チェンジ!魔砲の少女 Act3
自ら。
そう・・・コハル自身が望んで替わります。
<<魔砲少女>>へと。
そう!今回が魔砲少女コハル変身回です。
ご注意ください)重たいかもしれません・・・開くのが。(意味深)
マリアと別れて、目の前にある角を曲がった時。
胸に下げていた蒼き魔法石が呼びかけてくる。
「「気を付けなさい」」・・・と。
気が魔法石に向けられた瞬間だった。
目の前が急に赤黒く染められ、辺りの景色が一変してしまった。
「えっ?!」
目の前にあるのは間違いなく・・・
「きゃあぁっ?!」
立ち竦むコハルの前に現れ出たのは、黒いベールを被った闇の者。
影のような存在だった以前の闇ではなく、はっきりと人の姿を見せる怪しい人物。
「コハル?!」
危急を知ったマリアの叫びが後ろから掛けられた。
「マ、マリアァっ?!」
助けを叫ぶ傍らに、魔法衣姿に変身しているマリアが飛び込んで来てくれた。
「「もう一匹・・・見つけた・・・」」
人の姿を模る闇の者から聞こえてくるのは、悍ましい人の声。
聴こえて来たのは、闇が何を企てているのかを教えていた。
「お前が!お前が誘拐事件の犯人なのね?!」
マリアはコハルを庇って対峙すると、二人の少女を攫ったのはお前なのかと問う。
「「お前達には魔力がある・・・因って復活の為に必要だ」」
連れ去った事を半ば認める声。
闇は少女達を何の目的で連れ去ったというのか?
復活の為とは、誰が、何を?
「「お前達に教える必要などは無い。黙って来れば良いだけ・・・」」
闇の者はマリアに向けて鍵爪を伸ばす。
「誰が黙って誘拐されなきゃいけないのよ!あなたこそ黙って引き下がりなさい!」
水晶銃を振りかざしたマリアが抗った。
闇の者と対峙するマリアに庇われているコハルは、恐怖に座り込んでしまう。
逃げ出す事も出来ず、腰が抜けたようにマリアを観るだけだった。
「コハル、アイツだけじゃないかもしれない。
この空間には複数の気配が感じられるの・・・」
闇の者から眼を放さず、コハルに向けて頼んで来るのは。
「コハル・・・今から言う事をよく聴いて。
あなたにも魔砲が授けられたのは覚えているわね。
あなたにも闇に抗える力が与えられた、自分の身を守れる力が。
この瞬間こそ、コハル自身の内なる力を示す時。
変身しなさい、魔砲少女コハル!」
闇に打ち勝てる異能を求めて来た。
女神に因って齎された魔砲の力。
自らの中に眠る異能を蒼き魔法石に求めれば、コハルは魔砲を放てるようになる。
「今こそ!コハル自身に因って!
あなた自信の力で闇に立ち向かえる<魔砲の騎士>になりなさい!」
マリアが求めて来た。
コハルの変化を。自らの意志で、立ち向かう姿になれと。
「アタシ・・・アタシに?
化け物と闘う姿になれって言うんだよね?」
「そう!コハルの力で闇に打ち勝つの。魔砲の力で闇を祓うの!」
マリアは人形を睨みつけながら言い切った。
「コハル!今からあなたは魔砲騎士!
人に仇名す者を撃破る、魔鋼の騎士になるの!」
胸のネックレスが輝。
コハルの右手がネックレスを掴み、胸元から天へ向けて翳し上げる。
「女神様!私にも闘う力を授けて!
