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魔鋼少女<マギメタガール>ミハル・Shining!  作者: さば・ノーブ
第1編<輝け!魔鋼の少女>
66/219

約束と希望 Act4

ミハルという損な女神は・・・


自ら毛玉となる・・・ペットな状態で。


・・・・だからって、これは?!

女神が宿る蒼き魔法石が宙に浮かぶ。

皆が不思議な力を感じる傍で・・・


「シャイニングゥーチェーンジィ!」


コハルが魔砲少女に変身した。


「なんやコハル?!何か感じたのか?」


マリアだけが、いきなり変身したコハルに訊ねると。


「普段ならここで決め文句を言う処だけど・・・今は妖しい者なんていないから。

 というより、女神ミハル伯母さんが勝手に変身させたんだよねぇ」


困ったような顔でマリアに答えてきた。


「はぁ?!女神様が?どうしてなんやろか?」


マリアもコハルも、訳が判らず魔法石をみあげて。


女神ミハル伯母ちゃん、アタシを変身させたのはどうしてなの?」


まだ受話器を持ったままのコハルが魔法石に訊くと。


「あ、あの・・・ね。これには訳が・・・」


魔法石から女神ミハルが答えようとしたら。


「「ねぇ、ミハル。そこに居るんでしょ?

  ちゃんと私の<ペットになった>の?

  まさかまだ石に隠れたままなんじゃないでしょうね?

  ミハルの姪っ子ちゃんどう?ミハルは姿をみせたの?」」


「ぎゃぁっ?!御主人リーン様ぁ、損な御無体な?!」


電話からフェアリアの女神の声が轟く。

魔法石が宙に浮かび上がり震えていたが。


「ねぇ女神ミハル伯母ちゃん?こんな事を仰られていますけど?」


受話器を突き出したコハルによって、審判の女神リーンの呪文が金色の輪になって魔法石に絡みつく。


「ああああっ?!もう駄目だぁっ!」


挿絵(By みてみん)


断末魔の声に似たミハルの叫びが魔法石から聞こえた・・・時。


((  シュル・・・シュルン ))


魔法石から蒼い何かが飛び出て来た。


「なんでよぉ・・・こんな姿になっちゃったじゃないのぉ」


飛び出て来た蒼い何かから、ミハルの声が?!


「毛玉になっちゃったし・・・しかも、ペットな状態で」


蒼いおかしなものからミハルの嘆き節が聞こえる。


「・・・・・・はぁっ?!」


「まさか・・・これは?!」


声を出せるものは、目の前に現れ出た<異次元物体>に、目を疑う。


「あ、けっこう可愛い・・・」


コハルが眼をパチクリしながら、宙に浮かんだ変なモノを見詰める。


「か?可愛い??」


マリアが開いた口が閉まらなくなってコハルの精神を疑う。


魔法石から現れた蒼い毛玉状の者が、自分の姿を映しだしたガラスの前で泣く。


「ふぇええぇん、酷いよリーン。こんな姿にするなんて・・・鬼だ」


蒼い毛玉はモフモフの獣耳<猫毛玉ニャンコダマ>になっている。

ふさふさの毛玉。獣耳を生やした毛玉。

しかも紅いリボンを、しっかりと着用している。


これは・・・間違いなく。


「そんなっ?!ミハル姉が?」


「あらまぁ、何故だか懐かしく感じるわぁ(棒)」


「そうそう、彼の紅い毛玉に対抗して蒼毛玉。しかもリーン様に呪われてペットモドキ!」


「あああっ?!おいたわしや分隊長・・・」


マモルがルマが、ミリアもチアキも。

唯、呆れたように話し合うのが、女神ミハルには痛く感じる・・・やはり。


「だっ、だから嫌だったのよ!

