表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔鋼少女<マギメタガール>ミハル・Shining!  作者: さば・ノーブ
第1編<輝け!魔鋼の少女>
54/219

<輝(ひかり)と邪(やみ)>Act8

このミハルは?

上着を取ったところ?


いいえ、これは・・・ルシファーの力を授けられたからです。


挿絵(By みてみん)


獣のような邪操機兵じゃそうきへいに銃身を向けた輝騎こうきの姿。


鋼の人形機械に搭乗するラミ候補生は、モニターに映る敵に照準を併せて。


「マモル隊長に危害を加えんとする者を排除します!」


マイクに向けて無線を交わす。


「「了解!攻撃を許可する!」」


本部から攻撃許可が下りた。

発砲の許可と、他国大使館内での交戦の認可が。


「攻撃開始!魔鋼弾装填完了っ、撃ちますっ!」


ラミが両腕に填めた操作環そうさかんを確認し、手元の射撃管制ボタンを再度押し込んだ。

発砲可能の緑ランプが即座に点灯する。

同時にポイントする照準点がミニターに現れ、機関砲の狙いが何処に着いているかを示した。


「先ずは敵を動けなくするのが優先ね!」


輝騎の右腕に掴んでいる機関砲と、ラミの右手に着けられた操作環が連動する。

ラミは狙いを敵邪操機兵の足に着けようと、右手を僅かにずらした。

瞬時に機関砲の照準点が動き、敵の足を捉える。


フォイァて!」


フェアリア候補生のラミが復唱して右手の人差し指を引き絞る。


((バムッ))


初弾が敵に向けて発射され・・・


((ダンッ))


ものの見事に邪操機兵の装甲を撃ち抜いた。

と、同時に邪操機兵は倒れ込む。


「初弾命中!敵、行動不能!」


20ミリ魔鋼弾に撃ち抜かれた邪操機兵は倒れ込み瓦礫に沈む。


魔鋼弾の威力を教えられて、ますます自信を持ったラミが。


「もう一機も撃破します!」


次なる標的に銃身を向ける。


全高が3メートル程ある輝騎と同じく邪操機兵の闘いは、狭い室内で行われた。

射撃音が大使館を震わせ、破壊が建物自体を壊し始める。


「なんて事だ!日本に人形兵器があるなんて聞いてはおらんぞ?!」


オズベルトは邪操機兵を一撃で行動不能とした輝騎に驚愕する。


「それに機関砲ごときで邪操機兵の装甲を撃ち抜くとは?!」


闇に属し、邪操機兵の威力に自信を持っていたオズベルトは、輝騎の性能に慄くしかなかった。


「これでは話が違うではないか!

 日本人如きに邪操機兵と真っ向から闘える兵器を造れるとは?!」


オズベルトは魔鋼騎を開発したのが元日本、日の本皇国であることを知らなかったようだ。

今から十数年前に開発された魔法の機械の事を、よく知りもせず言ったようだ。


「ええっい!構わぬ、そのポンコツから始末するのだ!」


もう一機の邪操機兵にオズベルトが命じた時には、ラミの照準が終えられていた。


((ドンッ))


近接射撃を受けて、邪操機兵の頭部モニターが弾け飛んだ。

コハルの魔砲にはびくともしなかった邪操機兵だったが、鋼の弾には脆くも倒されていく。


頭部を魔鋼弾に撃ち抜かれた二機目の邪操機兵も、何も出来ないまま倒れ行く。


「馬鹿なっ?!一瞬で・・・だと?!」


二機の邪操機兵は、オズベルトの期待を完全に裏切った。


「くそっ?!こうなれば・・・お前達!」


オズベルトは黒服の男達に向けて命じる。


「人形兵器を叩き壊せ!闇に魂を捧げろ、邪操機兵を呼び出せ!」


数人いる黒服男に邪操機兵に魂を乗り移らせようと命じる。


「なっ?!何を言うのですかオズベルト大使。

 悪魔に魂を売れば、もう人間には戻れないじゃないですか!」


邪操機兵が何たるかを知る黒服男が怯える。


「私の命に逆らうのか?!