友達を護り抜ける魔砲を!大切な人達を護り抜く魔鋼力を!」
翳し上げた蒼き魔法石に異能を求めた。
「変身!シャイニングゥー・チェンジィーッ!」
コハルの求めに、魔法石に宿る女神が応える。
少女の異能に答えた蒼き魔法石が光を放ち、コハルを包み込んだ・・・
蒼と白の光が溶け合い、コハルの身体から全ての衣類を消し去る。
括っていた髪が解かれ、光の中で靡いた。
光の空間で揺蕩うコハルに、金色に輝く光が纏わり付いて行く。
コハルは光を巻き付けるかのように体を回転させ、光の帯に身を委ねる。
素肌に金色の帯が巻き付くと、紫がかったレオタードに変わり内張り装甲となる。
腰に巻き付いた光が紅いリボンと化して、魔法の流れを整える。
回転する身体に次の光が巻き付くと、コルセットに成って胴部を護る防御装甲になる。
素肌の足にスカイブルーのストッキングが足先から巻き上げられて、
紅きリボンに整えられたコルセットと、ストッキングに金色のスリットが装着される。
金色のスリットには魔法の攻撃に対抗する魔法障壁が与えられ、防御性能を格段にアップさせた。
体の回転を停めたコハルの胸に光が集う。
現れたのは胸元が開かれたままの白い上着。
外装装甲になる丈の短い上着に、蒼のラインが奔る。
蒼き魔法石の属性を表す蒼きラインが各部に走ると、両手にグローブが填められる。
開かれた胸元に紅い光の帯が集中し始め、括っていた髪にもリボンが戻る。
開け放たれていた上着が胸元に着いたリボンで括られる。
装着された上着にも魔法障壁のスリットが肩口に填められ、白き魔法衣が完成する。
{このGifは短縮版です。
宜しければ「みてみん」に全変身GifをUpしてございますので、そちらをごらんください}
{i384466/i384465/i384468/i384522/i384526}5分割されております
また、作者のブログでも公開中です http://sbnb.livedoor.blog/ コピペお願いします。
白と碧。そして紅きリボンで模られたコハルの魔法衣姿。
魔砲の少女として変身を遂げたコハルが、ゆっくりと瞳を開く。
変身は他の者が観ていれば、瞬く間の事。
魔鋼少女コハルが、この世界に自らの意志で現れた瞬間だった。
「蒼き輝の魔鋼コハル。
月の女神様に代わって闇を討ち、闇を祓ってやるんだから!
覚悟しちゃってよね!」
右手のグローブに着いている蒼き珠を闇に向けて、コハルが決め文句を放った。
赤黒い空間に、白の魔法衣が舞う。
闇の者に対抗するのは蒼き魔法石の力を身に纏う少女コハル。
装備された防御性能。
各部に着けられた魔法障壁が、魔法に因る近接攻撃以外を弾き返す。
腰に靡くリボンと、胸元の紅きリボンが魔砲力を調節し、放つ力を高めている。
マリアは女神に因って変身したコハルを観た事があった。
女神の力を観た事があった。
目の前に立つコハルは、寸分違わない姿で現れている。
それは、コハルの魔砲力が女神と匹敵している証なのか?
「コハル?!もしかしてイキナリ全力で闇を討つ気?」
マリアが初陣のコハルが何をしようとしているのかを問い。
「辞めておいた方が・・・善くはないの?」
全力を放つ事に因り、闇の者は討てるかもしれないが。
「まだ自分の力だって分かっていないのに?」
放ったとして。
後でどうなるかも判らないから。
「ううん、違うんだよマリア。
どうなるか何て関係ないの。アタシにはタイムリミットがあるみたい」
突然、コハルが言いだした事にマリアが小首を傾げて訊き直した。
「タイムリミット?なんなの、それって?」
マリアに訊き直されたコハルが苦笑いを浮かべると。
「あのね。アタシってば、まだこの姿になるのには力不足みたいなんだよ。
持久力って言えば分かりやすいかな?
