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魔鋼少女<マギメタガール>ミハル・Shining!  作者: さば・ノーブ
第2編 <魔鋼学園>
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 発進! 魔鋼騎(マギカメタル)輝騎(こうき) 第1話

挿絵(By みてみん)


魔鋼学園 編


あれから幾許かの月日が流れた・・・少女達も闘いながらも育って行った。


そう・・・いつか訪れる日を想い悩まされながらも。

 鋼の機械兵がモニターに映り込んで来た。

紫がかった黒色の機体が、前方モニターに映り込む。


零号機ぜろごうき、そっちに逃げるわ!」


紅い髪の搭乗員が、情報を送っている。



深い森の中、月の明かりが届く場所に観えるのは鋼の機械。

日の本で新たに開発された魔鋼騎まこうきと呼ばれる魔法の人型機械。


地上を滑るように移動する鋼の機械が追いかけるのは。


「「邪操機兵を確認!そのまま北上させて、キャプテン!」」


モニターから少女らしい声が紅い髪の操縦者に求めて来た。


「OK!任せたわ零号機!」


紅い機体を操る操縦者が、機体を操りながらモニターの片隅に映る仲間へ答えた。


「逃げ果せると思うんやないで!邪操機兵」


紅い髪が揺れる。

モニターに映る人形機械を追う蒼い瞳が、上空の月に影が映り込んだのを見つけた。


「ふっ、いつもながらやな。

 乗機の特性を遺憾なく発揮するんやもんな」


上空から何かが降って来るのが観えた。

自分が乗っている人型機械とシルエットが同じように感じていたから。


「ほならな。後は宜しゅうに」


マイクに向けて、仲間に頼んだのだった。





黒紫の機械兵は後ろから追って来る機体を振り切れたと思った。

後方見張りモニターには、赤色の機体が離れて行くのが映っている。


どうやら諦めたかと思った矢先だった。



 ---ビィービィーーー



警報音が鳴り響く。


どこかに接近する金属物体があるのが検知された。

邪操機兵は全周囲モニターで異常を確認するが、目標物体は見つけられない。

だが、索敵電探パッシブレーダーには反応が感知され続けている。


<どこだ?!どこに居るのだ?!>


搭載された人工頭脳はモニターを回転させ、暗闇の中迄も探そうとしていた・・・が。

警報音は鳴り響き、魔鋼機械が手の届く処にまで接近して来た事を知らせた。


人工頭脳は見つけられない敵に焦り、光が漏れて来る上空にモニターを向ける。


ーーー キラッ ---


見つけた・・・確かにもう手が届く処まで接近されていた。


月の中から現れた様な魔鋼の人形兵器<輝騎>の姿が、自分に向けて振って来たのを見た。






「蒼きひかり魔鋼マギメタミハル!


 月の女神様に代わって闇を討ち、闇を祓ってやるんだから!


 覚悟しちゃってよね!」


挿絵(By みてみん)


森の中からバーニアを吹かせて飛び上がった<輝騎>零号機。

上空からの自然落下に機体を任せ、蒼髪の少女が右手を振りかざす。


少女の右手に填められた蒼き光を放つ石。

魔砲少女が手にする魔法石がキラリと輝いた。


「うわああああぁっ!」


気合一閃、少女が降り抜いた。

モニターに映る邪操機兵目掛けて。


魔鋼の人形兵器、<輝騎>零号機の斬鋼剣ざんてつけんが邪操機兵を斬った。


挿絵(By みてみん)


