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とある事務官の災難  作者: 創
2/2

1-2

序章解決編です。







げんなりとした表情でリアが執務室から出てくると、アランにスルーされたユアとアリスに捕まった。




「何を話してたんだよ。副隊長が後味悪いホラー話を聞いたみたいな顔して出て行ったぞ?」




アリスの問いかけにリアは半分やけくそになりながら答える。


「ホラー話? この部隊が大赤字で転覆寸前泥船の財政状況っていうホラーはお話しましたよ。


つきましては、許容範囲以上に保管している武器を売り払って予算の足しにしたいとも」


リアの話を聞いたとたん、アリスは目を丸くした。






「なんだと?! 俺の大事なコレクションをうっぱらう?! お前は鬼畜生か!」






アリスの悲痛な叫びにリアは重ねた。


「お言葉ですがコレクションと言っている時点で実用性がないものとはんだんさせていただきますけど?」


リアは怒りが収まらなかった。


さっきの副隊長の態度もしかり。


隊を私物化する身勝手なエリートたちの悪びれのなさもしかり。




「こんのっ」


「まぁまぁ、落ち着きなさいよアリス。正論を論破しようなんて滑稽なことだし。予算だって無限にあるわけじゃないのはわかってるはずよ。いつか言われることだったと思えば」




「ありがとうございます。ユエ分隊長。好意的なご意見をいただけましたので、助かりました。新予算が施行されるまで、ユエ分隊長の領収書も切れなくなりますのでご協力の方、何卒よろしくお願いいたします。」




「いや、それとこれとは別だから」


ユアのトーンが下がった。




「この銃器馬鹿の無駄遣いならともかく、なぜ私まで? 


何のために私が立ち回ってるとおもってるかわかって言ってる?このクソボケ」




リアはもう悪態をつかれてもひるまなかった。




「ええ。ですが、規定外の事例が多々ありすぎますので、ユア分隊長も基本予算を悠に超えています。


節約対象になるのは自然の流れかと。それに、多岐にわたる項目ですと、横領や癒着の捜査対象となり得ますよ」


リアの言葉にユエが眉を上げた。




「まさか、私のため、なんて綺麗ごとで丸め込もうなんて思ってないわよね?」




ユエの言葉にリアは不思議そうに首をかしげた。






「ユエ分隊長個人のため? いいえ。これは隊のためです。事務官の失点はご存じですか? 替えのきく隊員たちが全滅しようと、なんの影響も受けませんが、隊の管理、監視を怠り、部隊の運営が滞らなくなった時点で事務官は落第のレッテルを貼られます。統治のされてない粗悪な部隊に飛ばされるなんて私は御免です」






言い切ったところでリアは後悔した。






しまったー。言い過ぎたー。勢いって怖い。






しかし、言ってしまったことは取り消しができない。リアは腹を括り土下座で謝罪しようと試みた瞬間。










「構え」












ユエの声で二人はリアにホルスターの銃口を向けた。


「ちょ、なんで?! え?! なんで?! 言い過ぎたなー、とは思いましたけどここまでします?! 丸腰なんですけど?!」


悲痛な叫びにユエは冷ややかに答えた。






「丸腰だなんて保証がどこにあるの? あなたの思考回路、ただの事務官じゃない。誰のまわしもん? 第5?」






「い、いやいやいやいや! なんですか? え? まわしもの? 意味わかんないんですけど?!」


「芝居うまいなお前。一週間は騙されたよ」


アリスの返しに余計混乱するリア。




「何のことですか? ホントに意味わかんない! ちょ、離してくださいよ!」




ユエの頷きでアリスはリアを手錠で拘束した。




リアはますます危機感を募らせる。




こ、ころされる。




「とりあえず、こいつの化けの皮は副隊長が来てから剥がしましょう。だからと言って野放しには出来ないし。執務室に入れておきましょうか」


「そうっすね」


ユエとアリスによってリアは執務室に放り込まれた。


逃げ出さないよう机につながれて。




「軍法会議ものですよ?! こんな丸腰の人間に対して! あんまりだ!」




リアは叫ぶが二人は相手にしない。


「書類に目を通したのは隊長だけ?」


「いや、副隊長が素性を調べてたはずです」








無視すんなコラー!








