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魔鋼少女<マギメタガール>ミハル・Shining!  作者: さば・ノーブ
第2編 <魔鋼学園>
201/219

もう一つの未来<<きぼう>> 第6話

デサイアに槍を向ける真・理の女神ミハル!


彼女に秘められた真実とは?

今、堕神と化したデサイアとの戦いが?始まるのでしょうか?

金色に輝く穂先部分。


それはデサイアも見たことがない亀甲型を模った、何かの機械のような穂先でした。


双刃の穂先の根元には、蒼く輝く魔法玉が輝いていたのです。



「私の知っている槍じゃない・・・」


デサイアの持っている女神の錫杖とはまるで違います。


「審判の女神が携える錫杖でもない・・・」


理の女神ミハルが右手に出した槍は、今迄観たどんな槍とも違うようでした。

デサイアがよくよく見ると、穂先の基部には何か槍には関係のないような物が付けられているのが判りました。


「まさか?!それは?」


気付いた瞬間、デサイアの顔に驚愕の表情が浮かんだのです。


「まさか?!魔砲のカートリッジ?」


ミハルが携えている槍。

先端の穂先部分に着けられた蒼き魔法玉、金色の穂先・・・そして。


「あらぁ~気が付いたようねデサイア。私のデバイスが連射可能という秘密に」


槍を突き出して示すミハルに、デサイアは更なる驚愕を与えられる事になります。


「あなたがシャイニング・ブレイカーを一発放つ間に、私は3発撃てるわ。

 それだけじゃなくてね~、6発全ての魔力を貯めて放てることも出来るんだよ」


「なっ?!なんだとッ?」


女神ミハルによると、カートリッジは内蔵6発だというのです。

その6発を連射可能だと言い、また、全ての魔力を併せる事だって出来るのだと。


「シャイニング・ブレイカー級を6発分併せるだと?」


そんなことが可能なのでしょうか?

デサイアさんも信じられないようですけど。


「普通の女神には不可能でも、私には可能になったんだよね。

 御主人様とケラちゃんが与えてくれてるんだから・・・(ミハルだけにって」


ふっと女神ミハルが、蒼き魔法玉と腰に靡かせている補助装甲布に目を配らせたのです。


「御主人様は分かるが。ケラちゃんとは誰の事なんだ?」


「あ、わかんないかなぁ~?殲滅の機械だったケラウノスちゃんだよ」


・・・え?


「はぁ?!」


デサイアさんも魂消たようです。


「あなたの知らない未来でね。時の魔法を人類に授けたのよね。

 月の民との闘いで、ケラちゃんが造ってくれたんだよ。マコトお父さんと協力してね」


「なっ?!あのユピテルの奴がか?」


神との闘いでは、敵だったケラウノス。

全能の神を名乗った万能コンピューターが、今度はミハルの味方になっていたと云う。


「そっ、だよ~。

 ケラちゃんと共に、私達は闘ったんだよね~。

 ね、ケラちゃん、リーン!」


どええええぇ~ぇっ?!そこにいるの?


ミハルは穂先の魔法玉と腰の魔法布に話しかけたのです。


「ここにはいないけどね、連絡は可能なんだよ・・・秘密だけど」


秘密じゃないでしょーが!


「審判の女神と、コンタクトを執れるのか?」


「勿論!この世界へ行く様に命じたのは御主人様だからねぇ~」


はぁ?!


「時の魔法を手にしている、未来のリーンが修正するように命じたのが始りなんだよ」


ふむ?と、いうことは。

今ミハルさんは時の魔法を行使できない?


「時の魔法で2000年戻されちゃったんだよねぇ。

 デサイアを粛罪させるように言い渡されちゃったんだよねぇ・・・私」


損な?!馬鹿な?


「だって御主人様(リーン)の命令だから。

 私に原因があると看破されてたから・・・戻されちゃったんだよぉ~?」


・・・全ては損過ぎるミハルが原因でしたか。


「だからぁ~、デサイアにはちゃんと粛罪して貰わないとねぇ」


穂先をデサイアに向ける、理の女神ミハルさん。

闘っても、今のデサイアさんでは勝ち目は無さそうです。


「くっ?!私を滅ぼす気なのか?

