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魔鋼少女<マギメタガール>ミハル・Shining!  作者: さば・ノーブ
第2編 <魔鋼学園>
205/219

神託の御子と終焉の悪魔 第1話

コハルちゃん奪還作戦?!


作者はなぜ学園編を書いたのか?

なぜノーラとローラを出演させたのか?


やっと分かる時がまいります!


最終決戦始まります・・・・

揺蕩うは大魔王・・・少女の姿を模る悪魔王。


爆焔が消えた結界に、悪意の塊と化した大魔王コハルが佇んでいました。



4人の魔鋼少女を睨みつけて・・・


挿絵(By みてみん)


「ふむ?どうやら何かが起きた様だな・・・」


人の子に対して、絶対の魔砲だった筈。

大魔王に因って、光を抱く魔鋼少女3人は消し飛ぶはずだったのです。


ですが、煙が晴れた跡には。




「残念だったノラな!お前のヘナチョコ魔砲は空中で破裂したんだノラ!」


口の減らないノーラが、余計な一言を返してしまいました。

空中で勝手に破裂したものとばかり思い込んでいるのは、ノーラだけではなかったのです。


「大魔王とか言うけど、大した奴じゃないって?」


ローラも、魔砲を御しきれない悪魔風情と考えたようです。

ですが、マリアだけは美晴さんの心配をしていました。


「美晴!早くこっちへ来るんや!」


友を想うマリアの気配りでしょうか。

それとも危険な相手だと判るからでしょうか。


少し離れた場所に居る美晴の魔法衣がボロボロにされているのを観たマリアには、この大魔王が一筋縄ではいかない相手だと判ったのでしょう。




「ふむ?まぁよい。次には消し飛ぶのだからな」


悪態を吐く娘の声に耳を貸さず、大魔王は魔王剣に異能を込めて次の一発を準備し始めるのでした。


「今度は纏めて4人を始末してやろう」


魔王剣を消し、右手に魔力を集める大魔王の次なる技は?


超重力波スーパーグラビトン・・・」


美晴を一撃で叩きのめした重力波よりも数倍強力な魔砲を準備し始めたのです。

これをまともに喰らったら・・・



「みんな!無事で良かった」


駆け寄る美晴さんが、3人へ呼びかけるのです。


「遠距離戦じゃ、こっちの分が悪いんだ。なんとかして内懐迄入り込まないといけないよ」


圧倒的魔砲力を放つ、大魔王との闘い方を知らせるのです。


「アイツはコハルちゃんを飲み込んでるんだ。なんとかして助け出したいんだけど」


「コハル?誰だノラ?」


事情を知らないノーラが聞き咎めましたが。


「美晴の大事な人なんや。幼い時から一緒だったらしいんや」


マリアは小春神(コハル)の話を聴いていましたから、美晴の告げた名で事情が呑み込めたようです。


「なんと?!美晴(ミハルンの大事な人ノラか?!」


美晴贔屓のノーラの耳がピョンと立ちました。


「それは聴き捨てならないノラ!」


いきなりローラさんの腕を掴むと?


「おいローラ。奴の中に居るコハルって子だけど、男か女か分からないかノラ?」


・・・そこですかノーラさん?

いきなり詰め寄られて、とんでもないことを訊かれたローラさんですが。


「え?!ええ~とぉ・・・良く分からないけど、アイツの中で誰かが泣いてるような気がするんだ」


相手の弱点を見破れる能力を備えたローラさんが、異能全開で探ったようです。


「泣いてる?どんな声だノラ?」


「女の子だと・・・思うけど?」


コハルさんが泣いているのですね?大魔王の中で・・・可哀想に。


「コハルちゃん・・・助けてあげないと」


二人の会話を聞いていた美晴さんが、眦を決して呟きました。


「美晴、アイツからどうやって助け出す気なんや?」


大魔王の底力を訝むマリアさんが、聞き咎めます。


「奴に飲み込まれたって言うてたやんか。おいそれとは手放さんやろ?」


「う、うん。でも、コハルちゃんを助けたいんだアタシ」


どうしてもコハルさんを救出したいんですね美晴さんは。

だったら、良い事を教えてあげましょう。


「飲み込まれたって言うたけど。

 アイツのどこに捕まってるんや?本当に口から呑まれた訳やないんやろ?

 姿を観れば分かるけど、まだ人型をしてるんやし乗っ取られてるだけやないのか?」


大魔王の姿はコハルのままでした。

顔形が幾分邪にはなっていましたけど、まだ少女の姿のままでしたから。


「なぁ美晴。もしかしたら抜け出せへんのかなぁ?

 身体はともかくとして、魂だけでも逃げ出せへんのかなぁ?