叫びたいがさすがに上官相手にそこまでの暴言を吐くことはできない。


リアは心の底から絶望を感じていた。


「ねぇ、一週間いて何がわかった? あなたの持ってる情報教えてよ」


ユエがリアと目線を合わせるようにしゃがみ込み話す。


「じょ、情報? 事務官が知ってる情報なんて軍部内のゴシップくらいですよ……。誰が不倫してるだの、誰がくっついただの、意外な人が仲良いだの、そんなもんですっ」


「パブリックスクールかよ……」


アリスが鼻で笑う。




うるせー金髪ボンボン。




アリスのブルジョアな例えに心の中で悪態をつくリアだったが、これ以上余計なことは言わない方が得策だと考え、睨むだけにした。


そして、天はリアに味方したのだった。






「お前たち、何をしている?!」








「ガーナ隊長!」


リアはその姿を見たとたんに涙が出そうになった。


一週間前までは毎日のように顔を会わせていた第5部隊隊長、ガーナ・ラドクリフがそこにいたのだ。


特に目立った人でもないし、どっちかっていうと気弱そうでなんでこの人隊長やってるのかと不思議だったが、その存在をこんなに頼もしく思ったことはない。


ユエとアリスはしまった、と顔をしかめた。まさかこのタイミングで事務官の親玉かもしれない人物が登場するなんて。不意をつかれた。




「拘束なんて、事務官に対してなんてことをしているんだ?」




「……これは」




ガーナの言葉にアリスが反論しかけたが、ユエが手で制した。




「申し訳ございませんが、ガーナ隊長。これは第8部隊の問題であります。どうぞお引き取りを」


ユエの言葉にガーナはさらに怒った。


「誰に口を聞いている。ユア分隊長。君の実績は大いに買っているが、この現状で不利はどちらか。戦術に優れた君ならわかるだろう?」


「……大変ご無礼を。アリス、手錠を外して」


「先輩、でも!」


ユエの対応に尚もアリスは反抗を示したが、静かにユエが首を振るとアリスはリアの手錠を外した。


手錠が外れた瞬間、リアはガーナの元へ行く。




「ガーナ隊長! 命の恩人です! ありがとうございます。本当にありがとうございます。」


リアは涙ながらに何度もお礼を口にした。


「よほど怖い目にあったんだね。おいで。落ち着くまで第5にいると良い。コアには私から説明しておこう」


「は、はい!」


ガーナはリアの背に手を当て、退出を促した。


ユエとアリスはそれを苦渋を舐めるように見ているしかなかった。






ガーナとリアの退出後、数分もしないうちにコアとアランが部隊室に戻ってきた。


ガーナから話が通っていると思ったユエとアリスは敬礼で迎える。






「事務官は? どこに行きましたか?!」






アランの言葉に、ユエとアリスはてっきり先ほどのことを攻められていると思い謝罪を述べた。


「申し訳ありません。事務官の言動が怪しかったもので執務室で拘束していようと思いましたら、第5部隊のガーラ隊長が来て事務官を保護されてしまいました」


ユエの言葉にコアは静かに言った。










「お前の脳みそは飾りか?」










たった一言のみの発言にも関わらず、全ての体温を奪っていく。








鋭利な言葉だった。


「第8の前線部隊の部隊長も地に落ちたものだな。考えることを放棄するなど。今度、編成でも行うか」




冗談には聞こえない響き。




コアの言葉は真実しか語らない。


ユエは背中に冷たい汗を感じた。


「ユエ先輩に賛同しました。俺も、同罪です」


アリスがとっさに発言する。






「了解した。では武器管理部隊も再編成だ」






自分から発言しながら隊長の言葉に後悔するアリス。


「……はい」


返事は覇気のないものだった。










「脳みそのないお前たちにもう一度言う。俺は事務官の異動に判を押した。それはどういう意味か考える機会をやる。 損害になる人間など第8には必要ない。だったら、事務官が来た理由は一つだ」