胴体を真一文字に切断された邪操機兵は、応戦す事も叶わずに噴き跳んでしまう。


爆発は一瞬だけ。

斬られた邪操機兵は、跡形も無く消し飛んでしまった。

それはこの世にあってはならないモノが元の世界へ帰るように・・・


「やったね!Vヴぃ


少女は剣を月に翳して勝利のポーズを決めるのだった。





「「零号機、おいこらっ!勝利のポーズなんてしてる間ないで。

  もうタイムリミットや、早う帰らんと動けへんようになるで?」」


モニターの左上部端に映った紅い髪の少女が、蒼い目を和らげて話しかける。


「「それに、零号機に無茶させてからに。

  戻ったらマコトお爺ちゃんにまた叱られるで、ミハル?!」」


ついっと指を立てて、紅髪の少女がジト目で言った。


「うん、そうだよねマリアちゃん。つい・・・本気になっちゃった、てへっ」


舌を出して惚ける蒼髪の少女ミハル


「「てへっ・・・じゃないでホンマ。

  ウチは知らへんからね、ミハルが怒られても」」


「えっ?!嘘っ?損なぁ~っ?」


呆れるようにマリアがミハルに警告した時。



ーーー 残り時間10分を切りました。省電力モードへ切り替えますか? ---



搭載された人工知能(AI)が、警告を発した。


「それみぃ、時間切れやで?!帰ろうミハル」


「うん!帰ろうマリアちゃん、学園基地まで」


右手の魔法石を振り、異能ちからを解除したミハルが答える。

魔砲の力を解いたミハルの髪の色が、蒼から黒毛に戻る。

左髪を括っている紅いリボンが揺れ、長い髪を頭を振って靡かせた少女は。


「明日も中学校だもんね、寝坊したらまた廊下に立たされちゃうもんね」


紅い髪のマリアに笑って応える。


「そやな・・・って。

 立たされんのはミハルだけやん。ウチは寝坊なんてしたことないんやから!」


「ありゃりゃ、つれないにゃー?」


2機の<輝騎>は連れ立って、秘密基地へ走る。

森を抜けた先には、山のすそ野まで拡げられた都立学園があった。


そこには、日の本を代表する特殊機関、<魔鋼科学部学舎>が存在していたのだ。


ミハルとマリアは森を抜け学園の敷地に入る。


2機の<輝騎>が体育館に向かうと、地上の建物がスライドして誘導路が現れた。

地下へと伸びる誘導路がライトを点灯し<輝騎>が入っていくと。

体育館は2機を招き入れてから、何事も無かったかのように元に戻った。








初めて闇の化身、邪操機兵が日の本にも現れてから早くも年月が経たれた。

何度かの来襲を経て、日の本政府も本腰を入れて開発に乗り出していたが、

一般の国民には、未だに臥せられ続けてはいたのだった。


島田美晴しまだみはるが魔鋼科学部へ学部編入されて4年が経った13歳の頃。


闇との闘いは表立っては繰り広げられてはいなかったのだが、

次第に存在を顕わにし始める敵邪操機兵を駆逐する部隊が創設されていた。


邪操機兵の戦闘力に鑑み、人類にも魔鋼機械の武器が量産される事になった。


<輝騎>と名付けられた魔鋼の人型兵器。


魔鋼の力に因り稼働し、敵邪操機兵と互角に戦える人類の牙。


嘗て人類が迎えた危機のような出来事を回避させれる戦力となれるかは、まだ疑問符がつくのだが。





中学生になった島田美晴しまだみはる

魔鋼の少女には、宿命さだめが眠っている。

未だ目覚めない強大な力を持つ者が、宿っていた。

セカンドブレイクの前。

神と名乗った男の力が、彼女の首筋に聖痕スリースターになって眠っているのだ。


そう・・・聖なる力が目覚める時、新たな世界をも動かすのか?




月の女神・・・彼女を秘めた魔法石を持つ少女。


コハルと呼ばれて来たミハルも、もう中学生になっていた。

幼き頃の面影を残したままで。


・・・魔鋼の秘密部隊員になっていた。




連載再スタートです!

コハルも育って美晴みはるを名乗るようになりました。


ええ。

あれから何年かが経ち、少女も中学生に進みましたので。


さぁ、新たなる物語が始まります。

友は?大切な家族は?


今、再び激闘の中へ・・・<輝騎>に乗って挑みますっ!

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