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魔鋼少女<マギメタガール>ミハル・Shining!  作者: さば・ノーブ
第1編<輝け!魔鋼の少女>
55/219

新たなる魔鋼 輝騎<こうき> Act1

挿絵(By みてみん)


始る新たな魔鋼騎での戦闘が。

コハルは?ミハルは?!


発進する<輝騎>!

集う古き仲間達!

頑張れ魔法少女!元も・・・ね。


ミハル「一言多い!」

都の中心に位置する皇居。

執務机で筆を奔らせていた蒼乃宮が紅い直通電話ホットラインの受話器を取った。


「ふむ・・・そういうことですねマコト君。

 分かりました、わたくしから先方へ掛け合ってみましょう。

 ええ、勿論事後承諾になりますけど」


蒼乃は国防軍秘密部隊司令官島田マコトに応え、詰めていた政務官に目配せする。


「それで、マコト君。ミユキは・・・神官巫女の務めを果たそうと?」


事件のあらましを既に把握しているのか、蒼乃宮が訊ね返す。

電話口からの答えに頷いた宮は、


「そう・・・ミユキらしいわね。

 孫は可愛いと言うけど、それだけではないと言う訳ね。

 フェアリアから来ていたマーブルも、同道しているのなら問題ないでしょう」


日本の巫女と、フェアリアから来ている日系3世の少佐に任せると言った。


「出来る事なら外部に知られないように事が運べばいいのですが。

 大使館がある辺りは人家が少ないから・・・処置もしやすいでしょう」


蒼乃宮は少々派手に事が進んだとしても伏せられると断じるのだった。


「相手国には今から緊急報告を送りますから、気にしないで。

 ユーリ女王には密かに内諾を受けていたから、政府間の話は丸め込めるでしょう」


フェアリア大使館に武力発動する事で、国際問題に発展する惧れがあった。

しかし、秘密裏に調べは進み、情報を共有していた両国の首脳は、事件の発覚こそを揉み消したかった。


日本国は魔砲力の復活を国民に知らせることを懼れ、

一方フェアリアは自国大使が他国で犯罪に加担しているのを知られたくなかった。


今は内密に。内々に事を取り量るべきと合意していたのだ。


「その為もあってか、フェアリア髄一の少佐マーブルを送って来た。

 あの大戦の勇者の一人、マーブル・チアキ少佐を事件解決の為に送り込んで来た。

 カスター君もユーリ女王陛下も・・・分かっていたのはなぜかしら?」


受話器を置いた蒼乃に、政務官が手に持った受話器を差し出す。


「フェアリアにも・・・魔を感じ取る者が居るという事ね」


呟いた蒼乃宮が受話器を受け取る。


「日の本の蒼乃です。貴国大使オズベルトについてですが・・・・」


挨拶も無しに本題を切り出す日本国皇室代表、三輪の宮蒼乃殿下に答えるのは。





「そうですか、誠にお恥ずかしい次第です。貴国に於いて存分に処断くださいませ」


そう告げて電話を切った。


「カスター、やはり・・・なのね?」


金髪の女王が瞳を伏せて訊いてきた。


「ああ、オズベルトの奴は闇に加担していたようだ。

 日本国内で誘拐に手を染めていた。闇のいいなりになっていた。

 全く以って許し難い侮辱だよ、処分は彼の国に任せたから」


カスターがユーリ女王の心痛を想い、気安げに言ったのだが。


「だから・・・あの子が言ったのね。

 大使に任ずるのはマジカの言った方が良いと。

 オズベルトではなく、ロモア君が適任だと」


ため息を吐くように、女王が呟いた。

大使の任命は内閣の責任である、つまりはマジカ首相の落ち度となる。

だが、マジカ一人の反対では押し切られる事になった。

内閣が認めたオズベルトを頑なにマジカは拒んだのだが、

内閣から首相不信任を突きつけられるのを懼れたユーリが、しぶしぶ大使任命を認めてしまった経緯があったのだ。


「そのことはもう良いだろう?

 それよりも、内閣にまで闇の勢力が伸びているのかどうかを調べるのが先決だ。

 マジカが言っていた通り、一度内閣を解散させて組閣し直した方が良いのかもしれないよ?」


カスターは事件が発覚したのを受けて、国内に蔓延る勢力を一掃するべきだと教えた。


「そうね・・・その件はマジカとあなたで取り仕切って。

 私はあの子・・・いいえ。

 ルナリィーンに宿る子に訊いてみたいの。

 女神リーンに、これからどうなってしまうのかを」


ユーリの心配は世界に再び闇の勢力が現れた今、

自分達はどう事実と向き合うべきか、魔法の復活をいつ国民に知らせるべきか。

それは世界がまた混沌の中へと堕ちる事を意味しているのだから。


ユーリ女王は別室に居る少女を想う。

自ら産んだ娘には、女神の魂が宿っている。

産まれた娘には、ずっと一つの約束を抱いて待ち続ける女神が宿っていた。


「リーン・・・あなたは今をどう感じているの?」




月を見上げる金髪の少女。

蒼き瞳は月明かりに輝き、金色の髪は月光に靡く。


「・・・帰って来たのね?」


少女の声は誰を想うのか。


「再び世界が墜ちる前に・・・巡り逢いたいわ」


月に向けて零すのは願い。


「今度ばっかりは・・・永遠なんて消えてしまうのよ?」


何を言いたいのか。何を告げたいというのか?

