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魔鋼少女<マギメタガール>ミハル・Shining!  作者: さば・ノーブ
第1編<輝け!魔鋼の少女>
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<輝(ひかり)と邪(やみ)>Act2

コハルのピンチ!

マリアに気を許しているコハルに迫る危機。


闇が覆うとき、コハルの痣から現れ出る・・・のは?!


((今回・・・萌える人は萌えてください・・・意味深))

振り返った先に居たのはマリア。

声も姿もいつもの親友マリアに違いは無かったのだが・・・


「ねぇ、コハル。ウチのミリアママに何してるんや?」


見詰めて来る瞳の色は別人。

蒼かった筈の瞳は、赤黒く澱んで観えた。


「コハル・・・答えるんや。そこで何をしているんや?」


手に持った変身デバイスの水晶銃をコハルに向けて、


「答えへんのやったら、今ここで勝負をつけてやってもかまへんのやで?!」


闘う事も辞さないと言って来る。


「マリアちゃんまで・・・」


ー 貶められてしまったの?


口には出さないが、瞳の色を観た瞬間に気付いていた。

悪魔は娘迄も貶めていたのかと。


魔法石から女神ミハルが注意喚起していたから。

現れ出て来る前から、未だ闇の気配が消えていないと教えていたから。


「マリアにまで憑りついているの?

 そんな事、絶対に赦さないんだから!」


ミリアを床に寝かせ、コハルが胸のネックレスを突き出す。


「マリアに巣食う悪魔!今直ぐ出て行ってよ!

 そうじゃないと絶対に赦さないんだからね!」


魔砲を求める。

女神の力を身に纏う為に。


「シャイニングゥーッ チェーンジィー!」


闇の室内にひかりが溢れる。

精神世界の女神から力が齎される。


光の中でコハルの瞳が青く染まる。

リボンが解け蒼髪が靡く。

来ていた学生服が消え去り、魔法衣が装着されていく。

光が消える時、再び魔砲の紅いリボンが結いあげられて・・・


「蒼きひかり魔鋼マギメタコハル。


 月の女神様に代わって闇を討ち、闇を祓ってやるんだから!


 覚悟しちゃってよね!」


びしっとマリアに宿る悪魔を指した。


現れ出た魔砲少女は、右手に力を籠める。


「一発で・・・マリアに巣食う奴を吹き飛ばしてやるんだ!」


赤黒い瞳を向けて来るマリアに、コハルが駆け寄ると。


「出てけ!悪魔ぁっ!」


光の拳でマリアを撃つ。


「出てけぇーパーンチ!」


問答無用の一撃を浴びたマリアが吹っ飛ぶ。


「はぁはぁっ!これでどう?!」


魔法衣を着ていれるタイムリミットが、魔砲を使ったことで迫る。


噴き跳んだマリアに走り寄り、悪魔を祓ったのかを確かめようとしたコハルに。


「痛たたぁっ、何すんねんなコハルぅ?」


頭を振って見上げて来るマリアの瞳は?


「あ、瞳がブルーに戻った!

 やった!悪魔をやっつけられたんだ!」


マリアの顔に蒼く光る瞳が戻ったので、喜んだコハルが手を指し伸ばす。


「マリア、善かった!

 これでマリアのお母さんもマリアも、悪魔から解放されたんだよ!」


差し出された手を取らずに、マリアが見上げて来る。


「なぁ、コハル。ウチ・・・立たれへんのや。

 すまんけど背負ってくれへんか?ミリアママの処迄・・・」


直ぐそこに寝ている母まで、背負って行って欲しいと願うマリアに。


「あ、そんなにダメージ与えちゃったんだ・・・てへっ!」


舌を出して、軽く謝ると。


「うん、いいよ。じゃぁ、おぶってあげるから」


背中を向けてしゃがみ、マリアを誘った。


<いけない!姪っ子ちゃんっ離れなさい!>


魔法石から女神ミハルの叫びが聞こえた。

心の中で・・・女神の叫びが聞こえた・・・


精神世界は閉じられていたが、邪なる者の影が存在したままだと警告したのだが。


<駄目よ姪っ子ちゃんっ!その子はまだ邪な気が!>


女神ミハルは咄嗟にコハルを庇おうとした。

魔法石から飛び出してコハルに入れ替わろうと焦った。


<でも待てよ・・・これは絶好のチャンスなのでは?>


女神ミハルは入れ替わるのを躊躇う。

邪な気を持つ者が、どうしようというのかが判って。


ミリアに宿りコハルを着け狙ってきた悪魔達が、どうしようとしてきたのかを思い起こして。


<ケラウノスを呼び覚まそうとして狙ってきたからには、美晴ミハルちゃんが鍵だと分っている。

 だとすれば、未然に防ぐよりも鍵が開けられないと知らしめた方が後の為にも良い。

 いいえ、悪魔達に姪っ子から呪いを消し去った事を解らせた方が良い!>


女神がチャンスだと云ったのは、この機会に自分の過ちをも拭い去ろうと考えたからでもあった。


<姪っ子ちゃんには悪いけど、少しの間苦しいかもしれないけど。

 必ず助けるから、我慢して頂戴ね。闇の呪いを消す為だから!>


女神は一体どうやって呪いを消すというのだろう。

その前に、悪魔はコハルに何をするというのか?


