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魔鋼少女<マギメタガール>ミハル・Shining!  作者: さば・ノーブ
第1編<輝け!魔鋼の少女>
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<輝(ひかり)と邪(やみ)>Act6

フェアリア大使が黒幕だったのか?!


それじゃあ・・・闘うしかないよね?!

怒りに任せて変身したコハル。


蒼き瞳と蒼き髪色。

そして白と碧の魔法衣姿になり、睨みつけるのはフェアリア大使オズベルト。



「蒼きひかり魔鋼マギメタコハル!


 月の女神様に代わって闇を討ち、闇を祓ってやるんだから!


 覚悟しちゃってよね!」


マモルやルマの前で堂々と変身し、悪を睨む魔砲少女コハル!

マリアはコハルが、とうとうあからさまに変身してしまった事にも驚いたが。


「ありゃま・・・みんな全然驚かんな?」


周り中のモノが、少しも驚かない事にもびっくりした。


「こいつらも、コハルの両親も・・・知ってたんか?」


魔砲少女がこの世界に存在している事は、知られていないと思っていた。

なのに、悪の手先は魔砲少女の変身を知っていた・・・何故か。


「闇の悪魔を召喚したっていうのは、本当のことなんや。

 こいつらがミリアママに悪魔を乗り移させたんやな・・・せやったら!」


水晶銃を手元へ戻してマリアも発動させる。


「変身や!ウチもコハルと闘う!」


コハルに続いてマリアも魔砲少女へと変身する。

紅き魔法衣を纏う、水晶の魔砲師へと。




二人の少女が相次いで魔法衣姿へと変わった。


<マリアちゃんも・・・でも、この場は人が相手なのよ?>


猿轡を填められたルマが首を振って停めようとする。


<コハル、抗わなくても良いんだ。

 悪とはいえ、人間を相手にするのは荷が重いだろう?

 相手を傷つけるのが嫌いなコハルの心に、疵を着けたくないんだ。

 もう少ししたら、助けが来てくれるから・・・>


マモルも魔法衣姿の娘達に諭そうと首を振って伝えようとしたのだが。


「アタシ、今迄こんなに怒った事なんてないんだよ?

 大人なのに、どうして酷い事をするの?どうして悪い事をするの?

 許せない・・・自分の欲望の為に、人を何とも思わないなんて!」


コハルが蒼き魔法石を差し出す。

片方の瞳が金色に変わって行き、コハルの力を示した。


ひかりやみを抱く者>へと・・・



大使オズベルトが驚喜する。

目の前の少女が力を見せた事で、自分達の目標が手に入ると目論んで。


「おお・・・やはり。

 お前こそが鍵なのだ、お前を捕らえられれば始まるのだ!

 我ら<イシュタルの民>の求めた世界が、開かれるのだ!」


勝手な言い分をほざいて、オズベルトが手を指しだす。


「さぁ、こっちに来い!お前とその石を我が手に握らせろ!

 この私が一番の功労者になれる。世界の中心にオズベルトの名が刻まれるのだ!」


コハルに向けて銃を突き出した大使が、黒服達にも命じる。


「娘を連れて来るのだ、今直ぐに我が主の元へと向かわねばならん!」


オズベルトは勝ち誇ったのか、口に出してしまった。

自分達が何者かに従っているのだと。

<イシュタルの民>には、首領が居るのだと、魔鋼戦騎隊の隊長に知らせてしまった。


マモルとルマは、聞き逃さなかった。

二人共目配せし、軽薄なオズベルトを笑う。


<後は。主と呼ばれる奴が、何処の誰なのかを喋らせればいい。

 こいつ達を一網打尽にして、口を割らせられれば。全てが解決する!>


世界の中に不穏な空気が流れているのを感じていた、元勇者達。

世界を救った闘いに従軍していた者達は、既に準備を怠らなかった。

その事はマコト達が造った新兵器にも表れていた。


<問題は、こいつらがどうやって悪魔達を召喚出来たかだ。

 警戒をしなければならないのは、闇の者を宿らせるのは人だけなのかという事だ>


嘗ての戦場で味わった事を思い出した。

オスマン帝国に派遣されて、闇の者と闘った時の事を。

悪魔を召喚した男によって、戦闘機械に宿った者達と闘った経験があった。


無人の戦車に魂が宿り、それと熾烈な戦闘を繰り広げた。

<魔鋼>機械に魂だけを宿らせ、闇に組みする者達と。


もしかしたら・・・再発されてしまうのではないかと。

悪夢のような闘いが、また始まるのではないかと・・・


マモルの懸念は、それだけに留まらなかったのだが。



「勝手な事を言うのね?

 アタシがあなたに捕まっても、4人を解放する気なんてないくせに!」


コハルはそうなるのが当然だと言わんばかりに吐き捨てる。


「そう・・・だとしたらどうする?