ルナリィーン王女の姿を借りた者の心が声にする。


「月の・・・この月から・・・来る。

 << 最期の使者 >>が・・・降りて来る」


見上げる月は陰りも見せずに輝いているのに。

女神を宿す少女は悲し気に呟くのだった・・・








両国の首脳が了解済みなのを告げられた。

内密に事を運ばねばならないのは承知のことなのだが。



「司令官!電池残量があと僅かです!行動限界まで後30秒!」


モニターを睨んだ女性管制員が報じる。


「うむ、予備電源に切り替えて脱出させろ。

 彼女は他国の人間だ、必ず助けねばならん!」


マコトが即時行動を促す。


「了解!ラミ候補生に予備電源を使用させます!」


管制員がマイクに向けて呼びかけるのを横目で見たマコトが。


ー ミユキ・・・後は頼むぞ。彼女達を救い出してくれ!


連れに向けて願うのだった。




邪操機兵3機に囲まれそうになった輝騎の中で。


「あわわっ、予備電源に切り替えましたっ。残り1分でここから脱出しろと?」


敵の攻撃前に逃げられるのかどうか。

躰に残った魔砲力も底を尽きかけている状況で。


「やるしかないか・・・神様お救いください」


神頼みするラミが、急速脱出を図るのだが。


「逃げても無駄だ、もうそいつ等には命令は聴けんのだからな。

 一度下された命令を全うするしか能が無いのだからな!」


邪操機兵にされた黒服達は、人の心を喪っている。

更には考えることも無くなり、命じられた事だけをこなそうとしていた。

つまり・・・


「ポンコツ機兵をぶち壊せ、そして再び娘を捕えて来るのだ!」


オズベルトの命じたままに動くだけ。


脱出を図る零号機れいごうきを追い、3機は狙いを定める。

後方モニターを観たラミの焦りがピークに達する。


「ヤバイ!撃たれる!」


予備電源の弱い電力では、活動にも制約がある。

瞬時に避けれるだけのパワーを出せず、足下にあるユニットも動作が緩慢だった。


最早避けきれないと思ったラミが目を瞑った時。



「「諦めちゃ駄目よ、魔鋼騎乗マギカナイトりさん」」


誰かの声が聞こえたように思えた。

頭に直接誰かが呼びかけて来たかと思った。


「えっ?!」


ラミが顔を上げて後方モニターを観た・・・



(( ザシュッ ))


邪操機兵に紅い何かが舞い降りて来た。



(( バシュッ ))



金色に輝く剣を持った蒼白髪の女性も振って来た。


二人の女性が一機の邪操機兵に躍りかかったように見えた。


「ま・・さか?!チアキ少佐?」


見知っている上官が、金色の聖剣をてに振って・・・闇を斬る。


「あれは・・・日本の?剣豪?」


紅いリボンをポニーテールに結った女性ひとの姿も・・・


 (( バガッ! グシャッ))


二人に斬り付けられた邪操機兵が足と手を切り離されて崩れ去る。


「すっ、凄い・・・人の手で機械を斬った!」


信じられないモノを見せられたと思った。

魔砲でさえも掠り傷をつけるのがやっと、機関砲でやっと撃破できるというのに。

唯の剣で、生身の人が手にした剣で・・・倒せたというのか、と眼を見開いた。



「「今だラミ候補生。脱出するのだ、早く!」」


直接マコト司令官の声がスピーカーから流れ出る。


「はっ、はいっ!」


後方モニターを見詰めながら、ラミは一目散に逃げる。

そのミニターに映るのは。



「どうやら、魔鋼騎が復活したようね・・・」


ポニーテールの女性が感慨深げに言うと。


「そのようですねミハル隊長のお母さま」


蒼白髪を掻き揚げたフェアリア軍制服姿のチアキ少佐が、残った2機の敵を睨む。


「今度の世界に顕れた敵は、どうやら本物の邪気を孕んでいるようですね」


捧げ持った聖剣を構え直して、チアキ少佐がミユキに言った。


「そのようね、チアキさん。私達の力も僅かながら戻ったみたいね?」


紅鞘の剣を持つミユキが、邪操機兵を睨んでいた。


「それと・・・どうやら、あなたが本国より送られてきたのにはこんな意味もあったようね」


ミユキは奥に控えて驚愕の眼差しを向けているオズベルトを指した。


「ええ、きっと尻尾を掴めると踏んでいましたが。

 わざわざ、正体を晒すなんて・・・愚か者ですね」


剣聖チアキが聖剣を翳して、諸悪の根源を睨んだ。

そいつは、自分の失敗を自覚できずに喚き叫んでいた。


「くそっ。何と言う事だ・・・このままではどのみち。

 私も処分されてしまう・・・こうなればこいつらを道連れにしても・・・

 娘を闇の中へ投げ込んでやるだけだ!」


コハルを捕らえれな、ケラウノスを蘇らせれると信じ込まされたオズベルト。

オズベルトの後ろにはまだ、主犯格の者の姿が見え隠れしているのだが。


「先ずは…目の前の闇を葬る事を目指さないとね、チアキさん」


「そうですね、先ずは・・・現れ出たオズベルト大使だった者を・・・倒さねばなりませんね」


二人の剣薙の前には、黒い霧に包まれたオズベルトの姿が・・・・


それは闇の機械を招聘した者だったのだが、変わって行った。


「ふむ・・・やはり。こいつがここのボスキャラって事みたいですね」


チアキの前に、3機の邪操機兵と。

オズベルトだった巨邪操機兵が現れ出た・・・

焦る闇の者オズベルト。

あまりにも単純な考えにチアキまで呆れてしまうが。


敵の邪操機兵の力は未だに知られていない。

さぁ、此処からが勝負の別れ道!

闘うのだ魔砲少女ミハル、魔鋼を纏って!


次回 新たなる魔鋼 輝騎<こうき> Act2

君は戦闘に加入するというのか?古き仲間と共に?!


ミハル「やった!キタコレ!!私に乗らせて!!」


コハル「何だか分からないけど、ものすっごーく嫌な予感が?!」


・・・・・損な?

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