 コハルちゃんを墜落の衝撃から護る時に初めて現実世界に出た時、分ったんだから!」


ミハルがリーンの命令に拒んでいた理由がこれなのか。


「そういえば、輝騎の中でちらっと観えてた気がする・・・」


ルマが思い出して、


「耳が付いただけでも良いじゃないミハル義理姉ねえ

 コハルも可愛いと言ってるんだから・・・ねぇ」


嘆き泣く損な女神を慰めようとしたが。


「うるしゃいっ!こんな姿にされた者の気にもなりなさいよ!」


却って逆効果だったようだ。


「「ねぇ?!ペットなミハルになってるの?」」


受話器からリーンの声が流れ出ている。


「あ、リーンお姉ちゃん、アタシ。ミハルですけど、ちゃんと出てきましたよ。

 ヘンテコネコ毛玉になって、女神ミハル伯母ちゃんがって・・・痛っ!」


コハルがフェアリアの女神リーンに教えたが、毛玉アタックを喰らって仰け反る。


御主人リーン様ぁ、どうか呪いを一時解除して頂けませんか?

 あまりのも情けない格好になってるの・・・お願いです、許してぷりーず!」


コハルの持った受話器にお願いする女神ネコケダマだったが。


「「ほほぅ?!私にお願いするなんて1万光年早いっ!

  大体ミハルが私の元で目覚めなかったのが悪いのよ!

  フェアリアに来るまでの間、その恰好のままで過ごしなさい!」」


「ひぃいぃ~んっ!損な殺生なぁっ?!」


ミハルがリーンの呪いでペットに成ったままでいろと断言されて、滝のような涙を流す。

1000年ぶりに声を聞けたというのに、どうしてこうなったのかと。


「「でも、ミハル。これからの世界を考えて欲しいのよ。

  私もあなたも現実に戻って来たのが一体どう言う意味なのかを。

  姪っ子ちゃんに刻まれた呪いの意味、それにずっと消えない闇の力をどう考える?」」


審判を司る女神同士が、次々に起きる不可解な事実に疑問を投げ交した。


「うん、その通りだよリーン。

 私にも少しだけ分った事があるんだ。

 この先に何が待つのかは分からないけど・・・闇は必ず襲って来る。

 邪な心を持つ人間達に因って、復活を遂げようと画策するかもしれない」


しんじつを求める女神が、審判を下す女神に語る。


「もしも闇が再び人々に襲い掛かるのであれば、私は人に戻る前に闘わないといけない。

 どれほどリーンと逢いたくても、約束を果す前に憂いを無くしておかなければならない!」


「「そう・・・ミハルも同じなのね。私も、そう思ってたのよ」」


人に戻るのを拒む訳ではないが、やらねばならない事がある。

二柱の女神が、互いに同じ思いであったことを話し合い、


「リーン、直ぐにでも飛んで行きたいけど。

 姪っ子が独り立ちできるまで待って欲しいの。

 自分で運命を切り開けるようになるまで、この子を護っていたいの」


コハルを観て、強くなれるまでどれ位の時が必要なのだろうと考えた。


「「勿論よミハル。そう願えばこそ、あなたの魔法石を託したのだから本当は。

  茶化しちゃってごめんねミハル、きっといつの日にか逢えるのが分かったから嬉しくて」」


リーンの声が震えている。

やっと大好きなリーンらしい声を聞けたと感じたミハルも、本当の涙を溢れさせる。


「ああ、今すぐにでも逢いに行きたい・・・リーンの元へと」


心からの声が溢れる。


「駄目だ!ミハルはもうしばらく日本に居てくれなきゃ駄目なのだ!」


「そうそう!ミハルにはコハルちゃんを護って貰わないとね」


女神ミハルの両親が停めに入る。


「お父さん、お母さん・・・うん」


分っているのだが、言ってみたくなっただけ。

まだ、女神のままなのだから・・・二人共。


「「ミハル。約束だからね、人に成ったら。

  私が人に成れたのなら、直ぐに教えるから。ミハルもよ、解った?」」


「うん、約束は果たすよ。辛くなったらまた声を聴かせてくれる?」


ネコ毛玉状態でぽろぽろ涙を零すミハルへ。


「「ええ、ルナリーンが良いというのならね」」


生まれ変わりの娘に宿るリーンが了承する。


「「ミハル、懐かしく感じない?

