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魔鋼少女<マギメタガール>ミハル・Shining!  作者: さば・ノーブ
第2編 <魔鋼学園>
88/219

闇に染まりし者よ 第1話

挿絵(By みてみん)


<闇に染まりし者よ>月に代わってオシオキよ!

冬の訪れの前。

朝靄あさもやが都のを覆い隠した。


気温差が激しい朝に観られる光景・・・そんな日でも。


「ふっ!はっ!やぁっ!」


寒稽古には幾分早いが、娘は日課を休むことはない。


「はぁ~っ、ちょっとは寒くなって来たなぁ。

 もう直ぐ年末が来るんだもんねぇ、一年って早いなぁ」


「「おばさん臭いわねぇ、姪っ子ちゃんってば」」


ニャンコダマの女神に茶々を入れられても。


「違うよ、アタシが言いたかったのわね。

 何も解決出来なかったんだなぁ今年もって・・・心苦しく思ったの!」


「「ニャンとっ?!殊勝な心掛け!

  ・・・で、なにがなのよ?」」


惚けるニャンコダマに肩を竦めたミハルが。


「先ず、マリアのお父さんの事。

 それに闇のイシュタルの民・・・そして<九龍の珠>を狙うモノ」


ニャンコダマに背を向けたミハルが答える。


「「・・・それだけ?」」


女神オリジナルミハルの声が聞き咎める。


「・・・伯母ちゃん、判ってるでしょ?」


稽古着をずらして首筋を晒すミハルが、


「痣が・・・どんどん濃くなってくるの。

 アタシの中に居るルシファーさんと、何か関係があるんじゃないの?」


女神に聴き返した。


「「うにゅぅ、それが判れば苦労しないわよ」」


あっさり返されたミハルだったが、


「そうなんだ、伯母ちゃんでも分からない事が多いんだね?」


「「失礼な!多いとは何よ」」



蒼毛玉の女神をその場に置いて、ミハルは着替えに自室へと戻っていく。


「「姪っ子ちゃん・・・ごめんね」」


女神は知っていた。

ミハルに宿る神が、人間世界の闇に染まりかけているのを。

未だ目覚めないルシファーが、毒気に充てられる様にくすんでいるのを。


「「イシュタルの民とかいう輩の所為だわ。

  奴等を本丸ごと叩き潰さないと、このままでは・・・」」


女神ニャンコダマは、ミハルの言った通りだと自覚していた。

早く・・・早く解決しなければならない事が多過ぎると・・・







______________






「ジャじゃぁ~んっ!今日はコロッケなのだぁ!」


「マジか?!ミハルさん・・・それ全部?」


「・・・頭痛い・・・」


巨大弁当の中には、コロッケがマシマシに入ってる。


「それ・・・全部食べる気?」


「・・・頭痛い・・・」


ローラが驚いて訊いて来る横で、マリアが頭を抱えていた。


「そっだよー!一つくらいは交換しても良いよ!」


「交換かいっ!」


突っ込むのはマリア。

唖然と観ているローラ。

食欲魔人のミハルは、お構いなしに食べる子。


「ところで、図書館での勉強会だが。明日から開始しようか?」


「ぶあっ?!もうそんな日にちに迫ったの?!」


マリアに告げられたミハルが噴き出しながら訊き返して来る。

吹き出したミハルを煙たそうに手で払い、ローラにどうだと訊くマリアへ。


「そうだね、明日から早速やろうか?!」


「ひゅにゅぅ・・・勉強会かぁ・・・」


納得するローラに、ぶつくさ言うミハル。


「なんや、ミハルは嫌なんか?そやったら、独りでやるか?」


「しょんなぁ~っ、嫌じゃないよぉ。唯、気が乗らないだけだよぉ」


駄目出しされるミハルも、ここは仲間に入れて貰いたい。


「明日からだね、じゃあ・・・今日は寝よう・・・ぐぅ~」


「・・・まだ学校だし。寝んな!」


「気が早過ぎるってば!」


試験勉強会は明日たからに決まった。ミハルは怠そうだったが。



「それにしても、最近夜が静かでいいねぇ・・・あ」


背伸びして言ったら、マリアの痛い目に気付いて口籠る。


「本当だよね、夜になると昼間の喧騒が嘘みたいだよね」


ローラが気付いていないのか、ミハルの口車に乗って来る。


「あはは、つい眠くなっちゃうよね。何も無いのは良いことだけど・・・って、ひぃ?」


軽口を言うミハルの耳を引っ張るマリア。


「うん?マリア、何か気になる事をミハルさんが言ったの?」


気付かないのか、ローラは気安くマリアに問うのだが。


「い、いやいや。なんもあらへん。ミハルの耳に虫が居ったんや」


「?」


キョトンとするローラに隠れて。


「余計なことを言わんでくれ。ウチ等の正体がバレてしまうやんか!」


「ひんっ!ごめんなさぃぃっ」


小声で叱られてしまうミハルだった。



あははと、苦笑いした二人にローラが何気なしに言った。


「そう言えばね、明日の晩は満月だったよね?

 肌寒い夜の満月って、なんだか外を出歩きたくなるじゃない?」


「へっ?!うろつくの?」


ひょんな言い方をされたミハルが、小首を傾げる。

だが、ローラが手を振って応えるのは。


「違うよ。徘徊する訳じゃなくて。

 月明かりに呼び出されると言うか、なんかこう・・・踊りたくならない?」

 

「あ、御餅つきするウサギさんみたいだね?」


一瞬だったが、ローラの瞳に何かが宿った気がしたのだが。

敢えてミハルはボケてみた。


「ウサギ・・・ねぇ。

 どちらかというと夜泣きする猫退治かな?」


「ほほぅ・・・猫退治?」


答えたローラはすっと立ち上がると窓辺に行き。


「そっ!猫退治さ」


虚空を見上げて答えて来た。


「・・・・」


ローラが何を言わんとしているのか。


黙って観返すミハルとマリアは、明日の晩に何かが起きると踏んだのだった。


そう。

久しぶりに、夜の仕事が舞い込む気がしていたのだ。


あれだけ毎晩やってきていたノーラという盗賊も、ローラの登場により姿を消していたのだが。


遂に再び現れるのだろうか?

また、<九龍の珠>を狙って来るというのだろうか?



明日の晩を想い、ミハルはマリアと目配せしていた・・・

闇が蠢く。


再び遅い来るのは盗賊か?それとも??


ミハルは自分に何者かが迫って来るのを感じ取っていたのか?!


ニャンコダマよ、姪っ子には教えた方が良くは無いか?


次回 闇に染まりし者よ 第2話

君は試験勉強を前もってやってましたか?今やってる?!失礼しました・・・頑張ってね?!

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