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魔鋼少女<マギメタガール>ミハル・Shining!  作者: さば・ノーブ
第2編 <魔鋼学園>
209/219

神託の御子と終焉の悪魔 第5話

挿絵(By みてみん)


決戦ナウ!

光の御子と小春神が手を携えたのです!

遂に勝敗を分かつ時が来ます。


邪神王と美晴の一騎討・・・いいえ。


大魔王に宿る堕神デザイアと、美晴と共に立ち上がった多くの魂達との決戦。


今、己が力を信じ、友と手を携える魔鋼の少女が放つのは?





「我等が護りしは、人と共に手を携えられる世界。

 我等が望みは、世界を光と影で彩れる平和。

 今我等が立ち向かうのは完全なる闇!我等は正義を守らんとする者なり!」


魔獣騎士グランが光の御子美晴を護ります・・・配下の数万もの魔獣を率いて。



「聖なる者も闇の者もない。唯あるのは正義!唯護るのは邪悪に立ち向かう御子!」


聖獣となった狒狒爺に率いられた数千の聖獣達が、小春神を取り巻きました。


「さぁ!今こそ。正義の刃で邪悪なる敵を討ち果たされよ!」


現れた小春神(コハルに率いられた軍勢が、美晴の周りに集いました。

大魔王の結界には、光の御子美晴だけが実体化している状態でしたが、邪神王には数千万の魂達が観えていたのです。


「いくら集まろうとも、それは全て烏合の衆なのだ。

 余の魔力には歯がたたぬと思い知るが良い!」


邪悪な口から零れだす言葉だけで、数千の闇の者が掻き消されてしまいます。

強大な魔力を含んだ王たる者に、か弱き魂は微塵もなく消されてしまうのでした。


「臆するな!姫君を護るのだ!」


エイプラハムが聖獣をして、コハルだけはと矢面に立ったのです。


「爺?!やめなさい!」


小春神(コハル)は自分を護ろうと進み出たエイプラハムに手を伸ばすのです。


「姫様、仮にも一度は姫様を騙したこの爺や。

 それを許して頂けただけで本望でございました。

 今、今こそ!本当の死に場所と心得た次第。姫様の盾となり果てるは望外の名誉です」


「やめてよ爺!もう嫌なの、爺やが居なくなっちゃうのは嫌!」


言葉の限りを尽くして諫めるコハルさん。


「されど姫様。今こそ、光の御子と共に敵を討たねばならないのですぞ!

 邪神王を倒さねば、姫様の未来は絶たれてしまい兼ねませんのですぞ!

