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魔鋼少女<マギメタガール>ミハル・Shining!  作者: さば・ノーブ
第2編 <魔鋼学園>
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闇に染まりし者よ 第7話

ピンチ?!


赤黒い弾が飛んでくる・・・ミハルの背後から!

背後から襲いかかる闇の波動。

闇の波動を喰らってしまえば、肉体に相当なダメージを与えられてしまうだろう。


背後から飛び来る波動に、ミハルは気付いていなかった。




 ピクンッ


ローラの指が動く。

薄く開かれた眼に光が宿る・・・


ローラに授けられていたのは、透視能力と魔法物を探知できる異能ちから

気付いたローラが動いた。


「ロ、ローラちゃんっ?!」


突き放す様にミハルを突き飛ばし、自らを犠牲に差し出したのだ。


ローラが何をしたのか、ミハルが気付いた時には。

赤黒い波動は、回避不能の距離まで迫っていたのだ。


「ローラちゃんっ!」


挿絵(By みてみん)


赤黒い波動に、ローラの姿が掻き消された。

闇の波動に飲み込まれた様に観えた・・・一瞬。


破滅音も無く、唯赤黒い光で視界が遮られてしまった。



「赦せないなぁ・・・卑怯なんだから。

 これだから邪な奴って、滅ぼさなきゃいけないんだよ」



耳を打つ少女の声。



ローラに突き飛ばされた状態のまま、声を振り仰ぐ。


闇の波動を右手一本で防いでいた。

赤黒い煙が右手の先から立ち昇る。


白い魔法衣・・・女神の衣。


蒼い髪・・・魔鋼の力を宿す。


蒼き瞳・・・清浄なる者の証。


あいの女神の姿で、闇を睨みつけている・・・美春オリジナルミハル


挿絵(By みてみん)


「いつの間に?伯母ちゃん」


ニャンコダマ状態で箱に取り込まれていた筈。

しかし、魔法石に戻って来ていたのは感じられていたが。


「それは、ね。内緒!」


ミハルに訊かれた女神が、ウィンクと共に返して来る。


「ずっと、観てたんだよね?」


「・・・内緒」


ふふふっと笑い掛けた女神だったが。


「姪っ子ちゃん、ちょっとオイタが過ぎた闇の者に・・・ね。

 お灸を据えてやらなきゃ気が済まないんだよ・・・出しゃばるけど、ごめんね」


ふわっと。

言い放った女神が宙を舞う。


<翔飛>なんて履いていないのに。

足元に円環が現れ出て、羽根がはばたく。


「姪っ子ちゃん、よぉっく観ておきなさい。

 これから私が為す事を。女神が闇をどうやって祓うかを!」


ミハルが見上げる女神の姿が、瞬く間に替えられていく・・・


挿絵(By みてみん)




胸元のエンブレムを隠していたローブが消えてなくなり、現れた太陽神の紋章と、肩の鋼の装甲帯が目につく。

それまでグローブだけだった腕に、蒼のエルボーガードが装着されている。


理の女神が戦闘形態となった姿。


女神が右手を振り払うと、錫杖が一瞬で現出して握り締められた。


「伯母ちゃん?!」


初めて観る理の女神。

伯母である女神の、本当の姿を目の当たりにしたミハルが。


「ローラちゃんは、闇に騙されていたんだよ!

 もう二度と手出しできないようにしてよね!」


うけたまわりぃ~っ!」


女神が軽口で返してくれた。


上昇を停めた女神が、ミハルに庇われたローラに訊ねて来る。


「それじゃーぁ、君。

 あなたには見えるでしょ?あなたを誑かして来た奴の姿が。

 贖罪をする気なら、私に教えてみない?どこに居るのかを!」


女神が錫杖を構えて訊いて来た。


「えっ?!ボクが・・・ですよね?」


「そう・・・君がやらなきゃいけないの。

 邪なる者と決別する為にも・・・聖なる心を再び持つ為にもね!」


錫杖の湾曲した先端に、蒼き光が燈った。


「ボクが・・・ですよね?

 ボクがやらなきゃいけないんですよね?!」


ローラがミハルから離れて上を向く。


「そうだよローラちゃん。君にしか出来ない事だよ!」


声援するミハルに頷いて、ローラの指先が示す処は。


「女神様!そこですっ、闇の化身が潜んでいるのは!」


ローラの心眼に映る悪魔の姿。

岩に化けた邪な姿を指して、女神に示した。


「うん。良く出来ました。

 あなたは今、取り戻したわ。聖なる心を!」


贖罪の時だと、女神は祝福した。

人なるモノとして、ローラは蘇ったのだと教えたのだ。


「よぉーく観てなさいあなた達。

 これが理の女神による裁きのひかり

 これが私の全力全開・・・殲滅ジャッジメント魔砲キャノン・・・」


錫杖の先に光が集い始める。

蒼き光が巨大な魔砲弾となり、狙う先に照準をつける。


「いくよぉーっ!受けてみなさいっジャステス・ブレイカーを!」


 ギュワワワンッ


挿絵(By みてみん)


巨大な力を含んだ弾が、闇の空間をも切り裂いて飛ぶ。


「ちょっとぉーっ?!やりすぎじゃないのぉっ?」


あまりの無慈悲さに、ミハルがドン引きする程の威力で。


岩に化けている悪魔諸共、結界までもが噴き跳んで行く。


「おだまりっ!ここからなのよ、よぉっく観ておきなさいっ!」


無碍も無く・・・女神に言い切られた。


悪魔は抗う事も出来ず、女神の弾の前でのたうつ。

闇に戻されるのを拒む様に、光に歯向かう様に・・・


そして。


「これで終わらせるわ!

