないよ」
その時の無邪気な笑顔を、俺は不覚にも可愛いと思ってしまった。
去り際に「今日はありがとね」と言った園田。
手を振り遠ざかる彼女を、俺はずっと見ていた。
家に帰ると先程以上の問題が起こる。
頬に青痣の出来た俺を見て、舞姉は「どこの誰だ! ぶっ殺してやる」と、この家のどこに隠してあったのかも分からない模造刀を握りしめた。
止めると思っていた亜衣姉や美依も怒り心頭で、その愛情を嬉しく思う反面、落ち着かせるのはめちゃくちゃ大変だった。
翌日、情けないことに俺は熱を出し、頬が腫れていたこともあって学校を休んだ。
園田に心配をかけたくないという思いもあったが、休めと怒る三姉妹に反論することは許されなかった。
夕方頃、やけに救急車の音が鳴り響いていたが……きっと気のせいだろう。
さすがにその次の日には熱も下がり、腫れも引いたので学校に向かったのだが、教室に入るとザワザワと騒がしい。
自分の机の横——園田の席に、肩の上で切りそろえられた黒い髪の小柄な少女が座っているのだ。
俺が二度、三度と瞬きを繰り返すと、少女は振り返り「おはよう」と言った。
「お、おは……よう? もしかして……園田?」
「あっ、うん。髪型変えて眼鏡にしたんだけど……変かな?」
「いや、その……可愛いと思う」
「あ、ありがと」
クラスのざわめきがどよめきに変わる。
きっと、俺の顔は真っ赤だろう。そのぐらい顔が熱い。
髪が黒くなりストレートのショートボブになった園田は、フレームの細い眼鏡をかけていて別人のようだ。
決して園田は美人ではないが、照れてはにかむ姿がめちゃくちゃ可愛くて、心臓がうるさいくらいに音を鳴らす。
授業中も園田が気になってしまう俺。
ことあるごとに話しかけてくる園田の声に、いちいちドキドキしてしまう。
「ね、ねぇ、今日の帰り暇かな?」
「えっ、あ、うん。ひ、暇だけど、どうした?」
「その、ほら、一昨日のお礼に珈琲の一杯ぐらい奢らないと気が済まないっていうか」
「あっ、うん。お、俺も珈琲飲みたい気分だった」
「じゃあ、そういうことで」
「うん。そういうことで」
その後の授業の内容は覚えていない。
めちゃくちゃ嬉しいのだが、不安と緊張で気持ちが悪い。
授業も終わり、園田と2人生徒玄関まで歩くだけで、周りからは「ちょっと、あの2人付き合ってるの」「なんであんな女が」と陰口のような声が聞こえたが、俺は無視した。
外に出た園田は、手を上げてグッと背を伸ばすと「いい天気。絶好のカフェ日和だね」と、無邪気な笑顔をみせる。
園田おすすめのオープンカフェに入ると、2人揃ってコーヒーアフォガートを注文。
エスプレッソの苦味とバニラの甘味に舌鼓を打っていると、園田は「隙あり」と俺のアフォガートにスプーンを突き刺し、その一角を奪っていく。
その姿に一瞬見惚れた俺だが、やられたらやり返せだ。
そのうち自分のものより、相手ものをいかに食べるかの争いになっていく。
きっと側から見れば、バカップルのようなはしゃぎようだっただろう。
会話も弾み、「あの時は園田が震えていた」「いや、釼原の方が震えていた」から始まり、お互い日直の時は「なんだこいつ?」と思った、「嫌いだった」などと笑っていた。
楽しい時間は瞬く間にすぎ、会計では園田が「私が出す」と頑なな態度で、俺は好意に甘えてご馳走になる。
カフェを出て、俺たちは歩きながら喋りを再開した。
しばらくすると「私のうちはこっちだから」と園田は足を止める。
すでに日は落ち暗くなっていたので、家まで送っていくと言ったのだが、園田は「うちはこの近くだから大丈夫。また明日ね」と、はにかみながら手を振った。