 大魔王に飲み込まれたってことは、小春神さんも闇の力が使えるんちゃうんか?」


おお?!マリアさん、ナイスです。

大魔王の姫御子だったコハルさんは、確かに転移出来た筈ですから。


「接近して手にでも当たれば乗り移れるんちゃうんか?」


「そこまで近寄れたら問題ないけど。そうは簡単にいかないよ」


マリアさんは大魔王に触れれば転移が可能だと言ったのですが、戦闘中に巧く接近できるかも分かりませんし。


「それに、大魔王の方が気付く筈だよ。コハルちゃんが逃げ出そうとするのを」


「うう~む、他に良い方法がないんかなぁ?ウチ等ではないモノに・・・」


そこまでマリアさんが言った時でした。


「そう言えば、美晴の女神様は石に宿ってたノラねぇ」


すっとぼけたノーラさんの声が気付かせてくれたのです。


「そうだ!」


「せや!」


美晴とマリアさんが顔を見合わせて頷きました。


「コハルちゃんのエンブレム!

 小春神になった時に贈られたと言ってた、春神の紋章石!」


「せや!胸元から覗いてる桃の花を模したネックレスに!」


二人が思いついたのは・・・コハルを転移させる先。


「アイツの魔力が弱まった瞬間を逃さず・・・出来るかなぁ?」


「それよりも、どうやって作戦を伝えられるか。どうやって奪取できるかやで?」


転移して貰おうにも、コハルとコンタクトが取れない二人の計画は、あっさり頓挫しそうになったのですが。


「うにゅにゅ。君達、このノーラ様の存在を忘れてるノラか?」


「は?!」


ノーラさんが仁王立ちになって二人を睥睨したのです。


「怪盗ノーラ様を忘れてるんでしょ~ノラ?」


「ほぇ?」


間の抜けた声を出した美晴さんに、ローラさんが言いました。


「こんな女の子状態だけどさ、ノーラ姉は盗賊シーフの異能を持ってるんだよ?」


「あ・・・完全に忘れてました」


教えられた美晴さんが、ポンと手を打ちます。


「ぷんすか!」


忘れ去られていたノーラさんが拗ねました。


「なろほどや。それで?巧く奪取できそうなんか?」


「みくびらないでノラ!」


自信たっぷりなノーラさん。

これで奪取の方策は成立です。


「じゃぁ、どうやって伝えられるんだろう?」


獲り込まれているコハルさんに、転移させる方法は?


「アイツが魔砲を放つ瞬間を捉えて。

 気が付かない内に転移して貰って、ノーラに奪わせるんや」


マリアさんが決まったかのように話しますが?


「だからぁ!コハルちゃんにどうやって知らせるの?!」


分からない美晴さんが言い募りましたが。


「そもそも。獲り込まれて泣いてるのがローラに分かるんや。

 きっとアイツの眼を通して観てるに違いないわ!

 せやから・・・ゼスチャー作戦と行かへんか?美晴」


「ほぇええ~?!」


・・・まったく、美晴さんってば。







コハルさんを虜にした大魔王が、絶対の自信を以って準備する超重力波(スーパーグラビトン


成りたての大魔王には、いくらか骨が折れる魔砲のようです。


「もう間も無く完成だ・・・ん?」


異能を集中して魔砲の準備に忙しい大魔王の前で。


「やぁ~い!のろま!唐変木!」


「お前が何を企てようが、ウチ等には効かへんで!」


ローラさんとマリアさんがタッグを組んで小馬鹿にして来たのです。


「ん・・・なにっ?!」


まるで二人から攻撃されるよりも強力な悪口を繰り出されては・・・


「赦せん!今直ぐぶっ飛ばしてくれる!」


準備の整わない超重力波をぶちかまそうとしたのです。


「あらぁ~?良いのかなぁ、中途半端な魔砲を撃った瞬間には戒めが弱まるノラぜ?」


これは大魔王にというよりは、囚われの姫へ?


「そうそう!魔砲を撃った瞬間に、飛び込んじゃうかもね?

 アタシだったら、一番大切なモノに飛び込んじゃうかなぁ、女神様から頂いた石に」


美晴さんが女神から直接頂いた石がある訳ではありません。

ルナリィ―ン姫から譲り受けた蒼き石があるだけです。


これはコハルさんを促す布石でした。


続いて美晴さんがマリアさんに飛び込む格好を見せてから。


「魔砲が撃たれたらぁ~ダイビングしちゃうかもね!