 審判の時よ!ジャッジメントォーっ!!」


錫杖を掲げ、女神が天を指す。


神の打撃に抗う術を無くした悪魔は、審判を告げる光に飲み込まれた。


「バーストォッ!」



 ドッゴオォォ~ンッ!


振りかざされた錫杖が、最期の時を告げた。

活躍も出来ず、ある意味無意味でもあった悪魔が消滅して果てた。

<無>へにも帰れず、唯消し飛んでしまっただけの存在に成り果てた。


爆音が消えた時には、辺りは元の学園へと戻っていた。


「けほっけほっ!伯母ちゃんやっぱりやりすぎだよぉ?!」


咽返る必要なんてないのに、爆焔に巻き込まれた様に感じたミハルであった。


「あ。そうだ!ローラちゃ・・・君は?!」


たった今迄一緒に居た筈のローラの姿が見えなくなって、慌てて探すのだが。


「あれ?!どこに行っちゃったんだろ?」


ぐに・・・


「ミハル・・・さん。痛いんだけど?」


「あっ?!ローラちゃ・・・君?どこ・・・って。わぁっ!」


踏みつけていた・・・足の下敷きに。


「どどどどっ?!どうしてそんな所・・・って、ぎゃぁ?!」


ぶにっ!


確か、ローラは男であったと。

闇の中でだが、確かに男の子であった筈。


下から見上げられていたミハルが飛び退くのは仕方ないか。

弾みで、ローラを踏みつぶしてしまったが・・・仕方ないか?


「凶暴だよミハルさんは!痛たたたぁ~っ」


お腹を押さえてローラが蹲るが。


「しょっ、しょうがないでしょ!下から覗くんだもん!」


スカートを押さえてブツブツ言うミハル。


「でもさぁ、ありがと。

 助けてくれて・・・ホント。感謝してるよ、女神様には」


「・・・あのさぁ、伯母ちゃんにだけ感謝してるの?」


拗らせたミハルが、口を尖らせて文句を言ったら。

ローラがミハルを抱き寄せて首を振り、


「違うよ。ミハルに感謝してるんだよ。

 ボクには君も女神に思えるから・・・だよ?!」


心からそう思っている。他意はどこにも感じられない。


「・・・あ、あ・・・あっのぉっ!ローラ君っ?!少し落ち着きましょうね?」


真っ赤になってミハルが眉をひくひくさせて言った。


「?落ち着いてないのはミハルじゃないの?良く見て観てよね」


ほらっとローラが顔をみせて来る。

微笑んだその顔は・・・


「うにゅ?!いつのまに?女の子になってたのよ?

 ・・・って!そんな問題じゃないわぃ!」


突き放したミハルが頭から湯気を噴く。


「つれないなぁ。

 ボク達って友達じゃないか?!」


「そのくらい心得てますっ!でもっそのっ!心の準備というモノが!」


紅い顔でミハルが言い返したが、ローラはいたって無頓着に。


「うん、なるほどっ!照れ屋さんなんだね!」


明るくなったローラが、そこに居た。


「なんだかなぁ・・・闇に染まっていた時のほうが、おしとやかだったなぁ」


困ったミハルが、冷や汗を流す。


挿絵(By みてみん)



「「おおーいっミハルぅ?片付いてもぅたんか?」」


不意にマリアの声が聞こえた。

体育館のスピーカーから。


「「せやったら、ちょうどええわ!早う二人共本部に来てくれや!」」


マリアが関係者でもないローラ迄入れと言う。


「え・・・でも?」


戸惑うミハルへ。


「「ええから!早う!」」


体育館の秘密扉が、開錠された。


「う、うん。それじゃぁ・・・」


おどおどとしたミハルが、ローラの手を掴むと。


「ローラちゃ・・・君。

 一緒に着いて来てくれる?」


有無を言わさぬミハルの声に、ローラも黙って頷くのだった・・・


久しぶりの活躍だったかしらね?

あ。

ど~もっ!オリジナルのミハルです!


今回で「闇に染まりし者よ」もお終い!


次回からは「I・M・S」が、始まりますよ!

学園編もいよいよ本格的闘いに入っていくみたいね?!


え・・・ワタシの出番・・・これでオシマイナノォ?!



次回 皇都インペリアルパレスI魔鋼マギメタM戦闘団ストライカーズS 第1話

ロボットモノなら!秘密基地が必要だモンね!

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