 だとしたら私の中に居る、この時代のミハルをも滅ぼす事になるぞ?」


幽閉していたミハルの事ですね。

人質って奴でしょうか?


飽く迄対抗しようとするデサイアさんに、ミハルが左手の指を差し出して・・・


「チッチッチッ!あなたっていつも真実を見分けられないようね。

 そんな事だからイシュタルの民に着け入れられちゃうのよ!

 あなたの中に居た過去の(ミハルは、これこの通り!」


自分の姿を、デサイアそっくりに変えたのです。


「ぬぉっ?!謀ったなぁ!」


潜伏していた3000年女神が分離した際、もう一人のミハルをも連れだしていたようです。


「この3000年女神に抜かりはないわ!」


伊達に歳は喰っていないということで・・・OK?




大魔王の結界に、女神(ミハルが二人浮かんでいる光景は・・・不思議を通り越して不気味。



「さぁ・・・粛罪を受け入れなさいよねデサイア」


槍に着けられた蒼き魔法玉が、デサイアに突き付けられました。


抗っても無駄であると・・・教えようとしたのです・・・が。


「頭では分かっていたって・・・心まで応じようとは思わない!」


デサイアさんは完全に闇に堕ちていたようです。


「そう?じゃあ・・・みんなの声でも聞いてみたらどう?

 あなたも女神だったのなら、声が届くんじゃなくて?」


「誰の・・・」


声が停まりました。

懐かしい人達の言霊が流れて来たように思えて。


「キャミ―もアルミーアも。それにタームも居るわよ」


「嘘・・・亡くなった筈の魂が?どうしてよ?!」


破られた結界の上。

上空遥か彼方に観えたのは、彼女が居りてきた場所。


「彼女がね連れ戻してくれたんだよ。

 私が頼んだ約束を果たしてくれたの・・・ミハエルが粛罪を終えたのよ」


大魔王の結界に来る前に出逢ったミハエルも、そう言ってましたね。


「みんな、復活出来たのよ。

 謝罪を告げられた魂達。

 ・・・許して貰えたのよミハエルさんは!」


粛罪とはそういう物なのでしょうか。

掛け買いもない拠り所を与えられた魂達は、世界に帰れたとでもいうのでしょうか。


「みんなが私を心配しているの。

 あなたのように闇に堕ちてしまわないかってね・・・」


愕然とするデサイア。

自分の堕ちた理由の一つが消されたから。


「だからねデサイア。みんなの声に応えてあげなきゃいけないと思うんだ」


真・理の女神が諭そうとします。

魂の声に気付いたデサイアに・・・大切なモノを取り戻せたのだから。


「イシュタルの者よ!もはや野望は潰えたと思いなさい!

 堕神と化した者から手を退くのです・・・さもないと」


蒼き瞳が色を濃くしていきます。


蒼く・・・深く。


まるで蒼穹の様に。


「さもないと・・・この(ミハルが相手になりますよ?!」



まだリボンの色は赤いのに。姿は未来の理の女神と成って・・・


エンブレムが太陽神バージョンⅡへと変わると同時に、



挿絵(By みてみん)



「シャイニング・ブレイカー!」


女神が問答無用に発砲したのです。


まだ過去のミハルと同じ威力の魔砲弾を!




 ぎゅわわぁっんっ!



蒼き魔砲弾がデサイアの後ろへ向けて放たれました。


そこには誰も、何もない筈だったのですが。



 グッワアアアァ~ンッ!