 幼き折からご一緒出来たのは、この爺やの誉でございました。

 本当の娘、本当の孫を抱かせて貰えたようでした・・・感謝以外に言葉が見つかりませぬ」


「爺・・・」


聖獣達の先鋒に立つエイプラハムが、振り返ってコハルに頼んだのはこれが最期。


「私めを姫様の傍に置かれた、ルシファー様のご恩にも報わねばなりますまい。

 今こそ、務めを果たしたく存じます。爺やは姫様の為にこの場に居るのですから」


「爺・・・エイプラハム?!」


聖獣エイプラハムは気高き白狒狒となり、邪神王目掛けて突き進み始めました。


「待って!爺や」


呼び止めた小春神の耳に入ったのは。


「コハルちゃん。皆の気持ちを受け取ってあげてよ。

 みんながアタシ達を護ってくれてる・・・それに応えなきゃいけないんだよ?」


強大なる敵に向かう・・・そして力の限り護り闘う。

自分を犠牲にしてでも、絶やすべき魂ではないと分かっていても。


「必ず打ち破り、みんなに報いなきゃいけないんだ。

 倒さなきゃ、何もかもが悲し過ぎるんだから!」


魔鋼剣エターナル・レッドを振りかざした美晴の声で、コハルさんは思い知らされたのです。

今、自分達が相対している敵は、この世界中で最も邪悪で強大な者であることを。


美晴と二人だけの力では歯がたたないかも知れない事に。


「アタシ・・・この一撃に全てを賭けるよ。

 全てを捧げてでも・・・この命を懸けてでも。

 奴を倒さなきゃならないんだ・・・絶対に!」


美晴が願うのは邪悪なる王を倒す事だけではなく。


「みんなを護りたいんだ。

 此処に居る仲間達だけじゃなく、世界中の人達みんな。

 産まれて来る子達も、死に逝かんとしてる人も。

 邪悪な魂に喰われたりしないように・・・護りたいんだよ!」


「・・・美晴・・・」


小春神(コハル)は言葉を飲み込みました。

その言葉は・・・決死。

必死ではなく、決死なのかと・・・問いかけるのを止めたのです。

なぜならば、自分もそう考えたからでした。


「美晴・・・私も。私も一緒だからね」


勤めて当然のように告げるのです。

女神なのだから死を賜る事はありませんが、魂の消滅を覚悟したのです。


御柱を消してでも・・・護るのだと。


「ありがとう・・・コハルちゃん」


美晴さんからは拒否の言葉より、感謝の言葉が返されてきました。

それは心を同じに出来た者への謝意。

今迄相対して来た娘達の同化を意味していたのです。


光と闇。

二つの異能が被さり、今。





「ぐははははぁっ!消えろ消えろ消えてしまえ!

 お前達など、邪神王に歯向かう愚か者共に過ぎんのだ!」


強大な魔砲力で群がる聖獣や魔獣を駆逐する邪神王。

敵わずとも、一太刀でも喰らわそうと突っ込む軍勢。


「無駄だ!無駄無駄無駄ぁッ!」


魔王剣を一閃させる度に、数千の軍勢が闇に返されてしまいます。


「何万居ようが、何億居ようが関係ないッ!

 お前達を駆逐するだけの事だ!消え去るが良い」


魔王剣を振り回す邪神王。

ですが、肝心の相手をほっていたのです。


魔鋼剣を振りかざしたままの美晴さんには、魔砲は届いては居なかったのです。



一亘りの軍勢を殲滅した邪神王が。


「ふむ・・・盾となって散るだけの者を相手にしていてもつまらぬな」


やっと気が付いたみたいです。


「お遊びはこれ位にしておくか」


圧倒的魔力を誇っていても、時間だけはままならないと分かったようです。


「そろそろ、終わりにせねばなるまい」


魔鋼剣を金色に輝かせている美晴を観て、顔を強張らせたのです。


「彼奴が何かを企てようとするのなら、未然に消し去ってくれるわ!」


残された軍勢に護られている美晴さんに、狙いを絞るのでした。


高く掲げた魔鋼剣は金色に輝き、蒼髪を靡かせる乙女へと。




「もうちょっと・・・もう少しだよ皆!」


小春神が魔鋼剣へと異能力を注ぎ込みながら教えました。


普通の剣なら、こうはいかなかったでしょう。

少し前の紅鞘ならば、吸収できなくて破壊されていたかもしれません。


美晴が掲げている魔鋼剣は、未来の女神ミハルから贈られたフィンが導入されていたのです。

未来の女神ミハルが贈ってくれたフィン・・・とは?






「ほほぉ?太陽神並みに魔砲力を剣へ集めるのね・・・やるじゃないの」


どこかから観ている機動の女神が呟きました。


「これなら・・・様子を観といた方が失敗しないわね」


美晴さんが一人で立ち向かう構図に映りますが、邪神王が剣を振り回していることから。


「仲間達の犠牲・・・悲しいけど、これが現実なのよね」


未来から来た女神は助けることもしないで何を待っているのでしょう?


「あの子達が勝利を修められたら・・・どう出る気なのよ、異形種(イシュタル)


なるほど・・・最終決戦に備えていたのですね。

つまり・・・デサイアさんに美晴さん達が勝つのだと?