<邪な気がマリアちゃんから溢れてる。

 間違いない、邪な気をコハルちゃんに注ぎ込む気だな。

 鍵を闇の力でこじ開ける気だろう・・・鍵が開かれて出てくるのは?

 邪と出るか・・・それとも?>


魔法石の中で女神は準備に取り掛かる。

蒼き光を放ち、マリアの動向を見守りながら。



コハルの背に、マリアが覆い被さる。


「ねぇマリア、ミリアお母さんは女神様に救われたんだよ?」


教えるコハルの首筋にマリアの手がかかる。


「そう?だと良いんやがな・・・それも、もう後の祭りやで?」


マリアが覆い被さりコハルのうなじに顔を寄せた。


「マリア?!どうし・・・」


どうしたの?・・・と、言う筈だった。


((じゅるり))


舌なめずりの音が左耳に入った。

悪寒が背筋を奔り、マリアに振り向こうとした。


((ぶちゅる))


うなじにマリアの唇が・・・


((じゅぶじゅぶじゅぶ))


痣の処から身体中目掛けて気持ち悪い何かが入ってくる気がした。


「あ・・・ううぅっ?!」


悶絶してしまう。


挿絵(By みてみん)


((じゅぶじゅぶじゅぶ))


気味の悪い音と、悪寒が背筋を凍らせた。


「うあぁっ?!」


背筋を逸らせて、コハルが声を呑む。


「これでお前も一巻の終わりや・・・鍵を開けるが良い!

 大魔王を目覚めさせるのだ、復活の鍵を開くのだ!」


マリアに巣食う邪な者が、直接紋章の痣に闇を注ぎ込んで来る。


「うぁ・・・マ・・・リア?」


コハルの着ていた魔法衣が解け、学生服姿に戻されてしまう。

注ぎ込まれた闇に染められ、コハルは魔砲力を一時的に喪失させられたのだ。


「ふふふっ、お前はもう光の魔法衣は着る事は出来ない。

 闇を注ぎ込まれたお前には、闇の魔法衣がお似合いだ」


マリアに宿った邪な者が勝ち誇る。


<確かに・・・聖なる魔法衣を着るのは憚れるわね?>


苦しむコハルを観る女神もそう感じていた。


<だけど、やっと分かったわ。

 月の女神達がインプットしたプログラムの真意ってモノが。

 マモルに掛けられた呪いの訳も、姪っ子ちゃんに受け継がれた本当の意味も。

 全て・・・その日の為にって事ね?>


魔法石の中で人ざる物に代わろうとしている姪っ子を感じながら。


「ううっ、ああうっ・・・うふっ・・・うふふっ!」


苦しんで俯いていたコハルが急に笑い声をあげだす。

躰を黒い霧に包んだコハルが嘲笑った。


「そうか・・・お前達は勘違いしているのね。

 アタシに掛けられた呪いがどんな物かが・・・分かっていないというのね」


今迄。

<光と闇を抱く者>として、聖なる魔法衣を羽織っていたコハル。


嘲笑い、俯いていたコハルが乱れた髪の間からマリアに巣食う者を睨んだ。

左の瞳に輝く金色の瞳で。


「いつまでも<>に縋るな、無礼者めが!」


マリアを片手で押し退け、コハルだった者が睨みつける。


「おおっ!鍵が開かれた!

 ならば出でよケラウノス。いや、大魔王サタンよ!」


振り離された闇のモノが、マリアから抜け出し黒い霧と化す。


<馬鹿者ね・・・少し様子を観てみるかな?

 もしかすると・・・もしかするかも?!だって・・・この話し方は>


女神ミハルは一抹の不安よりも、期待に満ちた目で伺った。


制服を着て、黒い霧を睨んでいるコハルが手を指し伸ばす。

黒い霧となった、マリアに巣食っていた闇に。


「大魔王だ?ケラウノスだと?!鍵は確かに開かれた。

 魔界から闇が出でる事になる・・・余に逆らうのならば、だが。

 余は闇の王にして神。神にして大魔王なり・・・」


コハルの顔がニヤリと嗤う。


「なっ?!なんだと?闇の大魔王サタンでは無いというのか?

 人類を滅ぼすケラウノスとは違うというのか?」


「鍵は確かに今、開かれた。

 だが、余は大魔王にして聖なる神でもある。

 お前達邪なる者とついの・・・堕神おちがみ・・・」


コハルの姿が黒き霧に隠される。

闇のベールに包まれた中で、少女の姿が変えられて行った。


「なっ?!つい・・・だと?どう意味だ?」


邪な者は霧となってコハルの周りを廻る。


「見知っておけ・・・余は神にして魔王。

 余は審判の時を経て神に戻りし魔王・・・堕神ルシファーなり」


挿絵(By みてみん)

人となった筈ではなかったのか?

堕神になり、大天使ミハエルと共に人となったのではなかったのか?

その名を聴いた女神は我を疑うのだった・・・


呪いの紋章から現れたのは・・・堕神ルシファー!


次回  <ひかりやみ>Act3

光と闇が・・・再び邂逅する。今度は女神に愛を捧げるのか?!


ミハル「本当のルシちゃん?!私との約束を果す為?!そんなっ、嬉しい事言わないで!」

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