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魔鋼少女<マギメタガール>ミハル・Shining!  作者: さば・ノーブ
第2編 <魔鋼学園>
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魔鋼少女(?)と怪盗  第6話

盗賊ノーラと楼羅らしき影。


2人の間にナニがあったのか?!


なんでしょうねぇ?

姉弟が<九龍の珠>を手に、言い争っている。


魔法の珠を狙う闇と、取引したという姉ノーラ。


対する弟ローラは、姉を引き留めに来ただけなのだろうか?


<九龍の珠>を手にしたローラは、何が本当の目的なのか?


「ローラ!お前は母様が帰って来なくても良いというのかノラッ!」


一考に埒が明かない話を打ち切る為に、姉が問い質して来た。


「誰もそんなことを言ってるんじゃないよ姉さん。

 闇にこの珠を渡したって母様は帰っては来ないと思うからさ。

 ノーラ姉さんはお人好し過ぎるんだよ!」


ローラの言うのも尤もだ。

闇が素直に返す訳もない。

一つの条件をクリアしても、また更なる条件を突き出して来る筈だ。

どうしても返して欲しくば、もっと要求を呑めと・・・


闇とはそんなに簡単に話を着けれる相手ではない。

ローラの言った通り、姉ノーラは闇を甘く見過ぎているようだ。


「約束したんやで?その魔法の珠を渡しさえすれば、母様を還すのらって!」


「甘いよ姉さんは。取引には姉さんだけで挑んだんだろ?

 第3者に契約を承認して貰った訳じゃないんだろ?

 もし闇と誓約したのなら、誓約文を魔法契約書に書かせたの?

 約束を違えたら、違えた方が滅ぶみたいな強力な魔導書に署名させたの?」


「うっ?!そ、それは・・・交わしていないのら・・・」


闇・・・悪魔との契約を交わすのなら。

約束を違えた暁には、悪魔自体が契約に縛られ滅び去る魔導文書を執るのが通例とされる。


闇の者達に約束させるのなら、自らを縛り上げる魔導契約書を作らねばならない。

当事者たる闇の者を信用するなど、身の程知らずにも程があると言えた。


「だったらさぁ、ノーラ姉さん。

 もう一度契約を交わし直してから盗みに来れば?

 それだったら、この魔法石を指し出しても良いんだよ。

 確実に母様が返されるのなら、ボクも納得できるから」


ローラが姉ノーラから奪い返したのは、無駄足を踏ませない為だったのか。

お人好しの姉に忠告する為に現れたのか?



「「むむぅ・・・これは確かにややこしいわね」」


ミハルの宝珠の中で、ニャンコダマも手を拱いていた。


「「二人が母親を取り戻す為にやって来たのは分ったけど。

  <九龍の珠>を闇に渡されては大変だわ・・・どうしようか?」」


女神としては二人に罪を被らせたくはない。

でも、現状ではそうする他に解決の目途はたた無いと思われた。


「「ノーラちゃんが闇と契約して来れるか・・・そこに懸かっている」」


姉弟を見詰めて、女神が判断を下した。


「「ノーラちゃんが危険だけど。

  次に現れた時を掴んで、介入するしかなさそうだね」」


悪魔に母親が連れ去られたと言ったノーラ。

盗んでまで<九龍の珠>と、母を交換すると教えた盗賊ノーラ。


方や停めに入ったが、目的は同じのローラという弟。


二人にとっては<九龍の珠>も、唯の石ころと変わりがないという事か。

母親を取り戻す為には、極大魔法を秘めた珠さえも惜しくも何ともないのだろう。


「「どうやって二人の母を取り戻すかだ・・・けど。

  どうにかして居場所ぐらいは掴めないモノかな?」」


ニャンコダマはふと思い出した事があった。


「「そういえば。ローラは姪っ子とクラスメートだったわよねぇ。

  ノーラちゃんが闇と接触している間に、何かつかめられるかもしれないわねぇ」」


にや~っと、嗤うニャンコダマ。


「「学園ではどう見ても女の子だった・・・隠しているのよね?

  男の子であることを・・・なぜかしらねぇ・・・ふっ。ふふふっ!」」


にやけたニャンコダマが、姪っ子を観て。


「「これは・・・姪っ子に魔砲少女というモノを改めて教える機会になるかも」」


自分だけが知っているローラの秘密を、敢えてミハルには告げなかった。



「楼羅ちゃん?!その櫃を元に替えそうよ?」


スピーカーから、ミハルが呼びかけたのだが。

聞こえている筈の魔法少年は、箱を手にしたままノーラを指差した。


「それじゃあノーラ姉さん。

 この箱はビルの中へ戻されるから。次に会う時には必ず契約してきてね?」


「うん・・・了解だのら」


姉弟はそれで別れることにした。

姉ノーラは闇へと飛び退き、妹ローラは箱を<輝騎>目掛けて放り投げた。


「わぁっ?!ちょっとぉっ?!」


条件反射で箱を掴み取った時には。


「あ・・・楼羅ちゃん?何処に行ったの?!」


一瞬で消えた同級生に、ミハルは狐につままれた気になった。


「訳を教えて欲しかったんだけど・・・二人の間に何があったのかを」


母親をなぜ奪われたのか。

なぜ助ける為に闇と接触できたのか?


「しょうがないなぁ。

 学校でこそっと訊いてみようかな・・・話してくれるかなぁ?」


消えた少年の姿を思い起こし、ミハルは<九龍の珠>を持ったまま明日を考える。


「「姪っ子ちゃんよ。もう今日だよ?」」


「・・・・なははははっ?!おやすみなさーい・・・・しょんぼり」


睡眠不足に陥る事は・・・回避不能!



その晩の出来事は、ミハルとニャンコダマだけの秘密とした。

通信回線を傍受している筈のルマさえ、夢うつつ状態だったから・・・






次の日・・・もとい。


明け放たれた当日の朝。



「ふにゃ~ぁ・・・ねむー」


「それを言うなって・・・ウチも眠いんやしぃー」


一緒に登校しながら、ミハルとマリアは鞄を下げてのろのろ歩む。


「マリアちゃん~っ、授業中に居眠りしちゃ駄目だよぉ?」


「・・・今の言葉。そっくり返したるわ」


目の下に隈を造った二人が校門に足を運ぶ。


「あ・・・」


目の前を蒼銀髪の少女が行く。


「おやぁ?見神やん?」


マリアは昨日の一件を知らない。


「・・・・おんにゃの子だよね?どう見たって?」


半ば閉じかけていた眼を見開いて、ミハルが呟く。


「なんや?!もう寝ぼけてしもうたんか?」


ボケたのかと思ったマリアの前を、ミハルが猛チャージしていく。


「?!」


声にならない叫びをあげた・・・


「なっ?!なにすんねん?」


目撃したマリアも退く・・・・


「あ・・・ありゃ?!この感触は・・・」


「〇?△□?!」


元々ハスキーだった声が、金切り声になった・・・・


事のあらましを観ていたマリアが一言。


「ミハル・・・大胆過ぎる・・・ポ」


金切り声を上げた見神の背後からしがみ付いているミハルへ、マリアは頬を染めて身を捩っていた?!

楼羅が男だと思ったミハルの執った行為は・・・・


犯罪です・・・タイーホ。


くれぐれも、善い子の皆は、真似しちゃ駄目よ

   BYニャンコダマ


で?!どうなる中学生活?


次回 魔鋼少女(?)と怪盗 第7話

君の観た姿は本物か?幻なのか?!どっちなんだよぉ?!

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