何もない空間で魔砲弾が炸裂したのです。


「ふっ・・・やはり。力不足のようね」


炸裂した魔砲弾の威力を確認したミハルが。


「デサイア。

 私は敢えて干渉する事に決めたわ。

 この世界の(ミハル)には、少々荷が重そうなのよね。

 だから・・・私達が二人の御子を護ることにするわ」


「私達だと?このデサイアも一緒にと、いう意味か?」


不意に複数人を指した女神ミハルの言葉に反応したデサイアさん。

でしたが、ミハルさんは大きく頭を振ると。


「違うよぉ~ん!私達って言えば・・・」


穂先の魔法玉を突き出して言ったのです。


「リーンとケラちゃんも、観てるんだからね!」


蒼き魔法玉の中に、微かに金色の気配を感じ取れたのです。


それは・・・


「「おっほん!私のペットにお任せあれよ!」」


・・・審判の女神(リーン)?!


「うにゃぁ~?!ペットは禁句よぉぉ~~~っ?!」


突如ミハルの髪に獣耳が生えました。尻尾付きで・・・Orz


「ま・・・間違いないわね。リーンなんだ?!」


そしてデサイアは気が付いたのです。

リーンの言霊に反応する未来のミハルと、反応しない自分に。


「私は・・・本物のリーンが放つ魔法も効かない程、堕ちていたようね」


ミハルを観たまま、儚げにつぶやくのです。


「うんにゃぁ、デサイアさんもしっかり変身してるにゃ」


「にゃ・・・にゃに?!」


なるほど・・・蒼ニャンになってましたW


「ぷっ!いつ見ても・・・笑えるぅ~」


小馬鹿にする未来のミハル。


「うるにゃいっ!お前だって獣耳尻尾付きじゃにゃいか!」


不毛です。不毛な言い争いです!


どっちもどっちだと思わないのですかね?


「と、とにかく~。リーンの逆鱗に触れる前にカタするわよ!」


おっ?!普通に魔法が切れましたか。

デサイアさんとミハルは人型に戻りましたね。


ですが、デサイアさんの後ろに居た奴等が蠢いたのです。


「むっ?!異形種イシュタルが蠢き出した?」


咄嗟に未来のミハルは構えました。

次なる手を打つであろう敵に対して。


「どう出る気なの?」


一瞬の戸惑いが齎したのは?


「そうか?!歴史自体も修正を拒むと言うんだね?」


自分が未来から来た者であると悟ったイシュタルの者達が打つであろう手とは?


「デサイア!直ぐに天界に昇りなさい!

 そこで事態が収束するまで待っていなさい・・・」


真・理の女神が命じた時でした。


デサイアの後ろの空間が歪み、あっという間も無くデサイアの影を飲み込んだのです。


それは、闇の異能を飲み込んだに等しい事。


「そう来たか・・・異形種(イシュタル)

 やはり・・・私の出番ってことね?」


未来から来た女神ミハルが、本当の敵に向けて睨みを効かせました。


「御子だけじゃなく、過去の私にまでちょっかいをかけたのね。

 ・・・赦せないじゃない、ねぇリーン?」


魔法玉に話しかけるミハルに呼応したか、蒼き光が点滅します。


「イシュタル・・・月の民からもはぐれた者。

 人でありながら神をも凌ごうとした者・・・罪深き永劫なる悪意の者よ」


デサイアの影を掴み取った澱みが、下方に居る者へ降りて行きました。


「今度はルシちゃんに乗り移る気?そうはさせないから」


未来から来たミハルは、この世界の悪意に対抗したのです。


つまり・・・


「ルシファー!時の魔法を発動して!!」


先手を打ってアクァさんの持つ指輪に手を伸ばしたのです。

イシュタルの者よりも早いスピードで駈けつけて!

戦いにならなかったW


デサイアの闇を奪った敵<異形種イシュタルの民>!

未来から来たミハルによって知らされた敵とは?!


いよいよアクァさんが日ノ本に来ていた意味が分かります。

そしてルシファーはミハルに?ミハルはルシちゃんに再会を果たすのでしょうか?


って・・・肝心の美晴はどうなってるんだ?

主人公なのにねぇ・・・損な娘だこと。


次回 もう一つの未来<<きぼう>> 第7話

君の前に現れた女神は?少し前とは違うようだね?!

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