コアの言葉に、ユエは閃いたように言った。








「……利益に、なる。彼女の持っている情報量は一般とは違っていました。彼女は我々を、替えのきく隊員と呼称しました。上層部のみしかそのような言葉は遣いませんので、てっきり隠密かと疑ったのですが。しかし、そうじゃなかったら」






リアに対する情報を整理していく。








「彼女は、保護の対象だ」








今まで黙っていたアランが最後の結論を述べた。




ユエとアリスは、してやられたと額に手を当てた。














*******************************








「驚いたよ。何か争うような声がすると思えば君が拘束されていたなんて」


ガーナがなだめるように言う。


「隊長、お手数をおかけして申し訳ありません。私も何がなにやらで。原因が全くわからず。情報を持ってるだのもってないだの言っていることがさっぱり」


リアは肩を落としながらガーナの後についていく。


二人が第5部隊室に到着すると、ドアノブに手を添えてようとしていたリアの動きが止まった。










「どうした? リア」








隊長は、自分の部隊の執務室でしか待機しない。


他の隊長たちと話をする場合は、会議室を手配する規則になっている。














「どうしてですか。隊長。第5部隊室に、なんで第3部隊の、隊長がっ」














言いかけたリアは言葉の続きを発せなかった。


ガーナが的確にリアの首の急所を突き、動きを止めたからだ。






倒れたリアに向かいガーナは言い放つ。






「君は本当に勘の良い事務官だね……。だから、邪魔なんだよ」






完全に意識を手放す瞬間、リアの目からから一筋の滴がこぼれた。


















*******************************














意識が浮上して、最初に気がついたことは時計の秒針音だった。


それから二人の男性の話し声が明確に聞こえた。








「第8部隊から手錠を拝借してきた。これで証拠は決定的だろう」








この声は、ガーラ隊長?








リアは激しい頭痛に耐えながら目を徐々に開いていった。


「まったく、お前も運が悪いな。こんな雑魚みたいな事務官に足下をおびやかされて」


この声は、やはり第3部隊隊長ラド・グレンジャー。


リアの記憶の中にはいけ好かないやつとしてインプットされている。


なにかと議会で文句を言っては会議の内容をグダグダにしていた。


「何。こいつは、大した頭は持ち合わせていない。ただ情報量が多いだけだ。どれだけそれが重要かなんてことは塵ほどにもわかってないだろう」








情報?みんなして情報情報いったいなんのこっちゃ。


わかるように説明しろ。


馬鹿野郎どもめ。










リアは声に出せない分、心の中でののしった。


第8部隊の連中も一体なんなのだ。


私に対してのハードルが高い。


事務官は美人で優秀でなければ受け付けられないとでも言うのか。


呪われてしまえ、イケメン集団が。クソ。










「さて、そろそろ良い時間だろう。アランが会議から戻ってくる頃だ。こいつをここで殺しておけば、ユエやアリスにアリバイはない。鑑識にも遺体の死亡時間を調整させておくよう根回しをしておけよ」


ラドがホルスターの安全制御装置を解除した音が聞こえ、さすがにリアは顔を上げた。




ようやく周りの景色をみることができた。


武器庫の柱に縛り付けられている現状をここにきて理解したのだ。






「最後に、聞いて、良いですか? 私は何を、知ったのか。それを聞いて、死にたいです」






リアの言葉にラドは感心した。


「命乞いをしないなんてなんて軍人の鏡か。君の名誉ある死をたたえられないのが非常に残念だよ」


うさんくさいラドのものいいに、尚もリアは食いついた。






「あー、あれですか? 頻繁に隊長たちが外で会食してることを咎めたからですか? それとも、合同捜査会議の前に情報共有を済んでいたことを訪ねたからですか? あ、あれだ!隊長議会で仲良くダーツ大会で盛り上がっていることに水を差したからですか?」