「歴史は変えられたのよね、私に因って。

 でも、それじゃあなぜ・・・私は消えない?

 未来が変わったのなら、なぜ未来から来た私は消えないのかしらね」


フフフッと笑う未来から来た女神様。


「そうよ・・・奴の存在が消えていないからよ。

 この場を観ている筈の総本山が、仕組んだ奴が残ってしまうからよ」


なっ?!それがイシュタルの者と云う奴なのですね?!


「後少し・・・我慢しなさい」


女神様は美晴さんに零したのです。


「その時こそ・・・見せてあげるわ」


・・・何をですか?もしかして?


「3000年女神の実力の程をね」


・・・恐ろしい。







「ねぇみんな。もう囲みを解いて良いよ。レッドがそう言ったから」


魔鋼剣を振りかざしたままの美晴さんが、小春神にだけ。


「コハルちゃんは一緒に居て。力を貸して欲しいんだよ」


傍に寄り添っててと願ったのです。


「うん!勿論だよ」


光の御子美晴さんと、女神コハルさんの手が重なります。


「一緒に・・・放とうよ、輝の美晴」


重なり合う手。

共に闘う娘達の心は一つへ。


「輝くのは未来!アタシだけじゃないよ、みんなで放つんだよ!」


「そうだね美晴。輝くのは私達の未来あすだもんね!」



幼い時は憑代として過ごし。

幼き折は宿って生きた。


嘗て幼馴染となりし娘達が手を携えて立ち向かうのは、過酷なる運命の終焉。


遂に宿命さだめは終焉の時を迎えん・・・




「いくら光を纏おうが、強大なる暗闇には勝てぬと知るが良い!」


魔鋼剣を翳すミハルへ向けて、邪神王が魔王剣に魔砲力を集めます。


「己の弱さを思い知り、恐怖と共に消え去るのだ!」


一撃で消し去れる強力な魔砲を放とうとした邪神王が・・・


「?!なっ?」



驚愕の叫びを飲み込んだのです。飲み込まざるを得なかったのです。


「なんだとぉッ?!」


美晴のエターナル・レッドに燈された輝の弾を見せられては。


どんどん膨れて行く金色の光の弾。


それは喩え大魔王だとても御し難い程の威力を秘めた弾・・・魔鋼のたま


「人にこれ程の弾が・・・信じられん!」


美晴を人と呼び、蔑もうとしたようですが・・・


「人だからこそ。アタシは人だから・・・負けられないんだ」


「な・・・なにッ?」


金色に染まる人の子美晴からの答えに、邪神王は狼狽えました。


「人だから命が果てるまで全力で生き抜こうとするんだ。

 人だから限りあるモノを大切にしたいんだ・・・だから、負ける訳にはいかない。

 邪神王・・・人の力を甘くみるんじゃない!!」


瞼を見開き、蒼き瞳を燃え立たせて。


「これが・・・アタシの全力全開!

 シャイニング・・・・ギガ・ブレイカーだ!」


金色の魔砲。

金色なる魔戒の砲弾。


エターナル・レッドに集めたみんなの想いを力に変えて。



「シュゥー――ッ  トォッ!」



挿絵(By みてみん)



放つは光の御子、シマダ・ミハル。


嘗て世界から巨悪の野望を潰えさせた伝説の勇者と同じ・・・名の娘。




放たれる必殺技。

これで倒せなきゃどうするって位の奥義。


次回は・・・決めれるのか?



放たれる最終奥義!

討つのはどちらなのか?

邪神王も負けじと放ったようですけど?


次回・・・いよいよです!


煽りまくった挙句・・・次回で決着?

さぁ・・・どうでしょうかね?


次回 神託の御子と終焉の悪魔 第6話

放たれる光弾!その結末は?!邪神王VS美晴決着や如何に?

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