魔砲力が凄いスピードで無くなって行くらしくて・・・
魔法石の中の女神様がカウントダウンしちゃってるのよね」
右手に着いている蒼き石が点滅している。
「あと、残り2分を切った・・・だから。
もう決着を着けなきゃならないんだ!」
目の前に居る闇の者に向かって突き出した右手に、棒状の獲物が現れる。
「アタシには女神様程の力は出せない。だけど・・・
魔砲を放つ事は出来るんだよ、この蒼き剣で!」
棒状の先に光が集い始める。
「マリア、一撃で勝負を決めるから・・・観てて!」
振りかざされた蒼き輝。
振りかざしたロッドの先に魔砲力が集中した。
「コハル?!それは?」
猛烈な魔砲力を放ち始めたコハルに驚愕したマリアが叫んだ。
「まさか?!女神様と同じ術を?!」
マリアの叫びに頷いたコハルがロッドの先端を闇の者に向ける。
「そう!これがアタシの全力全開!
女神様に見せて貰った魔砲の呪文!」
集中し尽くした蒼き輝を闇に向けて、コハルが叫んだ。
「シャイニング・ブレイカー!」
極大魔砲である女神の技。
初めて魔砲を放つ者に、本当ならば放てる筈もない術。
どんな魔砲使いだってそう易々と撃てる筈もないというのに。
「シュゥーットォッ!」
蒼き極大魔砲が闇に向けて放たれた。
「なんだって?!マジでコハルが女神様の術を?!」
蒼き光が闇を破る。
人形の闇を・・・そればかりか赤黒い空間までをも。
((ズッドォオオオオォッ))
破壊波は闇の者を一瞬で消し去る。
眼を見張る事位しか出来なかっただろう。
驚愕の叫びも、仲間への連絡も出来ずに。
マリアは知った。
人形の闇以外にも空間の中には闇たる者が潜んでいた事に。
コハルの魔砲が空間を破る時に、垣間見たのは空間を作っていた存在。
赤黒い空間を作っていた数人の闇の者も、破壊波動に飲み込まれて瞬時に消し去られて行った。
「さっきの気配は。奴等だったのか」
感じられた複数の気配の主達も、コハルの放った魔砲に因って闇へと消え去った。
唯の一撃で・・・コハルの魔砲で。
「やったわねコハル!」
辺りに気配が無くなってから、マリアはコハルへと振り返った。
「えへ・・・やったよ・・・」
微笑んだコハルだが。
「ごめん・・・ミリア・・・」
微笑んだまま、崩れるように倒れてしまう。
「コハル?!しっかりして!」
駆け寄った時には、コハルは元の姿に却っていた。
揺すり起こしてもコハルは閉じた目を開けない。
「い、嫌よコハル!眼を開けて!」
抱き起したマリアが必死に揺する・・・が。
「タイムリミットだったんだ!コハルは力を使い果たしてしまった!」
折角闇の者を撃ち祓えたというのに、コハルは眼を閉じたまま。
「眼を開けてコハル!しっかりしてよ!」
友を亡くしたくない想いか、マリアは涙を零して呼び続け・・・・
「ん?!」
コハルの変化に気が付いた。
「すぴよ・・・すぴよ・・・」
「寝てる・・・だけ?」
・・・・すやぁ・・・
コハルは気絶した訳でも力尽きた訳でもなさそうだった。
((ポイッ))
思わず放り出して、眉間に怒りマークを浮かばせる。
「なんて・・・こっちゃ!」
自分も変身を解いて、呆れた顔を向けるマリア。
それでも・・・コハルをもう一度膝に抱いて。
「お疲れさんやったな、ウチの魔砲少女さん」
眼を開けない程の眠りに就いているコハルに笑い掛けたのだった。
はぁ。
コハルもやっと魔砲少女として認識されますね?
ブログにも各Gifが公開されてますので。
あまり代わり映えがないとは思いますが。
さぁ、あっさりチート魔砲でカタを付けたようですが。
次に待っているのは鬱な展開?!
アップダウンが多い本作。
母と娘の言い争いは魔法少女とても同じです。
次回 チェンジ!魔砲の少女 Act4
私の気持ちはあの子には伝わらないの?これが親子の葛藤なのね・・・・
ミハル「ルマ・・・あなたの心はきっとコハルちゃんにも伝わるから・・・ね?」