「全てだ!」












銃声と共にリアの頬にかすり傷がついた。










引き金を引いたのは、ラドではなくガーラだった。


ガーラの怒気を含んだ雰囲気にラドも少々驚きを隠せずにいる。










「お前の前で一度もそんな話などしていない! なのに、なぜお前は、その情報を知っている?!気色の悪い!毎日毎日、お前は何食わぬ顔で私に告げる。私しか知り得ない情報を。お前に消されるかもしれないと恐怖する私の気持ちがわかるか?! 私に暗部の査定が入ったならそうだと言え!白状しろ!」








銃口を頭に押しつけられ、リアは内心焦る。




自分の言葉がそこまでしてガーナに追い打ちをかけていたなど露程思ってもいなかった。


しかし、一つの疑問が残る。






「だって、隊長はいつも、楽しそうに話してたじゃないですか!秘密だなんて思えないくらいに!」






「……私は、こいつとの話題は、誰もいない執務室での内線か、人気のない廊下でしか話したことはないっ」


「執務室での電話? とてもよく聞こえますよ? あれを内緒話だなんてどうして思うんですか?」


「なん、だと?」




リアの言葉に今度はガーナが戸惑う番だ。


自分の会話はそこまでして筒抜けだったのか。


第5部隊にいる部下たちはただ暗黙していただけなのか。




疑心暗鬼に陥り始めた。




「惑わされるな、ガーナ。こいつの言っていることが正しい保証などない」


今度はラドがガーナを叱咤する。


「そうだな……保証など、ない」


「そうだ。急いで口を封じてしまおう。」










あ、やばい。確実にピンチだ。












リアはこれ以上は限界だと降参の意を込めて叫んだ。
















「もう、無理です! 助けてください! 副隊長!」
















その叫びにラドとガーナは後ろを振り向くが時既に遅し。


二人の目の前にはブーツの靴底が迫っていると思った瞬間。






ガッ






二人を綺麗に吹っ飛ばしたユエとアリスは反対に綺麗に着地する。








「こんな無能な奴らを捕まえるのに、わざわざ第8が動くことになるなんて。人為不足も甚だしいわね」「まったく同意見」


ユエが縛り上げながら愚痴をいうと、アリスは首を縦に大きく振った。






「人質なら人質らしくもっと情報を引きずり出せ。何のためにお前にステーキを1ポンドもおごったと思っている無能が」


コアは事件現場とは思えない優雅な動きで登場してきた。






「隊長も人が悪い。人事に関してはせめて私に耳打ちしてください。事務官と外部で接触していたなんて外聞の悪い」


コアの後ろを付いてきたアランがため息をつきながらリサの手錠を外し始める。






「やっぱり!さっきの秒針音は副隊長の懐中時計だったんですね!あー、焦ったー。違う人だったらやられるって思ってましたよー。」








「その言葉、ほんとにあなたと言う人は……。」


苦笑するアランにリアはなんのこっちゃと首を傾げる。


「ガーナもいっていただろう?こいつはバカだ。頭で考えることは一切していない。耳から入った情報をそのまま得ているだけだ。」


「馬鹿だなんて、相変わらずひどいですねー。私の持ってる情報、逐一教えてあげてたじゃないですかー」


「そろそろ周囲にもてはやされて図に乗ってる我が部隊のアホ共に種明かしをしてやれ」


コアはリアのコメントを無視して顎で第8部隊のメンバーを指した。










「種明かしっていうか、私にとっては普通なんですけどね。身体的機能が、一部驚異的に長けてるみたいなんですよ。私は聴覚がそうみたいで。小声で話す声は全て拾います。とりあえず、この武器管理庫、全域の音は拾えますし、なんだったらここから5M離れているそこの分厚い頑丈扉の外にいる見張りの会話は余裕で聞こえますね」