 お前には魔砲力があるのだろうから、死にはしまい。

 だが、両親とそこの母子はどうかな?

 苦しみもがいて死ぬ姿を見せてやっても良いのだぞ?」


オズベルトが嘲笑う・・・・だが。


「やるというのならやってみれば?黙って赦すとでも思うの?」


対峙するコハルが会話を引き延ばしている。

何故か・・・


<姪っ子ちゃん!マモルがね、もう少しの辛抱だからって言ってるの。

 間も無く救援に来てくれるらしいの、マモルの部下が。

 だから、辛くても魔法衣姿を維持するのよ?>


タイムリミットが迫る中、女神が心に話しかけていた。

コハルにとって、誰よりも信じられる大人である父親マモルが教えていると。


コクンと頷いて、女神ミハルに応えて。

今しばらくは、オズベルトの気を自分に向けさせようと思ったコハルが、


「アタシを捕らえたら、どこに連れて行く気なの?

 あなたの主人はどこで待っているというの?」


コハルが大使オズベルトの言った主人という者の在処を訊いた。


<おおおおっ?!姪っ子ちゃんっ、あなたって子は!なんと利発なの?!>


女神ミハルが感動する。

この状況で、姪っ子は落ち着き払っているのかと。

魔砲力が消耗していく辛さに打ち勝って、本当の敵の所在を聞き出そうとしたのかと。


「それはお前が知る必要などない。

 必要なのは、お前に刻まれた鍵と魔法石だけだ」


オズベルトはこの期に及んで言い澱んだ。


<ちっ?!思わせぶりな言葉を吐くから。ばらすかと思ったのに・・・>


女神ミハルが魔法石の中で残念がったが。


<うん?!なにか・・・何だか分からないけど。

 魔砲力を持ったモノがやってきたみたいね・・・これが?>


気配を感じた女神ミハルが周りを探る。


「ふっ!どうやら我が僕達が来たようだな。

 お前を主人の元へ連れて行くだろう・・・これで・・・な」


オズベルトが一歩退き下がる。


巻き添えを喰らうのを避けたのか。

ニヤリと引き攣った笑みを浮かべ、黒服達も囲みを解いた。


「えっ?!」


両親を救い出すのには絶好のチャンスだったが、コハルもマリアも。

それにマモルやルマも驚きの声を上げるのがやっとだった。


「召喚機兵がお越しのようだ。

 娘は我らが貰い受ける・・・あーっはっはっはっ!」


(( グガラッ ガシャッ ))


壁が打ち壊され現れたのは。


「なによ・・・こいつらは?!」


壁をぶち破って現れ出て来たのは、黒い人形をした機械。

いや、人形ではなく獣にも見える人造物体。


「もしかして・・・悪魔の正体なの?」


マリアも邪な気を感じ取って見上げるが。


「邪なる者に操られた機械・・・邪操機じゃそうき?!」


魔物にも見える数体の機械に対峙して、マリアが叫ぶ。


「こいつらが・・・こいつらが前に住んでた家にも現れたんや。

 前の学校に通っていた時にも!ミリアママの前にも現れよったんや!」


叫ぶマリアが拳を握り締める。

怒りに身を震わせ、忘れもしない悲劇の始りを声にする。


「コハル!前に言ったことあったやろ?

 友達に鬼が居るって言われたんやと。

 それはこいつらを観たからなんや、こいつらが現れたからなんや!」


壁をぶち破り現れ出た3機の召喚機兵。


「ミリアママがウチ等を庇ってくれへんかったら、どうなっていたか。

 ウチと友達を救う為にママはこいつらに捕えられたんや!

 そして帰って来たミリアママは、鬼みたいにおかしゅうなってたんや!」


憎しみを込めて、マリアが教えた。


「すべてはこいつらがウチ等の前に現れてからなんや!」


マリアの声は女神へと届いた。

マリアの声が女神に届いたという事は・・・


<そう・・・この機械は闇の力で動いている。

 悪魔の様に機械に憑りついているのね・・・且つての世界と同じように>


女神ミハルは悪魔のような獣型機械兵を睨んで言った・・・


挿絵(By みてみん)



現れた機械兵・・・それはマリアの記憶に残っていた。

友達が見た<鬼>・・・それが今!


いよいよ闘いは新局面へ。

人型ロボット兵器が出るのなら・・・こちらも!


次回 <ひかりやみ>Act7

君の放つ魔砲は・・・物質と化した闇に立ち向かえるのか?!


ミハル「にゅ~ふふふっ!そうよねぇ、そうなのよねぇ!魔砲って言っても機械には無力なのよねぇ?」


  ↑

いよいよ眼がヤバクなってる女神ミハル

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