神無月と琴羽と海へ
放課後、僕は神無月と琴羽と一緒に海に行った。
海は高校から出てすぐの所にある。歩いて数分で着くということもあり僕たち高校生がよく遊ぶスポットになっている。僕自身も過去に何回か行ったことはあるけど友達数人で釣りをしたぐらいだった。
「ねぇ空。あーしの水着見るよね? 」
「み、見ないよ 」
少し見栄を張って嘘をついた。素直に見るというと下心があるように思えるし。
「ふ〜ん。その割には目がチラチラ泳いでるけど? 」
「空くんはエッチな人じゃないもんね〜 」
琴羽が僕の肩を掴みフォローする。
信じてくれるのは嬉しいが僕も年頃の男だ。性欲はあるし、エッチなことも考える。
「ふ〜ん。とりあえず、あーし水着になるね〜 」
神無月は服を勢いよく脱ぐ。僕は思わず顔を隠したけど指の隙間からチラッと様子を伺った。下着姿だと思っていたけど服の下は水着だった。
しかも三角ビキニで布の面積はほぼ無い。少しでもズレるとポロリしそうだった。
「うっ....わっ.... 」
「いいリアクションだね〜。こういうを待ってたんだ〜 」
「空くんっ!! 少しニヤニヤしてるっ!! 私の知ってる空くんと全然違うよ.. 」
神無月の豊満ボディはすごい。何を食べればそんな身体になるのか。高校生とは思えない発育だ。むっちりとした身体はグラビアアイドルのようだ。
「空くん。神無月さんか見ないで私を見てよ 」
琴羽は神無月と違ってゆっくりと制服を脱が始める。それが逆にエロさを引き立てる。もじもじと制服のボタンを外しスカートを下ろす。
琴羽は制服の下にスクール水着を着ていた。真ん中には天上院と琴羽の苗字が書かれている。
これはこれでビキニよりエロいかもしれない。
「は、恥ずかしいから..あまり見ないでね..いや、神無月さんを見られても嫌だし..やっぱり見て.. 」
「琴羽も中々やるじゃ〜ん。まぁあーしの勝ちだけどね〜 」
「そ、そんなことないよ。わ、私だって 」
琴羽と神無月は向かい合って言い合いを始める。最近恒例の言い争いは一度始まると中々終わらない。どちらも負けを譲らないからだ。
「ふ、二人ともその辺りにしてーー 」
「空っ!! どっちの水着が魅力的? 」
「空くんどっち? 」
「ぼ、僕遊んでくる〜 」
僕はその場から逃げるように砂浜を走る。ここの海はとても綺麗だ。ゴミ一つなく流れる海水も透き通っていて浅い所は底まで見ることができる。
綺麗な海に綺麗な二人の女子....もしかしたら僕は幸せ物なのかもしれない。
「待ってよ空〜 」
「空くん待ってー 」
二人と一緒に遊ぶこの雰囲気がどこか心地良くてたまらない。仮に僕がどちらかと付き合うことになるとこの関係は終わってしまう。そう考えると今の関係の方が良いと思ってしまう。二人の為を思うと早く決めないといけない。でも....僕はこの関係が好きだ。
「どうしたの空? 急に止まって〜 」
「空くんどうしたの? 」
「二人ともごめん。僕が早く決めないから二人に迷惑かけて 」
「え? そんなこと考えてたの〜? そんなこと気にしなくていいよ〜。あーし結構今の関係好きだし 」
「私も..嫌いじゃないよ。こういうの。少なくてもまだこのままでもいいよ 」
僕だけではなかった。二人とも同じようなことを思っていた。今の関係も嫌いじゃない。もうしばらくこの関係でも迷惑じゃないことを知ることができて良かった。
こうなったらゆっくりと二人と向き合って本当に好きな方を決めようと思う。僕のような人を好きだと言ってくれた二人に応えたい。
「そっか。僕も同じようなこと考えていたんだ。よーし。今からみんなで目一杯遊ぼうっ 」
「うん。遊ぼ〜 」
「うんっ 」
僕たちは砂浜を走り海へ入る。水着を持ってきていない俺は制服のままなので足を浸かるぐらいしか出来ないがそこら二人に水を掛けた。
「やったな〜空〜。あーし本気出すとびしょ濡れになるけど良い? 」
「空くん。私も本気出していい? 」
僕は冷やっとした。着替えを持って来ていないのでびしょ濡れになるとそのままの状態で家に帰らないといけない。流石にそれは勘弁したい。
「良いよね? 空 」
「空くん良いかな? 」
これは確実にびしょ濡れコースだ。僕は二人に乾いた笑みを見せた。