 アタシだったら、自分で何とかしようとしちゃうんだから!」


マリアさんに抱きかかえて貰った美晴さんが、大魔王を指差したのです。


「なにを・・・訳の分からぬ事ばかりほざくのだ?」


指し示されたと思った大魔王が、ふざけるなと怒りました。


・・・が。


「「あたしを?あたしに何かを言ってるの?」」


コハルさんは気付いたのです。


「「飛び込む?何に?大切なモノ?」」


大魔王の呪縛は破れないと、踏んでいたコハルさんでしたが。


「「そうだ。美晴を攻撃した時、少しだけ弱まった気がした。

  それを言っているんだね?でも、憑代になってくれそうな人が傍に居ないから・・・」」


そう思った時でした。



 シャン・・・・


心地よい鈴の音が聞こえたのです。

まるで・・・母の優しさみたいに温かく、囚われの心に響いたのです。


コハルさんの心は早鐘の様に鳴り出しました。


「「なにか・・・聴こえる?!」」


大魔王に獲り込まれた自分の耳に入る筈もないのに。


 

  飛び込みなさい・・・女神リーンの石へ



驚く事に、今度は女性の声が聞こえたのです。

しかも、自分しか知らない女神の石を告げるのですから。


女性の声は優しく、そしてどこかで聞いた様な気がしたのです。



「「お、お母様?!もしかしてミハエルお母様?」」


声の主が誰であったか、誰が救おうとしてくれているのか分かりませんでしたが。


「「そうだ!春神の石へ。審判の女神様から頂いた証へ!」」


賢いコハルは、声で悟ったのです。

声の主が誰であったかと、美晴達が言わんとしている事に。


「「ありがとう・・・理の女神様」」


どうしてコハルがそう感じたのか・・・わかりません。

ですが、コハルの言った通りだと思います。なにせコハルさんも女神でしたから。





「消し飛ぶが良い!」


大魔王は美晴さん達の策略とも知らず、撃ってしまいました。


超重力波スーパーグラビトン!」


魔砲が放たれたのですが、完全ではなかった為に・・・


「うぬ?!」


普通のグラビトン程の魔砲弾が振って来たのでした。


「くそぉ!しくじったか」


大魔王が口惜しがるのも仕方がありません。己の判断ミスでしたから。


そして魔砲弾はマリアさん達に・・・命中する瞬間。


「嘗めるんやないで!ウチにはこいつがあるんや!」


マリアさんの魔鋼銃が火を噴きました。



 ドム ドム ドム!


連射された魔鋼弾が、全て大魔王のグラビトンに吸い込まれて。


「今や!ノーラっ、行け!」


作戦の発動を命じたのです。


「ノーラちゃん!お願いッ!」


美晴も運命を盗賊ノーラに託すのです。


「任せろー!」


普段に無いノーラの引き締まった顔付。

盗賊の異能を駆使して大魔王に忍び寄ります。



 グワッ!



魔鋼弾を飲み込んだグラビトンが空中で爆発します。



「お願いコハルちゃん!ネックレスに転移して!」


祈る気持ちで瞬間を待つ美晴さん。

爆焔が再び結界に揺蕩います。


「ふふんっ、しくじってもこれだけの爆発を起こせるのだ」


大魔王が爆発に満足して気を逸らしました。



と。



何かが観えたのは。



「いっただきぃ~ノラ!」


吠えるノーラが手を突き出した時だったのです。


「なっ?!何ッ?」


大魔王の胸元に隠されてあったネックレスへ。


「貰ったぁ~!」



  バチ!



気が付いた大魔王が防御したのでしたが・・・遅かった!

一瞬、手の方が早く伸びて・・・掴みました!



「美晴ン!獲ったどぉ~!」



挿絵(By みてみん)




掴んで直ぐ、大魔王からネックレスを奪い去った!ノラ!!(お見事)



「しっ?しまった!」


大魔王が追い打ちの魔砲を放ちますが、飛び退いたノーラには当たりません。


「小癪な!泥棒猫め!」


逃げるノーラを追う魔砲弾。

そして・・・


「後は頼んだノラー!」


美晴目掛けてネックレスを放り投げたのです、大盗賊の面目躍如でしょう。




 ドム!




だったW


「ぴぎゃぁッ!」


もろに魔砲弾を浴びたノーラが吹っ飛びました。



 ひゅるる・・・


ノーラが放り投げたネックレスの行方は。




 パシっ!




「おっとと・・・」


美晴さんの元へ届いたのです。


両手でがっしりと掴んだ美晴さんが、ノーラさんの殊勲を称える・・・前に。


「コハルちゃん!居るのなら応えてよ!」


必死の叫びをあげたのでした・・・




コハル奪還なるか?

そして大魔王との決戦は?


次回はどうなるのでしょう?





奪還できたのか?!

ノーラはふっ飛ばされちゃいましたがW


さぁ!コハルさんを奪い返したのなら!

どうしましょう?


次回 神託の御子と終焉の悪魔 第2話

大魔王が大人しくしているとは思えませんが?逆襲してきそうな気配・・・

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