家に帰るとそのまま自室に引きこもる。
顔がニヤけて仕方がないのだ。
学校に行くことがこんなに待ち遠しいのは初めてだろう。
もう認めよう。あんなに嫌いだった園田に恋したのだと。
ここまでてきめんに心が変わるものかと自分でも驚きだが、この気持ちは理屈じゃない。
問題なのはうちの三姉妹だ。
もう白馬の王子計画は必要なくなったのだが、なんて言われるか……。
俺は覚悟を決めてリビングへと降りるのだった。
リビングには三姉妹が揃っていて、帰りの遅かった俺に嫌疑の目を向けてくる。
だが、俺のいつもと違う表情に気づいた亜衣姉は、「どうしたの佑?」と優しく尋ねてきた。
「亜衣姉、舞姉、美依。俺、好きな子出来たよ」
何の説明もせず、ただそれだけを伝えた。
舞姉と美依は顔を見合わせ、亜衣姉は少し寂しそうな笑みを浮かべる。
「そう。おめでとう、佑。頑張りなさい」
「ったく、またフラれたなんていうなよ、佑」
「佑兄、うまくいったら家に連れてきてよ」
3人の祝福に、俺は不覚にも涙を堪えることが出来なかった。
「もう、佑ったら」
優しく肩に手をかける亜衣姉に、頭をぐしゃぐしゃと撫でる舞姉。ティッシュを渡しながらも涙目になっている美依。
走馬灯のように地獄の特訓が頭をよぎるが、今、この瞬間に全て報われたのだ。
こうして俺は『白馬の王子計画』を卒業した——
——はずだった。
「じゃあ、これからは実践編ね。舞、美依、次の日曜は私と佑は家にはいないからね」
「ずるいぞ姉ちゃん。そこはアタシだろ?」
「亜衣姉、そこは譲れないよ」
一瞬で涙が引いた俺をよそに、誰が擬似デートをするかで揉める三姉妹。
どうやらまだ『基礎編』を卒業しただけらしい。
……三姉妹の愛情を痛いほど感じるのだが、もう逃げ出してもいいよね? と、俺は忍足でリビングから立ち去るのだった。
登場人物紹介
釼原佑……この物語の主人公。かなりのモテ男に成長したが、年齢=彼女いない歴。その後三姉妹の愛情をかわしつつ、園田悠に告白。念願かなって付き合い始める。だが彼の苦難はまだまだ続く。
釼原亜衣……釼原家長女。才色兼備のキャリアウーマン。高校卒業後に大学にも進学せずに一流企業に勤め出した。決して残業をしないと有名だが、仕事が完璧すぎて上司も口には出せない。数多くの男性と噂になるが男女の一線を超えることはない。本人曰く「弟に教えるため」とか。密かに弟は私のところに戻ってくると信じている。
釼原舞……釼原家次女。運動神経抜群のスポーツマンであり、県内全ての不良達の憧れ。彼女の前に道はなく、彼女の後に道が出来ると伝説になっている。佑に彼女が出来た際、県内の族がとばっちりを受けていくつも壊滅したとかしないとか。最後に弟が選ぶのは自分だと信じている。
釼原美依……釼原家三女。10年に1人の美少女と呼ばれるほどの美貌を持つ。毎日のように告白を受けるが「佑兄よりカッコよくないと無理」と、明らかに佑よりカッコいい男でも全て断っている。佑と結婚するために養女先を探しているらしい。
園田悠……この物語のヒロイン。佑からの告白に涙を流しながらの2つ返事。無事付き合うこととなる。佑と付き合うことで陰口や嫌がらせを受けることもしばしば。だが本人は意に介さず、幸せを満喫している。むしろ敵は三姉妹だと気付くと、『対白馬の王子計画』と銘打って戦場に躍り出た。
釼原家両親……父は海外へ単身赴任だったが、娘の強い後押しで母も付き添うことに。新婚気分を味わっているとか。
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