 闇に捧げた筈だろう、お前達の命なんて。

 どのみちお前達は捨て駒に過ぎんのだからな!」


オズベルトが懐から赤黒い珠を取り出して言い放った。


「やめろっ!俺達は機械になんてなりたくはないんだ!」


一人の黒服が逃げ出す・・・が。


「闇の契約を交わしたお前達には、この闇の石からは逃れられぬ。

 この石に交した契約により既に魂は<イシュタルの民>と化しておるのだ!」


オズベルトが赤黒い石を突き出すと、闇の霧が男達を包み込んだ。


「ぎゃああぁっ!」


躰が霧散する・・・文字通り。

赤黒い霧となった男達に、金属の塊が結界から現れて纏わり付き出した。


そして・・・


「お前達の上官、オズベルトが命ずる。

 召喚邪操機兵達よ、己が力で人類の輝騎を打ち倒せ!」


醜い嗤いを浮かべたオズベルトが3機の邪操機兵に命じた。






モニターに映るのはフェアリア大使であった男と・・・


「なるほど・・・あの機兵は闇から出でるという事か」


邪操機兵の出現は、闇の中から現れ出るのだと教えられた。


「司令官!間も無く電池容量限界です。直ちに引き上げ命令を!」


零号機れいごうきの操作パネルを睨んだ計器員がマコトに報じた。


「うむ、直ちに回収命令をくだせ、候補生に帰る様に知らせるのだ」


マモル達が大使館から脱出できたと信じるマコトは、役目が終えられたラミに帰還を命じる。


「ラミ候補生、直ちに帰還せよ!」


マイクに向けて係員が命じた時、輝騎が戦闘行動に入ってしまった。

モニターに映ったのは、輝騎が銃身を敵に向けて動き出した姿。


「いかん!時間切れだぞ、ラミ君!」


マコトの声は操縦する少女には届かなかった。




「もう3機出て来た。で、弾はまだ14発残ってる・・・」


十分な残弾数に、ラミは全機を破壊出来ると踏んだ。

唯、ラミが見落としていた事がある。

右側面モニターに表示されていた、行動限界時間を告げるイエローゲージを。

行動限界時間を告げる電池残量計ゲージを見忘れていたのだ。


戦闘への初陣だったラミ候補生が、目先の敵に気を盗られているのはしょうがないのかもしれない。

現れ出た敵に気を盗られて、本部からの通信さえも聞き逃していたのは練度不足でしかない。


いや、たったの一機で送り込まれたのだから少女には荷が重すぎたとも言えた。


「「警告!あと1分で行動限界・・・警告あと50秒で行動限界・・・」」


ランプと警告音でやっと時間気れだと気が付いた時には。


「しまった!引き上げなくっちゃ!」


慌てて後退しようと方向転換したのだったが。

ラミ候補生の判断は甘過ぎた。

敵を前に後ろを向くなどと。


後退し始める輝騎に、3機の邪操機兵が見逃す筈もなく。


左手に装填されている火炎弾の照準を輝騎につけて来る。

3機一度に・・・火炎弾を放とうとして。


「しまった!」


後部モニターに、3機の敵が左手を向けて来るのが写る。

その手に空いた発射口に気付いたラミが動転する。

敵の発射する物の威力が分からないから、恐怖が倍増してしまう。


初陣の少女の運命は?

動けなくなってしまい、敵弾にたおされるのか?むざむざと・・・



モニターを注視している本部員も焦りと絶望に声を呑んでいる。


独り、司令官のマコトだけは違ったが。


「やはり、闘いに慣れた者を載せていくべきだったな、マモルよ」


モニターを観るマコト司令官は眼鏡を直しながら嘯く。


「あの子も責任を感じてしまうじゃないのか?

 だから・・・二人の剣薙が向かうと言ったんだろう?」


モニターに映らないが、マモル達の救出に向かっている人を感じていた。


「俺も歳を取っていなかったのなら・・・一緒に行きたかったぞ?」


眼鏡を直し、立ち上がったマコトが傍の電話を取り上げると。


「響子君、あおの様につないでくれ。大至急に・・・だ!」


どこかに連絡しようというのか、マコトは係の女性士官に頼むのだった。

遂に人型ロボットが闘い始めました。

そうです!

いよいよ次の回から。

新魔鋼騎大戦の始まりです(嘘)

女神ミハルが乗りたがってたから。乗せちゃいます!

次回! 新たなる魔鋼 輝騎<こうき> Act1

君は闘うべき機体に何を思う?現れ出る敵に立ち向えるのか?!


ミハル「いいね!いよいよ叫べる時がやってくるのよね?永かったわ(遠い眼)」



ミハル「飛べ!ガンダ○!」(大嘘)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