  私達も昔はそれぞれに宿られていたわよね、双璧の魔女に」」


「そうそう、あの頃は何が何だか分からなかったよね」


二柱の女神達が思い出話を始めようとして居たら。


「あのぉ・・・ミハル伯母ちゃんはずっとこのままなんですか?」


コハルがねこ毛玉をつんつん突きながら訊いてきた。


「あっ、そうだよリーン。呪いを解いてよ?!」


普通の女神として現世に姿を現したいミハルが頼んだが・・・


「嫌ーぁよ。猫毛玉ニャンコダマって姿をこの目で観るまではそのままでいなさい」」


「・・・あっ・・・そ」


リーンの悪戯な声で悟っていたミハルだったが、天を仰いでため息を吐く。


「わぁ~いっ、女神ミハル伯母ちゃんは毛玉だぁ!」


無邪気で悪意のない一言を、コハルが叫ぶと。


「毛玉かぁ。皆何もかもが懐かしい・・・・」


猫毛玉になったミハルが遠い目を浮かべる。


「ほぇ?何が懐かしいの?」


からかったのに受け答えされず懐かしがられ、拍子抜けしたコハルに。


「そう。この姿はねぇ、みんなも良く知っている神様の姿なんだよ」


「・・・神様?」


ますます訳が判らなくなるコハルへ、


「そう神様。私の大事な想い人・・・紅き毛玉になって私を護ってくれてたの」


挿絵(By みてみん)


猫毛玉が遠い過去の話を始めた・・・が。


「なんだか良く解んないけど。

 女神ミハル伯母ちゃんはこの姿で納得したみたいですよ?」


電話先に居るリーンに話すコハル。


「「あらま・・・なんて順応性が強い。

  まるでGみたいね・・・」」


「それはいくらなんでも言い過ぎじゃぁ?」


惚けた話を交わした二人だったが。


「「ミハルちゃん、ルナリーンが逢いたがってるわよ?

  またフェアリアに来て欲しいわ、ご家族一緒にね?」」


コハルの事を美晴と呼ぶ審判の女神リーン

再び彼の国へ行けるのかどうかが判らないから両親を振り返ると。

二人は同時に頷いてくれた。


「ええ、勿論。私のふるさとですもの!」


コハルは電話先に居る筈のルナリーンへと誓いの言葉をかける。


「「待っているわ。この子も私も・・・いつの日にか逢えると信じて」」


別れの言葉を継げようと思ったコハルの耳へと入って来たのは。

ルナリーンの幼い声と、大人の女性が同時に言ってくれた信頼の証。


「うん、うん!きっとね!」


コハルの想いが伝わったのか、受話器から通話が途切れた音が流れ出す。


「ああっ?!コハルっ、私にも言わせてよ!」


女神な猫毛玉ニャンコダマが慌てて受話器に寄って来たが。


(( カシャン ))


無碍も無くコハルが受話器を置いた。


「もう切れてたよ?」


「・・・リーンの意地悪ぅ」


そうはいっても。猫毛玉は嬉しそうに見えた。

コハルには毛玉が嬉しがっている気分が良く解っていた。

ネックレスに宿る伯母ミハルが、姿を現せて。

大切な人の声を聞けたのが、どんなに嬉しく思っているかが分ったかのように。


「それじゃあミハル伯母ちゃん、ネックレスに戻る?」


要件が済んだと思ったコハルが勧めたが。


「いいえ、皆の前に出た今こそ。

 皆に大切な話があるのよ・・・」


猫毛玉が集まった者に顔を向ける。


「今は一つの闇が消えただけなのだから。これから起きることに備えて貰いたいの」


急に真摯な声となったミハルが、一体何を話すというのか?


・・・それは。

猫毛玉ニャンコダマと化したミハル。


その姿でどれだけ真面目な話をしたって・・・

信憑性ってもんが・・・だな?!


何を話す?何を告げる?!


女神ミハルは、1000年の想いを語るのか?


次回 約束と希望 Act5

君は女神としての務めを果す気なのか?!古から引き継いだ運命の果てを!


ミハル「ニャァ~ッ!ニャニャニャニャァ~っ!!(ナに言ってるのか皆目不明)」

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