コア以外のメンバーは唖然とリアの話を聞いた。










ありえない生き物が目の前にいる。










アランは更に深くため息を吐いた。


「もしかして、私の嫌み、全て拾っていたんですか」


「あったりまえじゃないですかー。口を動かした時点で耳に入るんですよ? 全て私の中では会話としてなりたってます」


心当たりのあるユエやアリスも居たたまれない様子を見せる。


「よくそんな大量な情報網で発狂しないわね……」


「私にとっては、この情報量が一般的なので、特に不自由を感じたことはありません。初めて気づいたの方はコア隊長だけでした。すごい観察力ですよね。食費浮かせてやるから聞こえた会話を全て教えろと半ば脅されましたけど」






「こいつは私の独り言に対して笑ったんだ。週一で開かれている中央隊長議会で。くだらん小競り合いが始まってな。あまりにも低脳な内容に独り言でケチをつけたら、たった一人だけ反応した。それがたまたま副隊長の代わりに同席していたこいつだ。はじめは半信半疑だったが、ためしにこっちを向けとほぼ口パクで話しかけると驚くことに、こいつは私と目を合わせた。誰も生かせていないこいつの能力を私が最大限に生かしたまでだ。第3と第5の結託が立証されればこの馬鹿共は追放だ。これで少しは有意義に会議が進行される」


コアは不敵に笑う。




「まさか隊長、会議の進行を疎かにしたからってだけで、目の敵にしてたんですか?」


リサは呆れて質問した。真の目的が一番低能であった。


「当たり前だろう。時間は無限にはない。私の貴重な時間を無駄にする馬鹿はいらん」




「隊長、摘発って、名目は誘拐殺人未遂だけですか?」


アランは些細な疑問を投げかけた。






「この人間盗聴器が言っていただろう?」


「やめてくださいよ!なにそれ!差別用語!」


「こいつらは違法風俗を経営していた」


「違法、ふうぞく?」


「ダーツは売春の隠語だ」


「……ああ」


アリスは頷いた。


「こいつらは定期的にそういう趣向の会を開き金持ちどもから会費をせしめ、あはよくば上に取り入ろうとしていたんだ。まだ駆け出しだったがな。なんたって、この馬鹿にバレバレだったのだ。会話も人間関係も。脇が甘いにもほどがある」


「まぁ、真横で話されているとおなじ状況でしたからね。てか、馬鹿って言い過ぎてません!? 泣きますよ?」


「勝手に泣け。証拠の処分には間に合っていないはずだ。アラン、アリスを連れて第3をあされ。主謀はこいつだ。会員制の秘密売春。さぞ中央軍事を騒がすだろうな。馬鹿な上官たちが尻ぬぐいに右往左往している様子は滑稽だ。楽しみが増えた。そこだけは礼をいうぞ」


コアの不適な笑みに対全体が青ざめたのは言うまでもない。




コアの予想は的中した。


第3部隊の隊長が首謀者となり共犯に第5部隊の隊長が上げられた。


二人はまだ会員制娼館を開いて半年だったが、評判はよく裏金として結構な額を荒稼ぎしていたらしい。




とかく私はリークの首謀者として名が上がってしまった。


長時間の取り調べは行われたが、主にコア隊長が受け答えをしていて私は一切しゃべっていない。


私の聴覚のことは話さなかったみたいだ。


ややこしくなりそうなので、ありがたい。


一応これでも気をつけてはいたのだが、私も脇が甘いらしい。


第5部隊の隊長には特に優しいわけでもなかったが、まぁまぁ仕事がやりやすかった。


なのに、そんな恐怖心をあおっていたなんて。すみません。




上層部は色々大変だったらしいが、コア隊長はうきうきしていた。


多分何かしらの評価が上がったらしい。






今日も我が第8部隊は規則にのっとってない領収書を出す美形集団と事務官が格闘をしている。





ここまでお読みいただきありがとうございました。

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